ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

レール

2018-06-28 12:15:47 | Weblog
雨に洗われたレールが朝日に照らされ輝く
少年のころ、この上を走る者たちに憧れていた
半端な力を加えても微動だにしない鉄の道
そのことに安心して疾走する列車たち
僕はどこまでも続くレールの果てを見つめていた
知りたくても叶わない遠い未来のようだった

右へ進むべきか
左へ進むべきか
どちらが善で、どちらが悪か
どちらが成功で、どちらが失敗か
どちらが賑やかで、どちらが寂れているか
どちらがささやかで、どちらが虚しいか
どちらが生で、どちらが死か

大人になった僕は修正の利かない直線の怖さに目を伏せた
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W杯・名人戦

2018-06-23 09:43:19 | Weblog
サッカーワールドカップ初戦、日本が2-1でコロンビアに勝利しました。見事に大方の予想を覆しました。試合開始直後、攻撃は最大の防御とばかり日本の猛攻。慌てたコロンビアは痛恨の反則を犯し、レッドカードを貰い10人に。PKの権利を得た日本は香川が落ち着いて決め先制。

その後やや守りに入った日本は前半終了間際にFKから得点を許し、1-1で後半へ。後半28分、香川に代わり投入された本田のCKから大迫が見事なヘディングシュートを決め、決勝点。その後も必死に1点のリードを守り切り試合終了。ワールドカップでは初めて南米代表を下しました。

ワールドカップ前の監督交代などのゴタゴタを乗り越えての勝利。ハリル監督からバトンを受け継いだ西野監督は、今から22年前のアトランタオリンピックでブラジルを下し「マイアミの奇跡」と謳われた時の指揮官。もはや「南米は西野に任せろ」と言ってもいいかもしれません。僕は攻撃は最大の防御、ディフェンスもできるだけ前でという考え方なので、岡田さんより西野さんの采配が好きでした。サッカーは野球のように攻めと守りが平等に与えられるスポーツではないですから。

選手で光ったのは勿論、大迫選手。それと個人的には柴崎選手。豊富な運動量が光りました。香川・本田のベテラン勢も要所で見せてくれました。残り2戦、まだ難しい状況ですが予選を突破してもらいたいですね。

将棋名人戦。個人的には羽生竜王に追い風が吹いているとみていたので、羽生有利と予想しましたが、佐藤天彦名人がその風を見事に止め、4勝2敗で防衛。名人戦3連覇を果たしました。特に第6局はなかなか駒がぶつかり合わない難解な将棋。一進一退の攻防の中で、最後は羽生玉を見事に仕留めました。羽生さんもここで奪取できれば、名人10期となり、大山15世の18期、中原16世の15期に次ぐ大名人の仲間入りといってもよかったのですが、お預けになりました。羽生さんは同世代に森内九段というライバルがいたことが響いてますね。ちなみに僕の免状は名人も竜王も森内さんの名が記されています。渋い。

佐藤名人は昨年不調で、さながら名人戦男といわれた森内さんタイプなのかもしれません。しかし、大山さん、中原さんがそうであったように、やはり名人が最強と言われるぐらい他の棋戦でも活躍してほしいですね。それに永世名人資格は早めに取得したいところです。後ろから藤井聡太という名人を超す少年が数年後には、名人戦に登場する可能性が高いですから。


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怪物

2018-06-15 19:14:05 | Weblog
おまえと出会って30年近くになる
俺が崩れ落ちたあの日から
すでに死ぬまで別れられない予感があった

普通の生活はできないと漠然と覚悟した
まともに仕事はできないだろう
結婚もできないだろう
瞬時に老人になりたかった

そして想像した道を具体的に歩いてきた
おまえは俺から様々なものを奪っていった
おまえの友人の鬱まで俺の中に住まわせて
おまえにことごとく痛めつけられながら
俺は絶望を教えられ、平凡の美しさを理解した

誰も知らぬ街で暮らしてみたい
それでもおまえの黒々とした巨大な影だけはついてくるに違いない
そしておまえは飽きずに奪い続けるのだ

おまえは俺に対して主導権を握っているつもりだろう
しかし、俺の生きる残り時間は確実に減った
俺が死ねばおまえも死ぬ
俺も追い詰められたが、おまえも追い詰められたのだ
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日記帳

2018-06-10 00:07:05 | Weblog
梅雨の合間の
履き古したジーンズのような空から
降ってくる焼け付く光
離れてた雲が慌てて寄り添い
まだ少し早かろうと太陽を睨む

季節が積み重なってゆくのは
許されているようで逃れられず
逃れられないようで許されている
つかみどころのない流れもの

だから人は数字でくくり
日々の生活を具体的にしている
曜日までつけてめり張ってみせる

僕の心にある日記帳は色あせて
ところどころ抜け落ちてペラペラだ
読み返す価値もないだろう
それでも確かに生きた証に違いない

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藤井聡太の夏。あの星たちの夏

2018-06-07 08:32:52 | Weblog
こないだ「猪狩ともかさんは不幸だろうか?」というタイトルで書きましたが、両親による5歳の女の子の虐待死は痛ましいですね。世の中、不条理とはいえ本当に神様はいるのだろうかと疑いたくもなります。

さて、藤井聡太七段が竜王戦5組で優勝し、2年連続で本選出場を決めました。相手の石田五段は藤井七段の得意戦法を堂々と受けて終盤まで苦しめました。それが、かえって藤井君の終盤の能力を最大限に引き出しました。AIを超えたとまで言われる絶妙の手順を発見し、激戦をものにしました。まさに全盛期の谷川九段を彷彿とさせるような光速の寄せでした。

いよいよ、竜王戦本戦ですが、もし羽生竜王と7番勝負を戦えば、藤井さん優位と予想します。しかし、そこまで勝ち上がるのが大変です。一度も負けることが許されないですからね。初戦から強敵です。都成竜馬五段。名前からして将棋の申し子のようですが、谷川さん唯一の弟子であり、今一番勢いのある若手の一人です。ここで勝つことだけでも大変ですね。竜王戦で羽生・藤井聡太の7番勝負は見てみたいですが、今のところ現実味は薄い気がします。

藤井君は現在、高校1年生で15歳。今最も輝いている10代の一人でしょう。ここでかつて輝いた10代を少し振り返ります。高校生が輝く舞台で真っ先に思いつくのが甲子園。早実の荒木大輔投手は、藤井君と同じ高校1年の夏に、決勝まで勝ち上がる原動力となりました。横浜の愛甲猛投手と投げ合い惜しくも敗れたものの、あの背番号11の輝きは忘れられません。

それから3年後の夏、PL学園に1年生でエースと4番という天才が2人出現しました。桑田真澄と清原和博。決勝では桑田投手が完ぺきなピッチング、清原選手もライトへホームランを放ち、横浜商業を下し、全国優勝を果たしました。彼らは、その後KKコンビと呼ばれるようになり、甲子園史上、空前の記録を残し、焼けつくような記憶も残しました。

松井秀喜、高3の夏も人々に強い印象を残しました。5連続敬遠。憮然とした表情ながら黙々と一塁へ向かう松井君の姿がよみがえります。

松井選手の5連続敬遠が1992年の夏。同時期に行われたバルセロナオリンピックで水泳の平泳ぎで14歳の岩崎恭子選手が金メダル。「今まで生きてた中で一番、幸せです」。あれから4半世紀以上が過ぎ、岩崎さんに、それを上書きするような大きな幸せはあったのでしょうか。

松坂大輔投手の高3の夏は凄かった。PL学園との大激闘。決勝ではノーヒットノーラン。春夏連覇。剛速球もさることながら、綺麗に横滑りするスライダーは高校生に攻略できるものではなかったですね。あれから20年。当時の球威はなくなりましたが、変化球主体のピッチングで復活の兆しを見せています。オールスターファン投票では1位。投票している人の多くは、やはり20年前の甲子園のノスタルジアではないでしょうか。

そして2018年、藤井聡太、高校1年の夏が幕を開けました。

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