ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井の全盛期はいつまで続くか?

2024-03-20 12:31:19 | 将棋

藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する棋王戦五番勝負第4局が3月17日に行われ、藤井棋王が伊藤七段に勝ち、3勝0敗1持将棋で防衛しました。これでタイトル戦14連勝として、大山康晴十五世名人に次ぐ史上2位となりました。

また、中原誠十六世名人が持つ最高勝率記録はNHK杯決勝で佐々木勇気八段に敗れ8割5分2厘となり、中原十六世の8割5分5厘に惜しくも及びませんでした。それでも歴代2位。自己最高の勝率を残しました。

 

藤井聡太の2023年度は終了しました。前半は苦労する場面もありましたが、10月以降の竜王戦、王将戦、棋王戦は負けなしの圧倒的な強さを見せました。

果たして、藤井八冠の全盛期はいつまで続くのでしょうか?40才まではまず難しいでしょう。35才もかなり厳しいと思います。AIの登場で将棋の進化のスピードが格段に速くなりましたから。30才でタイトルを現在の半分、すなわち4つ保持していたら大したものではないでしょうか。しかし、もはやこの状態では全盛期とは言えません。

 

では、いつから藤井八冠が全盛期だったのかといえば、19才で五冠王、A級に上がった頃だと思われます。現在2年が過ぎて21才。個人的に全盛期の条件になるのは、タイトルと勝率だと考えます。例えばタイトル戦の場合は、1日制の五番勝負なら敗れる可能性はあると思います。ただ、藤井八冠が現在の強さで2度失冠する可能性は低いでしょう。よって、ひとつは六冠に後退した時、もうひとつは、14才でデビューして以来、7年続いている勝率8割を切った時です。驚異的な勝率があってこそのタイトル戦負けなしですから、8割を切れば自然とタイトル戦でも失冠が混じり始めると考えます。

ただ、個人的に藤井八冠には二大タイトルである名人、竜王の座は守り続けて欲しいです。また、一度ピークアウトした後、果たして逆襲できるのかということにも注目しています。

 

 

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藤井聡太、2024年白星スタート

2024-01-09 14:33:06 | 将棋

藤井聡太、2024年の幕開けです。

王将戦第1局が1月7・8日に行われ、藤井王将が120手で挑戦者の菅井竜也八段に勝ちました。

 

完勝と言っていいのではないでしょうか。お互いが穴熊に組み合う(相穴熊)形になり、特に藤井王将は松尾流穴熊という金銀4枚の堅陣です。ディフェンスの駒が多い分、当然、攻め駒は少なくなります。その細い攻めを繋げ、一流の振り飛車職人である菅井さんを投了に追い込んだのは見事というより他にありません。

 

藤井さんの将棋は、デビュー当時から終盤力が飛び抜けていたのですが、それに序盤の構想力、中盤の捻り合いの強さが増してきて、将棋全体の幹が太くなった気がします。今年の将棋界も藤井聡太を中心に回っていきそうな予感が漂う一局でした。

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竜王戦 藤井が伊藤を下し2連勝 西山朋佳vs香川愛生

2023-10-19 12:09:33 | 将棋

昨日まで行われていた竜王戦七番勝負第2局は藤井聡太竜王が伊藤匠七段に勝ち、2連勝としました。

第1局は藤井竜王の快勝。そして第2局も藤井ペースで進みましたが、最終盤で伊藤七段がただで取られる藤井玉の斜め右下に角打ちの王手。伊藤七段の高い才能を感じました。

藤井竜王も強く取ります。伊藤七段はもう一枚の角で今度は斜め上から王手。ここで合駒を打てばよかったようですが、藤井竜王は玉を下げてかわしました。この手があまりよくなかったようで、次に伊藤七段が正しい手を指せば互角の展開でしたが、すでに1分将棋に突入していたため最善手を指せず、最後は藤井竜王が伊藤玉を即詰みに討ち取りました。

 

藤井対伊藤の同学年対決。藤井竜王が有利になりましたが、伊藤七段も間違いなく強いです。通算勝率7割7分台というのは若い頃の羽生九段と同じぐらいではないでしょうか。21才の同い年。この竜王戦はまだ序章に過ぎません。

 

女流王将戦三番勝負は西山朋佳女流王将が挑戦者の香川愛生女流四段に2連勝し、防衛を果たしました。

個人的に女流では西山さんが一押しですが、香川さんも非常に人気の高い棋士でYou tubeなどで精力的に活動している印象です。

香川さん善戦しましたね。特に第1局は西山さんが佐々木大地七段を完封した後だったので、もう少し楽に勝てると予想していましたが、中盤までは完全に香川ペース。将棋の難しさを感じると同時に、研究の比重の大きさを再認識しました。

 

西山さんは里見女流五冠に白玲戦を戦っている最中なのですが、「明日、あさっては休みたい」とおおらかな回答。永瀬九段が聞いたらどう思いますかね。

これが西山さんのペースなんでしょうけど、里見さんは将棋にストイックなので、この発言は出雲のイナズマに火を着けてしまったかもしれません。

 

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将棋史に刻んだ金字塔 藤井、ついに八冠制覇

2023-10-12 12:52:40 | 将棋

昨日、王座戦第5局が行われ、藤井聡太竜王・名人が永瀬拓矢王座に勝ち、3勝1敗として王座を奪取しました。

 

ついに藤井聡太が八冠制覇、全冠制覇を成し遂げました。コンビニで久し振りにスポーツ新聞を買ったのですが、他紙の一面も藤井でしたね。

昨日は仕事は休みで病院へ行きました。午後1時頃に帰宅したのですが、局面が動かないので、夕方から本格的に観戦しました。

 

昼食休憩まで藤井七冠が2時間48分を使っているのに対し、永瀬王座の消費時間はわずか21分。それでもAIは永瀬王座有利を示していたので、研究では藤井さんは永瀬さんに及びません。その後、攻める永瀬、守る藤井の展開が長く続きましたが、盤上の中央に桂を打ち込んだ辺りから藤井が反撃。そこから二転三転あり、最終盤で永瀬勝ちの局面になりましたが、1分将棋ということもあり詰みを発見出来ず、馬で王手をかけました。結局、この手が敗着となりました。

藤井さんが勝利に向けて着実に進む中、永瀬さんは何度も激しく髪をかきむしり、両手を組み合わせ祈るようなしぐさ。個人的には強く印象に残りました。

 

とにもかくにも藤井さんはよくやりました。快挙です。僕も良かったと心から思いました。勿論、藤井贔屓というのもあるのですが、これが八冠達成の最後のチャンスかもしれないと考えていたからです。

この対局もそうでしたが、10代の頃のような神懸かった終盤力に陰りが見えます。10才年上の永瀬さんが「以前より力が縮まった」と話していましたが、全くその通りだと思います。

途轍もない才能の藤井に対し、途轍もない努力の永瀬。永瀬さんの場合は努力家という言葉では表現しきれないものがあります。将棋に命を懸けていると言った方が相応しい。

藤井さん始め、中学生棋士ら才能に恵まれた棋士は爪先に重心をかけて盤上を駆けますが、永瀬さんはかかと体重。それが常人では考えられない努力でシリーズの内容的には藤井さんを上回る将棋を指しました。

まだ永瀬さんが修行時代、ネットを通じて少し話したことがあるのですが、その時は先輩がどうのこうのと普通の少年らしいことを呟いていました。立派になりましたね。才能は枯渇していくけれど、努力は積み重ねられる強みがあります。

 

最後に改めて藤井君、八冠達成おめでとう。藤井君がいなければ今の将棋界はなかった。救世主と呼ぶに相応しい。

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西山朋佳、男性トップクラスの棋士に勝利

2023-10-05 12:25:37 | 将棋

仮に「藤井聡太八冠達成」となればニュース速報級でしょうが、昨日は将棋界限定のニュース速報級の出来事がありました。朝日オープン1次予選で西山朋佳女流三冠が佐々木大地七段に勝利しました。

佐々木七段と言えば藤井聡太竜王・名人とのタイトル戦十二番勝負も記憶に新しい若手実力派です。快挙と言ってもいいんですが、内容的には完封でした。

 

西山さんは終盤が強い天才肌の女流棋士です。里見香奈女流五冠とともに女流二強ですが、里見さんも「出雲のイナズマ」ですから終盤には定評があります。しかし、西山さんの終盤の迫力は里見さんを凌ぎます。だからこそ里見さんは西山さんの将棋を徹底的に研究し、西山さんに難のある序盤・中盤でリードすることで西山さんに対抗しています。西山さんほどの終盤の爆発力は男性プロでもそれほどいないですね。

 

現在、西山さんの直近のプロ棋戦での成績が8勝3敗となりました。10勝5敗でプロ編入試験の資格を得るため、何とかあと4戦で2勝してもらいたいです。

仮に西山さんがプロ編入試験の資格を得たら、あとは西山さんの決断次第です。ただ、西山さんには奨励会三段時代、14勝4敗という成績を残しながら、順位の関係で次点となった過去があります。

14勝して運悪く昇段出来なかった人も何名かいますが、後にみなプロ棋士になっています。だから西山さんはただひとりの奨励会三段リーグで14勝してプロになれていない人なのです。是非、その時の悔しさを思い出して欲しい。藤井名人ですら13勝5敗での1位通過でした。

 

西山さんは藤井さんの奨励会時代の最後の対局相手でもあります。西山さんは7才年下の天才少年に「頑張ってね」と声をかけたそうです。西山さんは藤井少年の背中をどんな思いで見つめていたのでしょうか?是非、同じプロ棋士として藤井西山戦を見てみたいです。

西山さんの将棋には華があります。現在、王座戦で内容的には藤井名人相手に互角以上に戦っている永瀬王座の将棋に「華がある」という人はいません。永瀬さんは途轍もない努力型ですから。

高い才能を持っていなければ華のある将棋はさせません。魅せる将棋が指せる。その意味からも西山さんはプロになるべき存在です。

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藤井に勝ちが転がりこみ、八冠まであと1勝

2023-09-28 12:06:01 | 将棋

永瀬拓矢王座に藤井聡太竜王・名人が挑戦する王座戦五番勝負第3局が昨日、行われ、藤井竜王・名人が81手で永瀬王座を下し、2勝1敗としました。

 

それにしても勝負、特に将棋は最後まで分かりません。藤井さんは負けを覚悟していたでしょう。内容的には序盤からいいところなく完封負け寸前でしたから。

終盤はライブで見ていたのですが、最近では珍しく、何度も首をうなだれていました。

 

65手目、藤井が2一飛車打ちで初めての王手。当然、永瀬さんは3一歩と受けるとみていました。彼も感覚的には3一歩だったのでしょう。しかし、読みを入れているうちに、様々な事が脳裏によぎってきたのかもしれません。藤井将棋の恐ろしさを誰よりも知る永瀬さんだからこそ「自分の見えていない手が藤井には見えている」という思考に陥ったと推測します。結局は4一飛車と受け、形成は一気に藤井さんに傾きました。

しかし、その後も藤井さんは項垂れていました。「どうしてこんな将棋を指してしまったのだろう」という後悔がまだ続いているようでした。これではいけないと思い直し、盤上を睨んでいた目が印象的です。

 

とにもかくにも藤井名人の2勝1敗。王座獲得、そして八冠制覇に王手をかけました。相変わらず藤井さんの状態は良くないし、永瀬さんの打倒藤井への研究、執念は凄まじい。

近いようで遠い1勝。世間的には藤井有利の声が圧倒的でしょう。マスコミは将棋を知りませんから。しかし、個人的にはまだ決着の行方が見えません。見えないからこそ、面白いと言えば面白いですけど。

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王座戦第2局 藤井、執念の勝利で1勝1敗のタイに

2023-09-14 12:24:44 | 将棋

永瀬拓矢王座に藤井聡太竜王・名人が挑戦する王座戦第2局が行われ、藤井竜王・名人が214手で永瀬王座に勝ち、1勝1敗としました。

 

それにしても凄い、また異例の将棋でした。214手というのは平均的な手数のほぼ2倍です。藤井名人が長期戦をものにしたのですが、終盤の50手60手について、一部で永瀬王座が批判されているようです。

 

終盤に入り、藤井玉が上部に抜け出し、入玉しました。ラグビーで言えば王様がトライした格好で、この形になるとまず藤井玉は詰みません。仮に永瀬玉が入玉(トライ)しても、この場合にもルールが決まっていて、飛車、角の大駒が5点、他の駒は1点。

藤井さんが大駒を多く持っていたため、永瀬さんが規定の点数に届かず負けになります。それを判断して宣言するのは藤井さんです。藤井さんが正確に宣言すれば勝ちですが、間違えれば永瀬さんの勝ちです。先ほど説明した以外にも細かいルールがあって、宣言するには神経を使います。そのため「永瀬は藤井の宣言ミスを狙ったのでは」との仮説も広まっています。

 

ただ、永瀬さんの将棋には異常なまでの粘りが体に染み付いています。別に何かを狙ってということはないと思います。例えば1分将棋が長くなっているため、藤井さんが席を外してトイレに向かう可能性もあります。その瞬間、永瀬さんは間違いなくノータイムで指します。

しかし、藤井さんのような正統派のスターがいて、永瀬さんのような非情なまでに勝ちにこだわる棋士がいるから面白いとも言えるのではないでしょうか?

 

内容的には藤井さんに1、2年前までの終盤力が戻らず苦しみましたが、最後は見事な即詰みに永瀬玉を討ち取りました。ここから改めて三番勝負。全く先が見えません。

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王位戦第2局、藤井辛勝 次の永世名人は誰か?

2021-07-16 10:55:03 | 将棋

王位戦第2局は激戦でした。将棋博士、豊島竜王に対し、中盤までは押されていた藤井王位。最終盤に彼本来の足腰の強さを見せ、勝利を手繰り寄せました。「終盤は才能」という言葉はまだ生きているようです。

1勝1敗となり、面白くなりました。個人的には豊島優位は動かしませんが。豊島さんの研究の深さには、藤井君も敵わないと思います。中盤まで離されずに、終盤で抜け出すしか藤井君の勝ちはないように思います。

 

さて、上記の二人に渡辺明名人を加えた20世永世名人争いですが、現在2期の渡辺さんが最も厳しいと思います。年齢的にも30代後半ですし、今後3連覇して一気にという道が現実的ですが、その前に藤井聡太が挑戦してくる可能性も充分あり得るので、藤井君を苦手としている渡辺さんは、やや苦しいかなという印象です。

ここに来て急浮上してきたのが豊島さんです。なんと言っても藤井君との相性の良さですね。名人戦に関わらず、タイトル戦で藤井君に勝てるとしたら、現時点では豊島さんしか思いつきません。現在は名人1期ですが、30才を過ぎたばかりでまだ若い。藤井聡太との関係性を維持できれば可能性はあります。 

そして藤井君ですが、この人にはなってもらわないと困ります。谷川九段の最年少記録はともかく、22才ぐらいで名人になれば、まず永世名人はかなりの確率でいけるでしょう。あとは時期の問題です。20代のうちに永世名人の資格を得たいところです。それを阻む最右翼が豊島さん。

藤井君が豊島さんの壁を破れば、大山、中原に次ぐ大名人になれる可能性は高まります。しかし、豊島さんとの今の力関係が長く続くようだと、藤井時代は来ないかもしれない。後の世代に取って変わられる可能性もあります。よって、藤井豊島戦が未来の将棋界の鍵を握ると言っても過言ではありません。

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