Sunday Songbook Playlist

2007年04月22日 | Sunday Song Book

<04月22日プレイリスト>
[ロジャー・ニコルス特集 Part 1]
人生の扉/竹内まりや "DENIM" 05月23日発売ニュー・アルバム
ALWAYS YOU/THE SUNDOWNERS '67
DON'T TAKE YOUR TIME/
ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS
"ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS" '68
DRIFTER/ROGER NICHOLS & A SMALL CIRCLE OF FRIENDS '69
OUT IN THE COUNTRY/THREE DOG NIGHT '70
WE'VE ONLY JUST BEGUN/THE CARPENTERS '70
RAINY DAYS AND MONDAYS/THE CARPENTERS '71
I WON'T LAST A DAY WITHOUT YOU/THE CARPENTERS '74('72)
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■内容の一部を抜粋
・人生の扉
ニュー・アルバム『Denim』(デニム)収録曲。先日NHKでオンエアされた「SONGS」でも桜をバックに歌われていた。今回のアルバムの肝となる曲。

・ロジャー・ニコルス
「全作品が100曲に満たない作曲家なんですけれども、この人は文字通り天才と言っていい素晴らしいメロディーを書く人でございます。'60年代末期から'70年代頭、非常に短い期間でしたけれども、至極の名曲をたくさん残しております」とタツローさん。

「ロジャー・ニコルスという作曲家は私の一世代下の日本のミュージシャンに熱狂的な支持を受けて、それで日本で凄く広まったという経緯があります。いわゆる渋谷系の人たちといいましょうか、なのでマニアがたくさんいますので、恐ろしくて手が出せなかったんですけれども(苦笑)、私もそれなりにロジャー・ニコルスの作品を持ってますので、できるだけ、いろいろな曲をお聴きをいただければなと思ってます。今日は一週目なのでとりあえずベタなところから、ざっとした生い立ち、出生物語という、そういうような感じでございます」とタツローさん。

「1940年生まれですから、今年66歳ですね、今。ですからロックンロール・エイジなんですけれども、お母さんがクラシックのピアニストであるとかいう関係上、ちょっとそうした普通の'40年生まれのロックンロール感覚よりも弱冠古い感じの、ティンパンアレイの作家に影響を受けた感じの、そういうものがあります。サンタモニカで育った人ですので、ウェスト・コーストの風を浴びて育ちましたので、UCLAで作曲を勉強いたしまして、そのころから同級生のマレー & ミランダ・マクリオードという兄妹と3人で、ロジャー・ニコルス・トリオというバンドを作りまして、それが後のロジャー・ニコルス & スモール・サークル・オブ・フレンズというグループに発展してゆくわけですけれども。'65年頃にこのグループでリバティー・レコードと契約したんですけれども、プロデュースをする予定だったトミー・リピューマがリバティーを辞めてしまいまして、A & Mに移って行きましたので、そっちのほうに動いて、そこから作品を発表をすることになります。A & Mはご承知のようにハーブ・アルバートが社長ですけれども、ロジャー・ニコルスの作曲家としての才能を凄く高く評価しまして、アービン・アルモというA & Mの出版社と契約することになります。ここのアービン・アルモのトップでありますチャック・ケイという人がロジヤー・ニコルスを非常に可愛がって、後にポール・ウィリアムスに紹介するということになりますが。1967年頃からロジャー・ニコルスの作品が登場して参ります」とタツローさん。

・ALWAYS YOU
ロジャー・ニコルスの最初期の作品。リンダ・ボールという女性シンガーがシングルを出しているが、それはロジャー・ニコルスのプロデュース。それよりもボーンズ・ハウのプロデュースとなるサウンダウナーズという6人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループのシングル・ヴァージョンのほうがタツローさんの好みだとか。アルバムだとメンバーのプロデュースになってるが、シングルは何故かエンジニアのボーンズ・ハウ(後にフィフス・ディメイションを手掛ける)のプロデュース・クレジットになっている。コーラス・アレンジがアソシエイションとかフィフス・ディメイションもろなので、かなりボーンズ・ハウが口を出しているようだ。この他にアメリカン・ブリードがカヴァーを出している。最初期の作品だが何枚かレコード化されている。作詞は『ペット・サウンズ』のトニー・アッシャー。この時代はトニー・アッシャーとロジャー・ニコルスのコンビで何曲か曲が生まれている。

・DON'T TAKE YOUR TIME
1968年にロジャー・ニコルス & スモール・サークル・オブ・フレンズでA & Mからアルバムを出すが、'80年代に日本で爆発的に人気が出て、渋谷系の人たちに一大ブームを巻き起こした。
タツローさん個人は1973年ぐらい、二十歳の時に大滝詠一さんから聴かせてもらったのが最初。大滝さんの前に細野晴臣さんがこのアルバムを持ってたという。結局、こういうもののルーツはみんな同じ。1曲目の「DON'T TAKE YOUR TIME」は日本人で嫌いな人はいない、とタツローさん。
本当はROGER NICHOLS & A SMALL CIRCLE OF FRIENDSだが、レコード会社が間違って"A"を"THE"としてしまったという。
本人のインタビューによるとこの曲はデモ・テープで、プロデューサーのトミー・リピューマがストリングスを入れて作ったそうだ。

・DRIFTER
1966年にロジャー・ニコルス・トリオで出発し、1967年にロジャー・ニコルス & スモール・サークル・オブ・フレンズと名前を変えて何枚かシングルを出して、アルバムも出したが当時は全くの鳴かず飛ばずだった。1967年にポール・ウィリアムスを紹介してもらった。ポール・ウィリアムは俳優だったが、俳優を辞めて、ロジャー・ニコルスよりも一足先にアービン・アルモとソングライターとして契約していた。ロジャー・ニコルスとは1940年生まれでほとんど誕生日が違わないこともあり気があい、コンビで曲を書くようになった。しかしなかなかヒットは出なかった。そんな時代の至極の名曲が「DRIFTER」。
唐突なフェイドアウトがデモテープだったんじゃないかということを想像させる。タツローさんがこの「DRIFTER」を最初に知ったのがハーパス・ビザールの1968年のセカンド・アルバムのヴァージョン。ROGER NICHOLS & A SMALL CIRCLE OF FRIENDSのヴァージョンが聴けるようになったのは'80年代に入って発掘作業が進んでから。オリジナルが出た時は日本人で誰も知らなかった。シングルはおろかアルバムも当時は日本で出てない。'80年代の爆発的なブームのおかげで今では日本がいちばんロジャー・ニコルスのカタログが充実した国となっている。海外にもCDがたくさん輸出されている。

・OUT IN THE COUNTRY
3年近くヒットが出なかったが、長い下積みを経てポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルスの最初のヒットになったのは1970年にスリー・ドッグ・ナイトが取り上げた「OUT IN THE COUNTRY」。

・WE'VE ONLY JUST BEGUN
1970年近辺にポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルスは銀行のCMを手掛ける。CMができた時は、まだ部分的に1番、2番しか作ってなかったが、それをフル・ヴァージョンに後で仕上げることになる。その曲を気に入ったのがカーペンターズのリチャード・カーペンター。偶然にもA & Mの契約ライターだったので、この曲「WE'VE ONLY JUST BEGUN」を目出度くレコーディングしたところ、見事にNO.1。その年に最も売れた曲の1曲となり、これでポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルスの知名度が上がった。
「WE'VE ONLY JUST BEGUN」は現在までに200以上のカヴァー・ヴァージョンがあると伝えられている。スタンダード・ナンバーの極致。

・RAINY DAYS AND MONDAYS
スリー・ドッグ・ナイトが取り上げた「OUT IN THE COUNTRY」とカーペンターズの「WE'VE ONLY JUST BEGUN」の立て続けのヒットからこのソングライター・チームは一躍脚光を浴びることになる。どちらかというとロック系のミュージシャンよりミドル・オブ・ザ・ロード系のクラブ・シンガーの人たちに大変な人気を得て、これ以後たくさんニコルス/ウィリアムス作品を取り上げてゆくことになる。
カーペンターズもしばしばニコルス/ウィリアムス作品を取り上げていて、その中から何曲もヒット曲が出ている。「RAINY DAYS AND MONDAYS」は1971年に全米2位のヒット曲。邦題は「雨の日と月曜日」。

・I WON'T LAST A DAY WITHOUT YOU
カーペンターズの1974年の代表作。邦題は「愛は夢の中に」。この曲はポール・ウィリアムスがサビのところの詩が出来なくて、カーペンターズのレコーディングの間際に詩を作ってきて、リチャード・カーペンターはそのサビの部分が気に入らなくて、このカーペンターズのヴァージョンはそこだけメロディーが変わっている。ロジャー・ニコルスはそれが不満だというインタビューで話しているそうだ。
「バーブラ・ストライサンドが元のメロディーで歌ってくれてるので、そっちのほうがいいというコメントを聞いたことがある(苦笑)」とタツローさん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
04月29日は、引き続き「ロジャー・ニコルス特集 Part 2」

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