Sunday Song Book #1446

2020年06月28日 | Sunday Song Book

2020年06月28日プレイリスト「山下達郎ライブで棚からひとつかみ『残り物には福』編」
1. 高気圧ガール (LIVE) / 山下達郎 "09/04/25 ニトリ文化ホール"
2. 風の回廊(コリドー) (LIVE) / 山下達郎 "16/03/04 金沢歌劇座"
3. LADY BLUE (LIVE) / 山下達郎 "86/07/31 中野サンプラザ"
4. DAYDREAM (LIVE) / 山下達郎 "16/03/04 金沢歌劇座"
5. 希望という名の光(HOME KARAOKE) / 山下達郎 "おうちカラオケ"
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■内容の一部を抜粋
・近況
全国でウイルス感染がまた増加している。「メディアの煽動とか挑発に乗らないよう、みんなでがんばっていきましょう」と達郎さん。

・山下達郎ライブで棚からひとつかみ『残り物には福』編
「山下達郎ライブで棚からひとつかみ」を十数週間続けてきたが今週で一段落。また機会があればとのこと。かけたくてかけられなかった曲、ライヴは一曲が長いので曲が余ってるそうだ。今週は「残り物には福」があるということで「山下達郎ライブで棚からひとつかみ『残り物には福』編」。長い曲が多いとか。

・高気圧ガール
2011年のシングル「愛してるって言えなくたって」のカップリングに収録された「高気圧ガール」。2009年の4月25日、札幌のニトリ文化ホール、今は無き札幌厚生年金でのライヴ・レコーディング。「6分半あるしつこいやつ」と達郎さん。

・風の回廊(コリドー)
「風の回廊(コリドー)」にリクエストが集まってるという。今日は2016年3月4日、金沢歌劇座での「風の回廊(コリドー)」。P.A.OUT。
曲をかけ終えて。「実は'80年代、'90年代、ずっーとライヴ・ツアーをやってたんですけれども、アレンジの段取りが結構いい加減で、で2008年にライヴ・ツアーを再開した後、特に2010年以降、細かく細かく、コーラスの段取りとかリズム・パターンの細部を検証し直しまして、だいぶトラック全体の構築が、自分の思い通りに近づいてまいりまして、この風の回廊(コリドー)なんかもそういう感じで、最近はうまい具合にやれておりますです」と達郎さん。



・LADY BLUE
まもなくリマスター再発する予定の1986年のアルバム『POCKET MUSIC』に入ってる「LADY BLUE」(作詞アラン・オデイ)。この曲はアルバム発売後のツアーで一回やったきりで、そのうちにやってみようと思ってるそうだが、なかなか機会がなく、まだやれてないとか。二ヶ月前にライヴ・テイクをかけようと思って持ってきたが、曲が長くてかけられなかったという。1986年7月31日に中野サンプラザで行われた公演から「LADY BLUE」。
曲をかけ終えて。間奏のギター・ソロは達郎さん。本当は「GET BACK IN LOVE」にリクエストが来てたから、かけようと思っていたが、ディレクターの山岸くんが「こっちだ」と言ったので「LADY BLUE」にしたそうだ。



・今後の予定
7月からは番組をスタジオで収録することになるが、達郎さんがここ何ヶ月かテレワークで自宅でナレーションを録って、技術の丸山くんが自宅で音を構築したほうが、TOKYO FMのスタジオで収録するよりも音がいいということがわかったそうだ。なんとかスタジオで収録した音をおうち収録の音に近づけようと、先週、今週、来週あたりで実験するとのこと。この一二週間は実験しているので音が変わったりするところは勘弁してほしいとのこと。
来週7月5日は、7月9日がジャニー喜多川さんの一周忌なので、これまで何かのかたちで追悼特集を考えていたが、昨年はツアーでその余裕がなく、一年経って、達郎さんの個人的な思い出がある、ジャニーさんが最初に作った初代ジャニーズ、彼らの音楽が好きなので特集を予定している。初代ジャニーズはアメリカに進出する計画があり、現地でレコーディングをした作品がアメリカで実際にシングル発売されている。結局、具体的な成果があがらなかったという経緯がある。ジャニーズが録音した中には、のちにアソシエーションでメガ・ヒットした「NEVER MY LOVE」とか名曲がたくさんある。その当時、レコーディングされた音源は大変音が悪いけれど、それを達郎さんは持っているので、それを紹介しつつ「初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」という企画で、ジャニー喜多川さんの一周忌のプログラムとしてオンエアする予定。それが済んだら「珍盤奇盤」、先週の服部克久さんの追悼特集に反響があったので「ストリングスで棚からひとつかみ」とか「編曲で棚からひとつかみ」も計画しているそうだ。

・お詫びと訂正
先週の放送で、クリスマス・アルバム『SEASON'S GREETINGS』の中のスタンダード・ナンバーを何曲か服部先生にお願いしてレコーディングしたときのエピソードを紹介したが、達郎さんはフランス近代が好きなので、「フランス近代で」とお願いしたところ、服部先生が「お前の好きなフランス近代にしてやったぞ」と言ったと紹介した。でもこのエピソードは話を盛って話してしまったらしく、服部先生は「お前の好きな」じゃなくて「達郎の好きな」というふうに言ったのだとか。服部先生は「お前」なんて言葉を言わないそうだ。

・ライブビューイング公演 “LIVE INNOVATION 2020”
達郎さんの関西でのツアーを催しているキョードー大阪が「LIVE INNOVATION 2020」としてライブビューイングのイベントを行うことになった。その中に2012年に上映され、昨年2019年にアンコール上映された『山下達郎 シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984-2012』と、2018年に公開された『souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜』が第1弾コンテンツとして上映されることになった。チケットの申し込みは番組終了後の15時より受付を開始するとのこと。詳しくはイベントの申し込みサイトにて。
https://liveinnovation.jp

・DAYDREAM
1980年のアルバム『RIDE ON TIME』に収録されている「DAYDREAM」にリクエストが集まってるとのこと。今日は先ほどの「風の回廊(コリドー)」と同じ2016年3月4日、金沢歌劇座でのライヴ・ソース。P.A.OUT。



・ハガキ再開
来週からハガキでのリクエスト、お便りを再開。

・メール
リクエスト、お便りはメールでも受付している。TFMのウェブサイトに番組のメッセージ・フォームを開設。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・希望という名の光
今週も最後はおうちカラオケ。おうちカラオケ、おうちアカペラは今後も機会があれば継続するとのこと。カラオケで歌う「希望という名の光」は今回が初めてだそうだ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年07月05日は、「ジャニー喜多川さん一周忌 初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」
http://www.tatsuro.co.jp
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Sunday Song Book #1445

2020年06月21日 | Sunday Song Book

2020年06月21日プレイリスト「服部克久さん追悼 with 山下家」
1. けんかをやめて / 竹内まりや "リクエスト" '87
2. 駅 / 竹内まりや "リクエスト" '87
3. シングル・アゲイン / 竹内まりや "クワイエット・ライフ" '92
4. すてきなホリデイ / 竹内まりや "ボナペティ!"
5. 最後のタンゴ / 竹内まりや "トラッド"
6. ボーイ・ハント (LIVE) / 竹内まりや "04/11/29 オーチャードホール"
7. SMOKE GETS IN YOUR EYES (LIVE) / 山下達郎 "19/01/18 新宿LOFT"
8. ずっと一緒さ (HOME KARAOKE) / 山下達郎 "おうちカラオケ TAKE OUT"
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■内容の一部を抜粋
・近況
二ヶ月半ぶりにスタジオに戻ってきたそうだ。TOKYO FM 8階の4スタで今週は収録しているとのこと。自粛解除とはなっても油断は禁物で、ブラジルでは感染者が100万人を超えたということで、世界中でまだ感染が拡大している状況。「日本もくれぐれもみなさん引き続き感染拡大にはお気をつけくださいませ」と達郎さん。

・服部克久さん追悼 with 山下家
スタジオに戻ってきて、音の問題や番組の構成の問題を、スタッフ4人でもう一度確認しているので、様子見で今週はライヴ・ソースを休止。「服部克久さん追悼 with 山下家」と題して先日お亡くなりになった服部克久さんの追悼特集。人生でアレンジメントした楽曲が6万曲に及ぶので、とても55分では何もできないから、今回は達郎さんとまりやさんに関連した曲に特化したプログラム。

・けんかをやめて
達郎さんが人生で「先生」と呼ぶのは数人しかいないそうだ。服部克久さんは数少ない「先生」と呼ぶお一人だったとか。達郎さんが服部先生と初めて仕事をしたのは1987年。まりやさんのアルバム『REQUEST』のストリングス・アレンジをお願いした。いちばん最初のセッションが「けんかをやめて」だった。以来33年いろいろなかたちで助けてもらったその取っ掛かり。

ポップス・アレンジのストリングス編成は6:4:2:2、ファースト・ヴァイオリン6人、セカンド・ヴァイオリン4人、ヴィオラ、チェロがそれぞれ2人、それが日本では一般的だという。達郎さんとまりやさんの場合、服部先生はそれよりもいつも大編成でストリングスをレコーディングしたそうだ。だからひじょうにゴージャスな響きになる。

・駅
同じ年の「駅」。ストリングスは途中から出てくる。最初、服部先生が書いた間奏はメロディをなぞるかたちで、現場で達郎さんが「メロディじゃなくて何か違うフレーズに」と言うと、服部先生は「あぁ、そう。15分くらい頂戴」と言って15分でこの間奏を書いたという。

服部克久さんは1936年、昭和11年の生まれ。お父さんが服部良一さん。高校卒業後、パリの国立音楽院コンセルヴァトワールに留学。1958年に卒業して日本に戻ってくる。時あたかもテレビの勃興期。そこでテレビ界のいろいろな音楽に関わってゆく。当時は歌謡曲全盛で、いわゆる歌謡作曲家という人たちが歌謡曲のヒット曲をたくさん作曲していたが、絶対的編曲家不足で、特にクラシックな、アカデミックな編曲をする方がとても少なくて、クラシックはクラシックのヘレモニーというものがあり、クラシックのアカデミズムと歌謡曲のそういうものの橋渡しというところで、服部先生は重要な役割を果たした。作曲家であるとか編曲家であるとかいろいろ呼び名があるけれど、あの時代にポピュラー・ミュージックのおしゃれなというか、モダニズム、そういうようなものに貢献された業績は本当に大きなものがある。達郎さんの世代は遅れてきた世代なので、高校の頃はサウンド・イン"S"とかミュージック・フェアとか、きれいなストリングスとオーケストレーションを聴いて、それが服部先生であり、いつかお願いしようと思ってて、80年代にまりやさんのアルバムでお願いすることになった。本来はストリングス・アレンジだけの仕事はやってくれないが、いい時代だったという。

・シングル・アゲイン
1989年のまりやさんのシングル「シングル・アゲイン」。ハーモニックスとかストリングスにディレイでフィードバックをかけろという指示をなさっていて、コンテンポラリーなアプローチにすごく熱心で、ケータイ電話も出たらすぐ買い換えるほどのメカ好きで、メカに強かったとか。それが音楽家としてのスタンスによく出ている、と達郎さん。

最初はストリングスのアレンジだったが、ずっと目論んでいた服部先生にすべてのオーケストレーションを頼んでスタンダードをやってみたいという、そういう実験を重ねて、達郎さんのアルバム『SEASON'S GREETINGS』に繋がる。

・すてきなホリデイ
まりやさんの2001年のアルバム『BON APPETIT!』に入ってるクリスマス・ソング「すてきなホリデイ」はケンタッキーのクリスマス・キャンペーンのために作られた曲。これは服部先生に全面的にオーケストレーションをお願いした作品。

とにかく服部先生の編曲はラインがきれいで美しい。今日かけた「駅」や「シングル・アゲイン」もラインが美しい。作曲家のセンスのあるアレンジメントだと達郎さん。そのような話を服部先生にすると照れ屋だから「あっ、そう」と言うだけだったそうだ。

・最後のタンゴ
2014年のアルバム『TRAD』に入ってる「最後のタンゴ」。服部先生は1936年、エルヴィス・プレスリーが1935年、ミッシェル・ルグランが1932年生まれ。実際にコンセルヴァトワールの先輩後輩同士で交流があった。だからロックンロールにも強いということがある。というわけでタンゴの編曲も素晴らしい。珍しく伊集院静さんの作詞、まりやさんの作曲。NHKのラジオ深夜便のために書かれた曲。

スタジオ・ミュージック全盛に生きた方なので、スコアを拝見すると、例えばストリングスのアレンジもビオラから妙なところでチェロに交代するそうだ。
「先生、これやるとダイナミクス変わりませんか?」と言うと、
「ううん、これのほうが弾きやすいんだよ」
「でも、これ音が音量変わるでしょ?」
「音量変わったらフェーダーで直せばいいんだもん」
短時間で仕上げる合理性が遺憾なくそういう一言一言で出てくると言う。そう言うような思い出がたくさんあるとか。

・ボーイ・ハント
2004年に服部先生が音楽畑のライヴが100本到達した記念に渋谷のオーチャードホールでライヴを開催した。そのときにまりやさんがゲスト出演して、前年にお願いしたまりやさんのカヴァー・アルバム『LONGTIME FAVOURITES』の中から「ボーイ・ハント」を歌った。コニー・フランシスがオリジナル。日本では弘田三枝子さんで、漣健児さんの日本語詞がおなじみ。2004年11月29日にオーチャードホールで録音。竹内まりやと服部克久・ウィズ・東京シティポップス・オーケストラの「ボーイ・ハント」。

・メール
リクエスト、お便りは6月いっぱいメールのみの受付。TFMのウェブサイトに番組のメッセージ・フォームを開設。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・SMOKE GETS IN YOUR EYES
80年代に相性がとてもよかったので、ストリングスではもったいないということになり、フル・オーケストラでお願いすることにしたという。1993年のクリスマス・アルバム『SEASON'S GREETINGS』の中のスタンダード・ナンバーを何曲か服部先生にお願いしてレコーディング。達郎さんは何しろフランス近代が好きなので、ラベル、ドビュッシーが好きなので、「フランス近代で」とお願いしたという。当時、服部先生はとても忙しく殺人的なスケジュールだった。服部家の家訓は「来た仕事は断るな」のため順番待ちの状態。なので服部先生のおうちに達郎さんは押しかけて「私のために時間をください」と言ったとか。「しょうがねぇな」と服部先生。4,5日打ち合わせして、最初にレコーディングしたのが「SMOKE GETS IN YOUR EYES」。一発録りで歌も仮歌ながら歌わなければならなかった。はじめるときに服部先生が「お前の好きなフランス近代にしてやったぞ」と言ったそうだ。イントロがビオラとチェロではじまり「すごいな」と達郎さんは思ったとか。今日はライヴ・テイク。昨年、2019年1月18日に新宿LOFTで行われたアコースティック・ライヴからP.A.OUTの音源。大きなホールでやるよりも歌がメロウになるそうだ。
曲をかけ終えて。
「LOFTも大変でございますが、でもLOFTのオーナーの平野くんはですね、根性入っておりますから、あんまり心配しておりません(笑)」と達郎さん。

・ずっと一緒さ
2008年の「ずっと一緒さ」のおうちカラオケ。服部先生のストリングスをかけないと意味ないので。でも今日はおうちカラオケでもスタジオなので、「おうちカラオケ TAKE OUT」とでも名付けましょうかと達郎さん。「ずっと一緒さ」のおうちカラオケにはリクエストが集まってるという。

服部克久さんは気の短い人で、ある日、ある楽器のダビングに、いつも呼んでる人が風邪ひいて出られなくなり、女性の若いミュージシャンが代わりに来たことがあった。その方が服部先生に「これはこうですか?」と質問を繰り返していると、パッとやってパッとできないとダメな人なので、だんだん機嫌が悪くなって、
達郎さんが横にいて「先生、聞いてますよ?」
「勉強は学校でやれ」
その一言がとても印象に残ってるという。パッと座ってパッとやれ、すごくシビアな方で、考えさせられたとか。

・今後の予定
来週はテレワーク作業テイクアウト。
納涼夫婦放談で今日の続きをフォロー・アップ。
7月に入ると珍盤奇盤をやってみたいとのこと。

【リクエスト・お便りの宛て先】当分の間、メールのみにて
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年06月29日は、「山下達郎ライブで棚からひとつかみ(予定)」
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Sunday Song Book #1444

2020年06月14日 | Sunday Song Book

2020年06月14日プレイリスト「山下達郎ライブで棚からひとつかみ 雨の歌」
1. 雨は手のひらにいっぱい (LIVE) / 山下達郎 "12/02/15 岐阜長良川国際会議場"
2. 雨の女王 (LIVE) / 山下達郎 "14/10/07 大阪フェスティバルホール"
3. 夏への扉 (LIVE) / 山下達郎 "16/10/04 新宿LOFT"
4. スプリンクラー (LIVE) / 山下達郎 "13/12/06 新潟県長岡市立劇場"
5. FOREVER MINE (HOME KARAOKE) / 山下達郎 "おうちカラオケ"
6. DRIP DROP (HOME ACAPPELLA) / 山下達郎 "おうちアカペラ"
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■内容の一部を抜粋
・近況
数日前に東京も警報が解除され、少しずつ日常に戻る努力がはじまってるそうだ。「まだまだ油断は禁物でございます。ワクチンができるまでは何が起こるかわかりませんので、みなさん引き続き感染防止にお努めください」と達郎さん。番組を27年半やっててこのふた月はひじょうに特異な時間だったという。こんなに番組内で自分の曲をかけたことがないので、「俺こんなに曲持ってたんだって(笑)、今更ながらですけど、まぁ45年もやってるんだから当たり前なんですけど。でも洋楽カヴァーとかいろいろありまして、しかもそれを全部ライヴ・ソースでかけ続けて、ふた月やっておりまして、改めて自分のそうしたキャリアを見つめ直すと言いましょうか、そういう意味ではいい機会だったと思います」と達郎さん。それに加えてすべてのお便りをメールで受け付けてきた。そろそろ旧譜のリマスターとか、新しい作品のレコーディングとか、人に曲を書くなど、本来の仕事に戻るスケジュールが出てきて、ハガキに戻そうかと先週あたりから考えてたそうだ。そうすると自宅でメールを読む時間的な余裕がなくなってくる。番組のスタッフの人数を増やして手伝ってもらうしかない。どうにかならないか、メールをこのまま続けるのか、考えてみたいという。

・山下達郎ライブで棚からひとつかみ 雨の歌
このふた月間続けてきた「山下達郎のライブで棚からひとつかみ」もそろそろレギュラー・プログラムに戻そうか考えてるそうだが、メールの文面から伝わってくる思い、「こんなに全国津々浦々で私の山下達郎の音楽をですね、生活の中で楽しんでいただけるということを、こんなに実感したことは実はないんです」と達郎さん。少しでもリスナーの心のリラクゼーションに貢献したいと続けてきたので、もうしばらくお付き合いいただければと思ってるそうだ。というわけで今週も「山下達郎のライブで棚からひとつかみ」。梅雨入りして、夏が近づいてくるので、達郎さんは雨の歌が好きで、たくさん書いてきたから、今日は「雨の歌」のライヴ・ソースを中心に。

・雨は手のひらにいっぱい
達郎さんが作った雨の歌でいちばん古いもののひとつ「雨は手のひらにいっぱい」。シュガーベイブの時代のレパートリー。シュガーベイブ解散後はほとんど演奏したことがなかったけれど、十年前にライヴを本格的に再開したとき、早くステージにのっけたいと思って、2012年のツアーで久しぶりに演奏した。そのときのソースで2012年2月15日に初めて岐阜にライヴに行った長良川国際会議場での「雨は手のひらにいっぱい」。超常連のリスナーからたくさんリクエストが集まってるそうだ。

・雨の女王
1978年のライヴ・アルバム『IT'S A POPPIN' TIME』のために書き下ろした「雨の女王」。これまでほとんど演奏したことがなくて、この曲も十年前にライヴを再開したとき、早く演奏したいと思ってた曲のひとつ。2014年のヒット曲を一曲もやらないマニアック・ツアーで披露したことがあり、今日のライヴ・ソースはそのときのツアーから2014年10月7日、大阪フェスティバルホールの「雨の女王」。



・ウェブ会議のソフト
福岡市のリスナーから「達郎さんはウェブ会議のソフトは何をお使いでしょうか?」という質問。
サイバーリンクという台湾のメーカーのU(ユー)を使ってるそうだ。台湾製なのでセキュリティーの面で安心だという。疑り深い性格なのでなんとなく他が不安だとか。

・夏への扉
「夏への扉」にもリクエストがたくさん集まってるそうだ。もともとは難波弘之さんのファースト・ソロ・アルバムに書き下ろした曲だけど、自分で気に入って『RIDE ON TIME』アルバムにセルフ・カヴァーで収録した。今日は難波弘之、伊藤広規、山下達郎の三人ライヴのヴァージョン。ライヴハウスで演奏するときは達郎さんが一番を歌って、難波弘之さんが二番を歌うという掛け合いヴァージョン。この間、難波弘之さんからメールが来て「あれ、かけてくれないかな」とリクエストされたとか。今日は2016年10月4日に新宿LOFTで行われた三人ライヴから。『RIDE ON TIME』のレコーディング・メンバーの三人なので全く同じ空気感で演奏ができてるとか。



・家族で行ったコンサート
千葉県浦安市のリスナーから「達郎さんは家族みんなが好きなアーティストありますか? 家族で行ったコンサートありますか?」という質問。
三人で行ったのはTHE YELLOW MONKYだけとのこと。「吉井(和哉)さん、仲がいいので」と達郎さん。

・スプリンクラー
1983年のシングル「スプリンクラー」。達郎さん自身は結構好きだったが、当時のスタッフは「夏だ! 海だ! 達郎だ!」、「夏っぽくない」と貶(けな)されたりしたとか。'80年代発売当時の歌よりも、十年前にライヴを再開してから、今のメンバーでの自分の歌の方が好きだから、ということで、今日は2013年12月6日、新潟の長岡市立劇場での「スプリンクラー」。



・メール
リクエスト、お便りはメールのみの受付。TFMのウェブサイトに番組のメッセージ・フォームを開設。
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・FOREVER MINE
「服部克久さんがお亡くなりになりました。享年83歳。服部さんは作曲家であられると同時に、日本の最高峰の編曲技術を持った方でありました。私は33年ぐらいお世話になっております。たくさん仕事させていただきまして、たくさん助けていただきました。まりやの場合はさらに長くて40年のお付き合いになります。竹内まりやの駅はあの服部さんのストリングスのラインなしでは決して語れないトラックであります。本当に人間的にも音楽的にもいろんなことを教えていただきました。本当にいい方でした。お若いときにはかなり厳しい面もおありの方だったと伺っておりますけれども、私には本当に優しくしていただいて、本当にたくさん思い出が残っております。いちばん私にとって思い出深いのはクリスマス・アルバム『シーズンズ・グリーティングス』でありまして、本当にがっぷりよつで毎日服部さんのおうちに伺ってですね、ディスカッションしながら作り上げた作品であります。21世紀に入りましてもいろいろなところでお世話になりました。希望という名の光のストリングスも素晴らしいラインであります」と達郎さん。今日はそんな中から達郎さんのとりわけお気に入りの作品、2005年のシングル「FOREVER MINE」。これのストリングス・アレンジを服部さんに依頼した。ロンドンのアビー・ロード・スタジオでペンギン・カフェ・オーケストラのギャヴィン・ライトというコンサート・マスターと録った思い出に残る一作。今日はおうちカラオケで。しかもこの曲は雨の夜が舞台なので今日のプログラムと合致している。
曲をかけ終えて。服部克久さんの特集はまた日を改めて。
「というわけで服部克久さん。本当になんか寂しいですね。もうあのストリングスが聴けないのかと思うと感慨無量のものがございます。でもお父様の服部良一さんは75歳で曲がお書きになれなくて引退したんですけれども、服部さんは直前までお仕事をされていたという、インスピレーションと集中力が途絶えることがなかったという。その意味ではお幸せな人生だったと思います。心よりご冥福をお祈りしつつ、今日はそろそろお時間でございます」と達郎さん。

・DRIP DROP
最後はおうちアカペラ。アカペラで雨が出てくるのは『ON THE STREET CORNER 1』に入ってる「DRIP DROP」。ドリフターズの1958年のヒット曲。達郎さんがカヴァーしたのはディオンのヴァージョンで1963年のヒット曲。達郎さんがレコーディングしたのは1980年でもう40年になる。「40年前の27歳のひとりアカペラのオケに(笑)、67歳の自分が乗っけるというのも、なかなかおつでございます」と達郎さん。おうちアカペラ「DRIP DROP」。

【リクエスト・お便りの宛て先】当分の間、メールのみにて
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2020年06月21日は、引き続き「山下達郎ライブで棚からひとつかみ」
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Sunday Song Book #1443

2020年06月07日 | Sunday Song Book

2020年06月07日プレイリスト「山下達郎ライブで棚からひとつかみ 色々編」
1. 2000トンの雨 (HOME KARAOKE) / 山下達郎 "おうちカラオケ"
2. ドーナツ・ソング (LIVE) / 山下達郎 "19/10/13 根室市総合文化会館"
3. ひととき (LIVE) / 山下達郎 "03/05/01 読売ホール"
4. SINCE I FELL FOR YOU (LIVE) / 山下達郎 "86/10/31 六本木 PIT-INN"
5. AMAPOLA (HOME ACAPPELLA) / 山下達郎 "おうちアカペラ"
6. I LOVE YOU PART II (HOME ACAPPELLA) / 山下達郎 "おうちアカペラ"
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■内容の一部を抜粋
・近況
テレワークによる番組収録でひとり家で喋ってるとトーンが暗くなりがち。ついつい陰になってしまう傾向があるとか。今日は努めて明るくいってみようと思ってるそうだ。

・山下達郎ライブで棚からひとつかみ 色々編 パート2
先週の「おうちカラオケ&おうちアカペラで棚からひとつかみ」はとっても好評だけど結構手間暇がかかるという。なので今日は2週間前と同じで「山下達郎ライブで棚からひとつかみ 色々編 パート2」。各々の週で選曲していたけれど、どうしても番組でかけられなかった曲が1曲2曲あり、そのオンエアできなかったソース、かけられなかった曲から。残りものには福がある、そんな感じ。

・2000トンの雨
おうちカラオケ・ヴァージョンの「2000トンの雨」。「もともとは1978年の私のアルバム『GO AHEAD!』に収録されておりましたけれども、2003年に映画『恋愛寫眞』の主題歌に使われまして、2003年 NEW VOCAL REMIXとしてシングル・カットしたというですね、神をも恐れぬ仕儀。へへへ。21世紀に復活させていただきました2000トンの雨、これもライヴでやったのは18年ぐらい前にピアノの弾き語りをやっただけでありまして。あとはファンクラブの会員向けのライヴでカラオケでやったことがあるくらいで、まともにライヴをやったことがございません。2000トンの雨。もう42年も経ってしまいましたね」と達郎さん。

・ドーナツ・ソング
千葉県の18歳のリスナーからドーナツの日に絡めて「ドーナツ・ソング」のリクエスト。ドーナツの日について調べたら、毎年6月の第一金曜日がナショナル・ドーナツ・デー。アメリカ合衆国の記念日だとか。第一次世界大戦でドーナツを兵士に提供した救世軍のメンバーを記念して、救世軍が1938年から行なっている同名の募金イベントに由来するそうだ。この日にはアメリカ合衆国の多くのドーナツ店でドーナツが無料で配られるという。なので「ドーナツ・ソング」。今回は昨年、2019年10月13日に生まれて初めて訪れた根室市の根室市総合文化会館でのライヴ・ソース。
間に織り込まれているのは大滝詠一さんの「ハンド・クラッピング・ルンバ」、ディキシー・カップスやドクター・ジョンの「IKO IKO」、バディ・ホリーの「NOT FADE AWAY」、ジョニー・オーティスの「WILLIE AND THE HAND JIVE」。



・ひととき
おうちカラオケ・ヴァージョンでのリクエストがあるけれど、アルバム『MELODIES』もカラオケを作ってないそうだ。『僕の中の少年』までカラオケを作っておらず、カラオケがあるのはシングルだけ、例えば「GET BACK IN LOVE」など。『ARTISAN』から普通のやつもカラオケを作るようになったとか。カラオケを作っても使用するところがなかったという背景があると達郎さん。「ひととき」はアルバム『MELODIES』が出た1983年のツアーと、『MELODIES』30周年の2013年のツアーでしかホールではやってないそうだ。あとは難波弘之さん、伊藤広規さん、達郎さんの三人ライヴで一回やったことがあるとか。今日は2003年5月1日によみうりホールで行われたライヴ・ソース。サンデー・ソングブック10周年、ファンクラブ10周年を合わせて三人で全国を回ったという。



・山下達郎 SPECIAL ACOUSTIC LIVE 2020 グッズ通販
ライヴハウス・ツアーのために作ったオフィシャル・グッズを番組終了後の15時から山下達郎オンライン・ショップにて販売開始とのこと。今回は新しい試みでとり・みきさんのタツローくんのキャラクターでフィギュアのセットを作ったとか。
http://shop.fannect.jp/tatsuro/pc/

・メール
リクエスト、お便りはメールのみの受付。TFMのウェブサイトに番組のメッセージ・フォームを開設。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・SINCE I FELL FOR YOU
1986年10月31日に村上"PONTA"秀一さんのセッションが六本木PIT INNで行われた。村上"PONTA"秀一さんのドラム、高水健司さんのベース、松木恒秀さんのギター、野力奏一さんのピアノに、達郎さんがゲスト・ヴォーカリストで呼ばれて行ったが、その日、六本木PIT INNのビルが停電して、夜の8時すぎても電源が全く復旧せず、懐中電灯の大きいのをいくつか買ってきて、それを客席に当てて、停電の中照らしていた。ちょうど、その日は大仏さん(高水健司)が仕事でウッドベースを持っていて、松木恒秀さんも仕事帰りでアコースティック・ギターを持っていたので、アコースティック・ピアノと生ドラムで、P.A.なしでもピットインならやれるんじゃないかということになり、かくして全くのアンプラグド・セッションが行われることになったという。それをたまたま客席からラジカセで録った録音が残っている。ちょっと頭が欠けてたり、途中で客の歓声が入ってたりするけれど、ヘッドフォンで聴くと、本当にそこの場所でライヴを聴いてるような空間構成になっている。曲は達郎さん、難波弘之さん、伊藤広規さんが昔からやってる古いブルース・ナンバーで、バディ・ジョンソンが書いた「SINCE I FELL FOR YOU」。NO MIC, NO P.A.。
曲をかけ終えて。「村上"PONTA"さんのドラム、高水健司さんのベース、野力奏一さんのピアノ、んで松木恒秀さんのギター、サックスがですね、たぶん淵野繁雄さんという記憶がありますけれどもねぇ。清水靖晃さんかもしれません。あとハーモニカの人も一人、それは僕全く初めて、初対面の方だったので名前を存じ上げませんのでですね。そんな感じでございます(笑)」と達郎さん。

・ステイホーム中の読書と音楽
香川県のリスナーから「今回のステイホームで達郎さんが観た映画や印象に残った番組はございますか?」という質問。
「マンガを(笑)、よく読みましたね。その女、ジルバとか鬼滅の刃を全巻読破しまして。本は辻政信の潜行三千里 完全版と(笑)、マルコムXの評伝本と。あとはJIROKICHIのTシャツのサイン書きをしながら浪花節を聴きました。浪花節は素晴らしかった。こんなとこでしょうかね」と達郎さん。

・古関裕而
葛飾区のリスナーから「現在、NHKの朝ドラで古関裕而さんモデルのドラマをやっていますが、達郎さんは中学時代ブラスバンド部に所属していたと聞いてますが、古関裕而さんの曲を演奏されたことはその当時ありますか?」という質問。
「オリンピック・マーチ」と達郎さん。

・AMAPOLA
・I LOVE YOU PART II
今週の最後もおうちアカペラ。リクエストが散らばってるので達郎さんがやりたいやつ。1986年の『ON THE STREET CORNER 2』に入ってる「AMAPOLA」。あの時代、セルジオ・レオーネ監督の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』が達郎さんは大好きで、その中の重要なシーンに使われていた。その英語版をひとりアカペラで作った。ライヴでもよくやっていて、「I LOVE YOU」とメドレーにしている。「I LOVE YOU」はアルバム『BIG WAVE』に入ってて、「I LOVE YOU PART II」はアラン・オデイが「I LOVE YOU」に歌詞をつけたヴァージョン。

【リクエスト・お便りの宛て先】当分の間、メールのみにて
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年06月14日は、引き続き「山下達郎ライブで棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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