2016年05月29日プレイリスト
「棚からひとつかみ (訃報中心)」
1. 夏への扉 / 山下達郎 "ライド・オン・タイム" '80
2. I WONDER WHY / DION & THE BELMONTS '58
3. COME ON LITTLE ANGEL / THE BELMONTS '62
4. MIND EXCURSION / THE TRADEWINDS '65
5. DON'T PUSH IT DON'T FORCE IT / LEON HAYWOOD "NATURALLY" '80
6. SOMETHING IN THE AIR / THUNDERCLAP NEWMAN '69
7. AMERICA / NICE '68
8. 今日の想い / 竹内まりや 4月27日よりダウンロード配信中
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■内容の一部を抜粋
・近況
「暑かったり、朝晩は冷えたり寒暖の差が十度以上みたいな日が続きますが。私は曲書きに邁進しております。ウンウン言ってやっておりますが。ですのでお籠り状態ということです(笑)。今日、久しぶりに表に出てきました。一所懸命働いてると思し召して」と達郎さん。
・棚からひとつかみ(訃報中心)
今年に入ってからいろいろな方の訃報が舞い込んでいて、有名どころではプリンスとか、冨田勲さん、いろいろな方の訃報が飛び込んでくる。今週は「棚からひとつかみ」で訃報を中心にしたプログラム。他の番組ではプリンスとかもうやってるので、そういうのではなくてサンデー・ソングブックしか取り上げられない方々の作品をかけつつ業績を偲ぶプログラム。
・プロツールス
プロツールスのソフトがヴァージョン・アップしたので、ツアーが終わってから達郎さんもプロツールスのヴァージョン・アップしたところ音が硬くなったそうだ。前と全然音が違って、今回は音が硬いので面食らっているとか。家でデジタル・プロセッシングしてデータでスタジオに持ってくるそうだが、ここ十日間ほどいろいろやってるものの、まだ研究中なので、今日は全体的にちょっと音が硬いかもしれないとのこと。何ヶ月化したら落ち着くと思います、と達郎さん。
・夏への扉
梅雨が間近という気配がしてるので1980年の「夏への扉」。もともとは難波弘之さんのソロ・アルバムに提供した曲をセルフ・カヴァー。ロバート・ハインラインの同名の小説を音楽にしたもの。
リクエストしたリスナーの中で二十歳の男性から「伊藤銀次さんの<こぬか雨>は『SONGS』の40周年記念盤の解説に達郎さんは、私も詩を手伝ったと書いています。補足説明をお願いします」というお便り。
「こぬか雨」は伊藤銀次さんと達郎さんが二人でアパートの一室で詩も曲も一緒に作ったという。もともとの「こぬか雨」のメロディは伊藤銀次さんが作っていて、詩を一緒に手伝いながら作ったけれど、途中で銀次さんが寝てしまったので、残ったところを達郎さんが補足したそうだ。シュガーベイブで演奏したのが最初のヴァージョンだけれど、正式にレコーディングせず解散してしまったので、『SONGS』の40周年記念盤の解説にはシュガーベイブのレコーディングは存在しないので「正式にレコーディングされないまま終わった」と書いたという。伊藤銀次さんはソロのファースト・アルバム『DEADLY DRIVE』(1977年)で、「こぬか雨」をバラード仕立ての違う詩で歌っている。いちばんはじめの詩で発表しているシュガーベイブのライヴ・ヴァージョンが最初。
・I WONDER WHY
ディオンが率いるブロンクスのドゥーワップのヴォーカル・グループ、ディオン&ザ・ベルモンツのメンバー、イタリア系アメリカ人のカルロ・マストアンジェロが亡くなった。享年77歳。ディオン&ザ・ベルモンツの1958年のデビュー・ヒット「I WONDER WHY」は全米20位。ドゥーワップのスタンダード・ナンバー。
・COME ON LITTLE ANGEL
ディオン&ザ・ベルモンツからキャリアをスタートしたカルロは、ディオンがソロになった後、ザ・ベルモンツとして活動。ベース・シンガーからリード・シンガーに変わり何曲かヒットを出した後、ベルモンツを離れてソロとしても活動した。ベルモンツの「COME ON LITTLE ANGEL」は1962年の全米28位。
・MIND EXCURSION
同じイタリア系アメリカ人で、'60年代のニューヨークで活躍した作曲家、ピーター・アンダース、本名はピーター・アンドレオリ。アンダース&ポンシアの作曲家チームで幾多の名曲を出した。達郎さんがカヴァーした「NEW YORK'S A LONELY TOWN」はトレードウインズがオリジナル。トレードウインズのリード・ヴォーカルもピーター・アンダースで、作家の仕事のほかにトレードウインズ、イノセンスといった幽霊グループのシンガーでもあった。享年74歳。トレードウインズの1965年の「MIND EXCURSION」。
・ボビー・グレーク
先週の放送でオンエアしたスウィート・スリーの「THAT'S THE WAY IT IS (WHAT A GIRL'S IN LOVE)」のドラムについて。達郎さんのRCA時代の宣伝マンだった方から、レン・バリーの「ONE TWO THREE」のドラマーがボビー・グレークだったことがわかった。ボビー・グレークはディランの「LIKE A ROLLING STONE」やサイモンとガーファンクルの「THE SOUND OF SILENCE」(の後からドラムをかぶせた人)で知られている。レン・バリーの「ONE TWO THREE」はキーボードがレオン・ハフ、アレンジがジミー・ワイズナーだから、たぶんスウィート・スリーと同じメンバーとのこと。
・DON'T PUSH IT DON'T FORCE IT
リオン・ヘイウッドはテキサス州、ヒューストン生まれ。'60年代初期にロサンゼルスに移ってきて、若い頃からキーボード・プレーヤーとしていろんなところで仕事をしている。1980年のソロ・アルバム『NATURALLY』からのシングル・カット「DON'T PUSH IT DON'T FORCE IT」は全米ソウル・チャート2位、全米チャート49位。享年74歳でピーター・アンダースと同世代。
・1234 (ワン・ツー・スリー・フォー) で棚からひとつかみ!
来週はサンデー・ソングブックの放送が通算で1234回を迎えるので「1234 (ワン・ツー・スリー・フォー) で棚からひとつかみ!」。
・オバマ大統領のスピーチ
「わたし、冒頭で申し上げ忘れましたけれども。先週、オバマ大統領がですね、広島に訪れて、現職の大統領ですので、広島の現地に訪れてコメントなさいまして。謝罪ではなく追悼というかたちでありまして、それに対してこちらも謝罪を求めない、つまりはお互いに歩み寄るというかたちで、ひじょうに品格ある貴重な時代の節目だと、私は個人的に思いました。最近、この殺伐とした世界情勢の中で一服のあたたかいものですから。いろいろな方面から貶す人もいますし、政治的だとかそういうこともありますけれども、オバマさんの個人的な思いというものが、よく伝わってきてですね、なかなかできることじゃないので、素晴らしいことだなぁと私は思いましたので、一言申し上げさせてもらいました」と達郎さん。
・SOMETHING IN THE AIR
サンダークラップ・ニューマンが1969年に出した「SOMETHING IN THE AIR」というシングルは全英NO.1。ピート・タウンゼントのプロデュース。サンダークラップ・ニューマン(バンドの名前でロック・トリオ)のリーダー、サンダークラップ・ニューマンは享年73歳。達郎さんは池袋のヤマハでシングルを買ったので「不思議な曲なんですけれども死ぬほど聴きましたので、はぁ、サンダークラップ・ニューマン亡くなったんだぁ」と思ったとか。いわゆるワンヒット・ワンダーだけれどイギリスでは歴史的な名曲として知られている。邦題は「革命ロック」という政治意識の高い曲。
・AMERICA
キース・エマーソンが亡くなった。享年68歳。達郎さんはナイス時代よく聴いたとか。ナイスのデビュー・シングル「AMERICA」も達郎さんは池袋のヤマハで買ったという。1968年、全英21位。この曲のライヴ・パフォーマンスで星条旗を燃やしたりしたので、作曲したバーンステインが怒ってアメリカで公演ができなかったという逸話がある。『ウエストサイド・ストーリー』のテーマを使ったキース・エマーソンらしいくどい演奏。
・続チャーリー・ワッツ
ストーンズのチャーリー・ワッツのハイハット2.4抜きについて、リスナーからのお便りではジム・ケルトナーに指摘されるまで気が付かなかったと本人は話しているという。達郎さんの考えでは、たぶんスネアとハイハットを一緒に打つと音が濁るので、スネアのインパクトをきれいに抜くために、ハイハットを抜いたんじゃないかと想像してたとか。「チャーリー・ワッツがだからといって嫌いなわけじゃなくて、あの人は上手いドラマーですからね。初期のストーンズはドラムとベースがキモですから。ウワモノのギターはなんか上手いとはいえない人たちでしたからね。バンドはもうドラムとベースがとにかくキモですから。いくらギターとキーボードが上手くても、ドラムとベースが下手でしたらロックンロールは無理ですから」と達郎さん。
・今日の想い
まりやさんの新曲「今日の想い」がテレビ東京系列の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」の新エンディングテーマとしてただ今オンエア中。経済ニュース番組「ワールドビジネスサテライト」は月曜から金曜の夜11時~11時58分に放送中でまりやさん書き下ろしの新曲「今日の想い」は4月4日から放送が開始されている。CDの発売は未定。4月27日からiTunes、レコチョクなどで配信がスタートしている。配信に関してはワーナーミュージック・ジャパンのまりやさんのスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/mariya/
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2016年06月05日は、通算1234回記念
「1234 (ワン・ツー・スリー・フォー) で棚からひとつかみ!」
http://www.tatsuro.co.jp