2017年07月02日プレイリスト
祝 JET STREAM 50周年
「JET STREAM で棚からひとつかみ」
1. MR. LONELY (JET STREAM VERSION) / FRANK POURCEL GRAND ORCHESTRA '64?
2. CULCUTTA / LAWRENCE WELK '61
3. LOVE IS HERE TO STAY / JACKIE GLEASON "MUSIC FOR LOVERS ONLY" '53
4. DAYS OF WINE AND ROSES / HENRY MANCINI & HIS ORCHESTRA '63
5. OUR WINTER LOVE / BILL PURSELL '63
6. SONG FROM "MOULIN ROUGE" / THE PERCY FAITH STRINGS "BOUQUET" '60
7. SHANGRI-LA / THE VOGUES "MEMORIES" '69
8. LOVE MEANS (YOU NEVER HAVE TO SAY YOU'RE SORRY) / THE SOUNDS OF SUNSHINE '71
9. ALBATROSS / FLEETWOOD MAC '68
10. MR. LONELY / THE LETTERMEN "PORTRAIT OF MY LOVE" '65
11. 夢で逢えたら / NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL "NIAGARA SONG BOOK" '82
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■内容の一部を抜粋
・近況
「ここ数年の中では番組の前倒しがこんなにコンスタントにずーっと続いているのは、ちょっと珍しいかなという気がいたします」と達郎さん。ツアーは今週末7月8日(土)9日(日)が中野サンプラザで東京の最終公演。
・JET STREAM で棚からひとつかみ
TOKYO FMはもともとFM 東海、東海大学の実験放送としてはじまった。そのスタートしたときにはじまった番組が今も続いている「JET STREAM」。いちばん最初は城達也さんのナレーションでスタートした「JET STREAM」が明日7月3日に50周年を迎えることになった。達郎さんはちょうど中学生でラジオ放送がステレオで出くるのに興奮したという。毎晩「JET STREAM」を聴いていてムード・ミュージックやイージー・リスニングの知識をずいぶん得ることになったそうだ。「JET STREAM」にはお世話になったので、ひとつ「SUNDAY SONG BOOK」で「JET STREAM」のマネをしてみよう、ということになり今週は「JET STREAM で棚からひとつかみ」。いわゆるムード・ミュージック、イージー・リスニング、シャンペン・ミュージック、ラウンジ、いろんな呼び方をするけれどもインストゥルメンタルを中心に'50年代、'60年代当時のイージー・リスニング、ムード・ミュージックを特集する。むかし、一度そういう特集をしてみたかったそうだが、忙しさにかまけて今まで実現できずにいたので、今日はちょっとそのさわりだけ。「昼間にはレイドバックし過ぎかもしれませんが、タイムフリーで夜に聴いていただくと、日曜日の夜、JET STREAMございませんので、夜に聴いていただくとバッチリかと思います。おー思い出すぞ! と私たちの世代は」と達郎さん。
・MR. LONELY(JET STREAM VERSION)
「JET STREAMのテーマというとフランク・プールセルのMR. LONELY。MR. LONELYという曲はもともとは64年にボビー・ヴィントンが全米NO.1にしまして、曲自体は62年の曲でありますけれど、演奏しておりますフランク・プールセルはフランスのイージー・リスニングを代表する大家でございます。この人のMR. LONELYのヴァージョンがJET STREAMのテーマ・ソングとしておなじみでありました。64年にボビー・ヴィントンのヒットでその辺だと思います。フランク・プールセルはカタログが鬼のようにあるので、どこのアルバムがいちばん最初なのか特定することができませんでした(笑)。実はオリジナル・ヴァージョンはモノラルなんです。アルバムに擬似ステレオのヴァージョンがありまして、それに更に夜の雰囲気を醸し出すためにリバーヴを足してオンエアしておりました。私はプロデューサーの方に直接伺ったことがありますので。その1960年代の末の城達也さんの時代のフランク・プールセルのMR. LONELYのオンエアされてたヴァージョンを再現して、家で擬似ステレオにリバーヴ足してジェット・ストリーム・ヴージョンとしてお届けしたいと思います」と達郎さん。
・CULCUTTA
1967年に日本でFM放送がスタートして、その後、FM東海、FM愛知、FM大阪、FM福岡の4局体制で'70年代まで行き、そこからどんどんどんどんFMが増えて今はJFN38局ネットになっている。達郎さんは中学三年のとき、ステレオ放送が聴きたくてレシーバーというチューナーを買って、夜中にヘッドフォンを耳に当てると「MR. LONELY」が出てきたという。いわゆるムード・ミュージック、イージー・リスニングがオンエアされていた。そんな中からローレンス・ウェルクの1961年の全米NO.1の「CULCUTTA」。ローレンス・ウェルクは'50年代、'60年代に一世を風靡したイージー・リスニングの大家。アメリカ人だけど曲はヨーロッパの作品。
・LOVE IS HERE TO STAY
アメリカが第二次大戦後に世界の帝王として君臨して豊富な財力から音楽も百花繚乱で、ロックンロールからこういう大人の音楽まで。それでオーディオ技術、ステレオというのが出てきて、それまでのモノラルから革命的にオーディオが発展し、そういうものがオーケストラ・ミュージックを発展させる原動力になった。シャンペン・ミュージックの元祖ともいうべきジャッキー・グリースン。俳優でも有名だが1953年のアルバム『MUSIC FOR LOVERS ONLY』は全米アルバム・チャートのNO.1を23週続け、149週チャートインしたというアルバムのベストセラーの代表作。1953年はモノラルだったが再録してリアル・ステレオ・ヴァージョンの『MUSIC FOR LOVERS ONLY』も作った。その中から「LOVE IS HERE TO STAY」。
・DAYS OF WINE AND ROSES
映画音楽の大家ヘンリー・マンシーニの「DAYS OF WINE AND ROSES」は実際にJET STREAMで聴いて感動したという。1963年、全米35位。ジャック・レモンの映画『酒とバラの日々』の主題歌。
・OUR WINTER LOVE
ビル・パーセルはピアニスト。彼の唯一曲のヒット曲「OUR WINTER LOVE」は1963年、全米9位。達郎さんの番組ではレターメンのヴァージョンをよくオンエアしているが、こちらがオリジナル。
・SONG FROM "MOULIN ROUGE"
JET STREAMというと達郎さんが思い出すのはパーシー・フェイス・オーケストラ。1952年の「SONG FROM "MOULIN ROUGE"」は映画『赤い風車』のテーマ・ソング。1953年に全米NO.1。オリジナル・ヴァージョンはモノラルで、達郎さんの家にあるのもすべてモノラル。でもJET STREAMはやはりステレオなので達郎さんは今回、再録のリアル・ステレオ・ヴァージョンが収録されている1966年のアルバム『BOUQUET』を買い直したそうだ。
クライグ・デイヴィスがCBSの社長をやってる時代にロック・ミュージシャンがマジソン・スクエア・ガーデンを一杯にできるんだったら、こうしたイージー・リスニングでも一杯にできないはずがないと、パーシー・フェイスと101ストリングスとカラベリでマジソンのイベントをやって、クライグ・デイヴィス自らホスト役で司会をして何日もソールドアウトだったと、本人の自伝に書いてあるそうだ。
・SHANGRI-LA
後半は達郎さんがJET STREAMの選曲をするなら。ザ・ヴォーグスの1969年のアルバム『MEMORIES』から「SHANGRI-LA」。ハープ奏者のロバート・マクスウェルの作品。アーニー・フリーマンがロバート・マクスウェルのオーケストラのアレンジを忠実に再現している。
・LOVE MEANS (YOU NEVER HAVE TO SAY YOU'RE SORRY)
ザ・サウンズ・オブ・サンシャインの「LOVE MEANS (YOU NEVER HAVE TO SAY YOU'RE SORRY)」、邦題は「愛とは決して後悔しないこと」。1971年の映画『ある愛の詩(ラヴ・ストーリー)』(ライアン・オニールとアリ・マッグロウの主演)の台詞をフレーズにしてヒットした。全米39位。今までまともなかたちでCD化されておらず、達郎さんの所有するCDはイントロが欠けていたので、今日はアナログ盤からデジタル・プロセッシング。
・ALBATROSS
フリートウッド・マックの初期の傑作「ALBATROSS」は1968年、全米NO.1。
・MR. LONELY
レターメンの1965年のアルバム『PORTRAIT OF MY LOVE』から「MR. LONELY」。
・ビール
リスナーから「達郎さんはビールが飲めないとは本当ですか?」という質問。
ビール飲めないわけじゃなくてビールを飲むとお腹いっぱいになっちゃうので、泡ものはご飯が食べられなくなるのであまり飲まないとか。
・ツアーに関する質問
リスナーから「飛行機で行かなくっちゃならないところの楽器、ステージ・セットの運搬方法は?」という質問。
フェリーを使うそうだ。中二日の日程では行けないところもあるので、メンバーだけではなくトランポのスケジュールの調整もしているという。
・長袖シャツ
リスナーから「コンサート・ツアーでお見かけする達郎さんは長袖を2つくらい折って着てますが、半袖は着ないのでしょうか?」という質問。
「はははは。半袖は持ってません、僕。若い頃から長袖一辺倒です。Tシャツもほとんど着ませんね。ポロシャツも着ませんし、アロハも着ませんね。だいたい夏でも長袖です。若い頃からずーっとそうなので。今までそうだってことですね。十代からそうでしたので(笑)。半袖あんまり好きじゃないというかね。なんか、ね」と達郎さん。
・夢で逢えたら
1982年の『NIAGARA SONG BOOK』から井上鑑さんのスコアでイージー・リスニング仕立ての「夢で逢えたら」。今日は2012年の30周年記念盤から。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2017年07月09日は、「納涼リクエスト大会(予定)」
http://www.tatsuro.co.jp