太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ラニカイの丘の岩の家

2017-08-15 19:53:56 | ハワイの自然
カイルアのラニカイの丘の上に、ヒルトップハウスがある。

この家は、自然の岩をそのまま利用して造られた家だ。





先週、その家の持ち主であるペギーが95歳で他界した。

ペギーの娘さんと私の夫の叔母は友人で、この家と家族の話はよく聞いていた。

これはその家の物語である。





この家が造られたのは1930年。

ペギーの父は、子供の頃から丘のてっぺんに家を建てて住むのが夢だった。

そして、ラニカイの丘にたつ巨大な岩を見た瞬間、全身に鳥肌がたち、「ここだ!」と心が叫んだ。

彼は家族を連れて丘に登り、そこでピクニックをした。

そこから眺める海はすばらしく、偏西風が心地よかった。

「天国の海」という意味の名前をもつラニカイは、多くの人の心を魅了する。


その土地の持ち主も、実はその丘に家を建てたかったのだが、妻が海岸に近い場所がいいと言うため

建てずにいた。しかし、けして開発業者には売らなかった。

誰かがそこに家を建てて住んでくれるのを待っていたのだ。


そこに現れたペギー一家。

ハワイでは、昔から岩は神聖なものとされている。

岩は絶対に削ったり壊したりしないことを条件に、ペギー一家はそこに家を建てることになった。

予算も限られていたので、友人らの協力を得て自分たちだけで建て始めた。

しかし丘の上は風が強く、どうやってそれに耐えられる家にするかは素人には難しい問題だった。

たまたま近所に、日本で台風に強い家を建てたことがあるという年配の日本人男性が住んでおり、

「窓にも屋根にも庇をつけるな。風が入り込んで家を壊すから」

と助言してくれた。

彼らがその男性の家まで毎日迎えに行くと、彼は通訳として孫息子を連れてやってきて、

専門的な助言をあれこれしてくれたのだった。

そうやってできた丘の家に、 Puuhonua という名前をつけた。

Puuはハワイ語で丘、Honuaは地球の上にあるもの、という意味だ。






ギャラリーにつづく階段。両壁は岩を利用している。



2階に続く階段。岩の隙間を利用して本棚が作られている。



2階のリビング。岩の上にマットを敷いてソファにしてある。



寝室。ベッドにいるのがペギーと娘さん。この娘さんが叔母の友達だ。1952年ごろ。



テラスからラニカイの海を眺める。




日本が真珠湾を急襲した、あの日。

ペギーはこの家の2階の窓際にいた。

飛行機の轟音に窓の外を見ると、低空飛行してきた日本の戦闘機が丘をかすめてゆき、

そのときパイロットと目が合った、という。




ペギーはその家Puuhonuaを愛し、その家で95年の生涯を閉じた。

ペギーの父がその丘と岩に恋をしてから90年近い歳月が過ぎ、

丘の家はまだ同じ顔をして丘から海を見下ろしている。








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裏の元締め

2017-08-15 07:59:11 | 日記
うちの2匹の猫、チーズケーキはごはんモンスターである。

読んだ本によると、偏食や食が細い猫も多いらしいが、そういうものとは無縁だ。

カウチに座っていた夫が立ち上がっただけで、ごはんがもらえるチャンスとばかりに色めき立つ。


ニャー ニャー ニャー


ごはん催促するのは決まってガールのほうだ。

鳴いたことがない寡黙なボーイは、いつのまにか近くにいてガールのお相伴にあずかる。

とにかくいつでも食べたいので、欲しがるだけあげていたら肥満猫になってしまう。

だから心を鬼にして無視。

ごはんが好きで助かることもある。

彼らを庭に出したあと、家に入れたいときに、まだ遊んでいたくて走り回るのを追いかけるのは大変だが

ごはんの入ったタッパーを持って振り、

「ごはん、ごはーーん」(我が家では ごはん は日本語である)

と叫ぶだけで、庭のどこにいても一目散に走ってくる。

体調が悪いのも、食欲でわかる。



さて、鳴いて催促してもダメだとわかると、ガールはパントリーの前に陣取り、なにかの拍子に扉があくのを待つ。




「この中にごはんが入ってるにょ、知ってるにょー」


そしてその隣にはいつのまにかボーイが・・・・



控えている。

これはもしかすると、ボーイが元締めで、ガールはパシリで催促させられているのでは。

いつだって、催促するガールのすぐ近くにひっそりといて、

もらえないとわかるとゆっくりと去ってゆくその背中は、いかにも元締めらしく余裕がある。






元締め、シモジモの者を睥睨す。





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