太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

味噌か、ミルクか

2020-05-29 11:26:56 | 食べ物とか
夫の叔母は料理上手。
日本料理も好きだけれど、外で食べるだけで、自分で作ることはない。
よく行く日本料理の店の、エッグプラント・ミソがお気に入りで、作り方を聞かれた。
エッグプラント・ミソは、揚げた茄子に甘味噌をからめたものだ。
要するに、味噌おでんにする甘味噌と同じ。
正式な作り方は知らないが、味噌とお酒とみりんと砂糖を味をみながら練れば
それらしいものができるので、
私のやり方を教えると、叔母はさっそく味噌を買いに行った。

が、翌日、叔母から電話があった。
味噌を買いに行ったものの、何を買っていいかわからずに帰ってきた、という。
「黄色いのや茶色いのや、いろいろあって混乱しちゃった。あれ、みんな味噌?」
地元のスーパーなら、あっても2種類ぐらいしか置いてないのだが、
日本食スーパーに行ったのが悪かった。
確かに白味噌や合わせ味噌、米こうじとか八丁味噌、麦みそもあるし、だし入りだってあるのだから無理もない。
味噌の棚の前で途方に暮れる叔母を想像し、うちにある味噌で甘味噌を作って分けてあげた。


外国人の味噌に匹敵するものが、私にもある。

シリアルの種類の多さ。
スーパーマーケットの長い1列の両側がぎっしりシリアルで埋め尽くされている。

そしてミルク。
日本だと、牛乳の種類といえば、せいぜい低脂肪とかビタミン強化とかだろう。
ところがアメリカのミルクは違う。
以前、お菓子を作ろうと思って牛乳を買いに行ったはいいが、叔母と同じで
何を買っていいのかわからなくて途方に暮れたことがある。


・Whole milk
これは日本の一般的な牛乳に1番近い

・Redused Fat
文字どおり、低脂肪だが、2%の脂肪のもの。

・Low fat
低脂肪でも、1%以下の脂肪のもの。

・Fat free
無脂肪。

・Half & Half
牛乳と生クリームが半々の、コーヒー用のミルク。

・Heavy cream
生クリーム。

・Lactose free
ラクトースアレルギーの人のためのミルク。

・Condensed milk
いわゆる、練乳。かき氷にかけるのと同じ。

・Evaporated milk
練乳の、砂糖が入っていないやつ。お菓子作りに使う。

・Homogerized
加熱したミルクに加圧して、粒子を小さくしたもの。らしい・・・
ここまでくると、一体何のために使うものなのかわからん。

・Non rBST
成長ホルモンを使用していない、というミルク。


また、殺菌方法によって表記が分かれており、混乱を極める。
幸いシリアルも牛乳も、我が家では食さないので助かっている。






ハンカチで鼻をかむ

2020-05-28 12:40:31 | 日記
鼻紙、というくらいで、日本人には少ないと思うが、外国人の多くはハンカチで鼻をかむ。
ハワイはなぜか、ハンカチというものを持っている人が少ないので
あまりそういう場面は見ないのだけど、アメリカ本土に行くと、見かける。
ポケットから出したハンカチで、「ぶー」と鼻をかみ、それをまたポケットにしまう。
あのハンカチは、再び使われるのだろうか。
私は、ハンカチの状態と行方が気になってしまう。

そしてそれは我が家でも起こっている。

夫がシャワーを浴びて、バスタオルで身体を拭きつつ、そのタオルで「ぶー」とやる。
それをまた、タオル掛けにかける。
毎日バスタオルを洗うわけではないので(週に2回)、次もまたそのタオルを使う。
私のタオルと夫のタオルははっきり分かれているからいいようなものの、
それでもその場面を見ると、「うわぁー・・・・」と心で思う。


似たようなことは、ほかにもある。
旅行から戻ったスーツケースを、夫は気軽にベッドの上に置く。
確かにベッドの上に置けば、物を取り出しやすい。
けれど、いろんなところを歩いてきたスーツケースには、雑多なものがくっついているではないか。
ベッドに掛けてあるコンフォートは、ベッドカバー 兼 上掛けであり、
いろんなものがくっついた上掛けを、今夜かけて寝るのだ。
コロナウィルスが蔓延したことで、夫も心を入れ替えていればいいのだけど。


それらのことについて、私は1度は夫に言う。
それでもやり続けるのであれば、もう言わない。
生活にそれほど重要でない、文化の違い、価値観の違いや性格は、放っておくに限る。
それは、最初に結婚してからの30年近くの間に私が学んだことである。



これは過去にも書いたことだけれど、
前の夫が、新聞を読むときに反対側に折ったりするので、新聞紙がバサバサになり、
綴じるときにきれいに端が合わないのでイライラする。
何度言ってもだめで、相手が新聞を読むたびにイライラ、新聞紙を綴じるたびにイライラするのがほとほと嫌になり、
あるとき、おいてある新聞をわざとバサバサにしてみた。
そしてそのまま綴じてみた。
思ったよりも平気で、きれいに綴じる必要なんかなかったんだと気づく。


自分の気に入るように相手を変えるのは、互いにものすごい葛藤や忍耐が必要で、
かつ、ほとんどのところうまくいかない。
よっぽどのこと以外、どうだっていい。

タオルで鼻をかむのを、私は好きじゃない、ということをお知らせしてあればいい。
夫は知っている。
知っているが、なおらない。
「ぱなし」の私は、使った引き出しがほんの少し開いているとか、
瓶の蓋をきっちり閉めないことを、夫に1度だけ指摘されたことがあるのになおらないのと同じ。
タオルで鼻をかんでいる場面を見たら、心の中で「うわー・・」と思うだけ。
スーツケースがベッドの上にあったら、さりげなく何か敷物を下に入れればいいだけ。
自分の心の平安を保つための知恵だと思うのである。









夢と、おじゃまむし

2020-05-27 11:38:09 | 日記
変な夢を見て、目覚ましが鳴ってホッとするような朝が多くなった。
悪夢というほどではなく、疲れる夢。

昨夜は、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」みたいな世界にいて、
ちっさな蜘蛛とか蜂のような生き物が私の体をつまみあげ、宙を飛んで運んでゆく。
それが繰り返されるたびに、「自分で行くからいいーー」と言おうとするのだが、
喉が詰まってうまく言えない。(夢の中でよくある)
夫に揺り起こされて目がさめた。
「ジブンデー、って何度も言ってたよ」
いやほんとに疲れる。
私は毎夜、どんなところに行ってるんだか。


ギャラリーで、アーティストのインタビューを撮影した翌日(その記事はコチラ
Debbieからメールが来た。
「今さっき、シロのオリジナルが売れちゃったわよー、早く知らせたくて。おめでとう!!」
1年近く置いてあったオリジナルが、いっこうに売れないので、
ロックダウンする寸前に、別のオリジナルと交換したばかりだった。
最初のよりも、倍以上の値段がするのに、売れるときにはこんなものか。
「やったーー!」とガッツポーズ。

そのギャラリーには、一つしかオリジナルは置いていないから
何か持っていかなくては。

誰かが、私の作品を壁に飾りたいと思ってくれて、
私の作品が、誰かの家の壁で生き続ける。
改めてその奇跡のような出来事にかかわっていることの重さと、幸せをかみしめる。

新しい創作にも意欲が湧くというものだ。


が、始めてみればこんなかわいい邪魔がはいるんだけど。
このあとガールはキャンバスの上で長くなって寝てしまい、
困ったなーと思っている私の肩に、ボーイが飛び乗る。



私が毎日家にいるのを、彼らなりに歓迎しているのだと思うことにする。







リセット

2020-05-25 12:14:29 | 日記
日曜日の夕食は、メキシカンだった。

シュートメがチーズエンチラーダを作り、
私がスパニッシュライスを作った。(水とトマト缶を入れて煮るだけのやつ・・)
熟れたアボカドでワカモレを作り、七面鳥のひき肉を使ってタコミートを作った。
夫に出会うまで、メキシカン料理など知らなかったけど、今じゃ好きな料理の一つ。

チェリーのケーキ

シュートメが焼いた、チェリーのケーキ(名前は忘れた)。
甘さが控えめで、かなり美味しかった。



月曜日はメモリアルデーで祭日。
コロナウィルスのため、マジックアイランドでやる恒例のランタンフェスティバル(精霊流し)はキャンセルになった。


卒業シーズンだけれど、卒業式ができない。
昨夜、夫の母校の高校のWEB卒業式を1時間ほどの番組にして放映していたのを、
知り合いがいるわけでもないのに、つい見入ってしまった。
白いコートに白い帽子、スクールカラーの(どの学校にも決まった色がある)緑の
幅広タイを首から下げた生徒たちの
一人一人名前を呼び、その生徒が自宅や海などをバックにポーズをとる。
そのあとで生徒の家族や友人たちが祝福の声援を送るのが映し出される。
それだけなのだが、彼らの笑顔を見ていると、なんだかとっても幸せな気持ちになる。
卒業式をやらなかった、という特別な思い出が、彼らには残るのだな。


メモリアルデーの朝、ビーチに行って帰ってきたら(3連休は毎朝海に行った)ヴィッキーが家にやってきた。
ヴィッキーはグラスアーティストだが、作品を置いているギャラリーはclose、
週に3日店を出していた、私の職場もずっと休みで、
「貯金はほとんど崩してしまったし、ほんとに崖っぷち」
と悲鳴をあげていた。
ボーイフレンドと同居しているので、なんとか生活はできているけれど、
スプラウト(カイワレみたいな)を何種類か育てていて、ファーマーズマーケットで売っているという。
そのスプラウトをたくさん持って来てくれたのだ。

アーティストのインタビューを撮ったギャラリーに、ヴィッキーも作品を置いているので、
インタビューを撮ってきた話をしたら、
「それはおもしろそうだったねー。でも私は断っちゃったのよね」
と言う。
「この先、アートを続けられるか自信ないからさ」
彼女が作るヒューズドグラスの、材料となるガラスは高価で、
今手元にある在庫を使ってしまったら、いつ購入できるか目途がたたない。
私に、何が言えるだろう。
何も言えなくなってしまい、黙ってヴィッキーの手を握った。

スプラウトのお礼に、私が漬けた甘酢漬けと、ゴールデンキウイ6個入りのパックと、
納豆を袋に入れて渡した。
彼女は納豆をピザにのせて食べるのが好きなのだ。


コロナウィルスは、ものすごいパワーで、ものごとをリセットしてしまう。
このリセットが、ヴィッキーにとって最善の、もっと楽しい何かのための
きっかけであることを願ってやまない。





インタビュー

2020-05-23 13:52:40 | 日記
ハワイも少しずつビジネスが戻りつつあって、ショッピングモールが再開している。
とはいえ、時間短縮で、開店している店と閉めている店が混在しているし、
マスクは着用で、1度に入店できる数も制限されているので並ぶのは覚悟の上、
レストルームは3つ個室があったら、使えるのは1つだけという状態。
お世辞にも、楽しいショッピングというわけにはいかないけど。


私の作品を置いてくれている、カハラモール内にあるギャラリーのひとつが、ようやく再開した。
ちょっと前に、ギャラリーのスタッフの一人のDebbieから、アーティストのインタビューをホームページに載せたいという話があって、日にちを決め、
金曜日にカハラモールまで行ってきた。

ものすごく久々に車でホノルルまで出かけたのでドキドキした。



ギャラリーの一角に、撮影コーナーを作った。
セッティングしてくれているのは、カメラマンでもあるフェイ。
私が座る椅子の隣に、私のオリジナル作品などを並べる。
コラージュについて知らない人がほとんどだと思うので、コラージュに使う、
手染めした紙をいくつか持って行った。
Debbieは、生い立ちとかアートのこととか好きに喋ってね、と言うが、
何か質問してくれたほうが話しやすいので、進行を任せることにした。
Debbieのほうが緊張してる。

英語のあと、日本語バージョンも撮影した。
日本語はお手の物なので、進行なしで、一人で適当に喋りとおした。
きっと私はしゃべり過ぎたと思うのだけど、どうせフェイが編集してくれるのでいいとする。

なんだかんだで1時間ほどかけて終了。
インタビューなんて初めてだったけれど、新鮮で楽しかったなあ。
ギャラリーのホームページと、YouTubeにもアップするらしいので楽しみ。


帰りがけ、Debbieがお手製の抹茶ケーキをくれた。
「初めて作ったから、あまり美味しくないかもしれないけど」
とアメリカ人らしくないことを言うのは、Debbieのダンナさんは日本人だから。
15年ぐらい日本に住んでいたこともあるDebbieは、金髪の白人でありながら、
すっかり心は日本人に近い。

Debbieの抹茶ケーキ

たっぷり抹茶を使ったケーキは、しっとりとしてとても美味しかった。