【 Photo by Yoshinobu Tashiro 】
あの日
あなたは
つづきが
分かっていたように
妹と
遊んだブランコを
ボクに見せた
前世で
命の行方を
見てしまったような
瞳をした
少女が
そこにいた
言葉にならない
記憶ばかりが
幾重にも重なって
湿気の多い夜を
余計に
重くして
あなたの
写真を
歪ませていく
これだけ
干していれば
乾いているはずの
靴下が
まだ濡れている
少し
ゆるみはじめた
季節の間から
あの公園の
匂いが
する
置いてけぼりの
ボクは
もうじき
夏だよと
教えてくれる
地の底から
わき出たような雲を
待っている
Copyright ©2011~2017 My Blue Heaven Missing link All Rights Reserved