【 Photo by Keiko Aoki 】
三月
4年前の三月
その頃ほとんどを覚えていない
寒い日とあったかい日が
交互にくる中
必死に生きていた
そんな三月
三月
いつか忘れた三月
スキな子の誕生日
金がなくて
プレゼントを買えないまま
ただ二人歩いていた三月
その夜は寒かった
三月
ここ数年の三月
木蓮の花をさがしてた
今年も
大きくなった蕾と
もっと大きくなったため息と
小さくなった瞳の先の
三月が始まった
三月
去年の三月
そうまだ1年なのに
いろいろ変わって
ずいぶん昔に感じるのは
あなたがいないことと
関係あるのだろうか
三月の夕暮れ
三月
たぶん7年前の三月
苦痛と苦悩と混乱の中
キミとあった帰りに
新宿で買った万年筆
この間役目を終えた
多くの文字を書いたけれど
キミには何文字書いたのだろう
春の言葉と三月
三月
きっと今年の三月
どこかを歩きながら
いつかのように
道の小石を蹴ったら
なまぬるい風が
ぴゅぅぅぅぅぅと吹いたとき
それがきっと
今年の三月
誰にでもある
三月の物語
今年の三月も
どこかで涙が流れ
誰かが神を恨み
あらゆる所で
愛と別れの物語が
つづられていくのだろう
三月
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