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スーパーマン今昔

2016-06-12 07:48:23 | エッセイ
 
 去年から楽しみにしていた映画『バットマンvsスーパーマン』、迫力は充分だったがストーリーよく分からないところがあり少々期待外れ。ブルース・ウィリスの夢の中の話が予告編に入っていたり、また予告編ではスーパーマンがレックス・ルーサーに催眠術でも掛けられていたように見えたがそうではなかった。

 しかし昔の作品とはだいぶ趣きが変わってきている。ジョークというか遊び心がなくなった。その公開前にはNHK-BSで80年代の『スーパーマン』が放映されていたが、悪役含め、何とものんびりしたもの。時代の影響とはいえ、たとえば今、クリストファー・リーヴがクラーク・ケント/スーパーマンを演じることは難しいだろう。ちなみに整理すると。
    1950年代 ジョージ・リーヴス
    1980年代 クリストファー・リーヴ(亡くなったのは残念)
    2006年  ブランドン・ラウス
    2010年代 ヘンリー・カビル
 テーマ曲についても、あのジョン・ウィリアムズのような軽快さがなくなっている。

 今回印象的だった箇所が2つ。
 米国議会下院だったか、呼び出された所で爆発が起き、スーパーマンだけ生き残る場面があるが、以前ならいち早く察知して爆発を食い止めていたところ。今のアメリカの〈無力感〉というのがよく出ていたということで、名場面と言っていいのかも。
 もう一つは、パーティーの中でC・ケントがB・ウィリスにやり込められる場面。これまでロイス・レインや編集長に言い負かされることはあっても、敵に言い負かされることはなかったはず。絶対的なヒーロー(アメリカ)が相対化したことの象徴とも言える。
 (ロイス・レイン役のエイミー・アダムスは、何ともかわいらしくて美しい)

 それと、バットマンやワンダーウーマンと並んでスーパーマンが巨大な化け物と対峙するのは違和感があった。あくまでもヒーローは、一人で戦うものだから。他のヒーローと並んでいるスーパーマン、絵にならない。
 夢の世界を描く映画とはいえ、現実の影響を確実に受けてはいる。ある意味残念なことではあるが。

 さて今回、巨大な化け物にやられてしまったスーパーマンであるが、やはりどうやら復活しそうな雰囲気。次回の予告編では、紛らわしい表現はやめてほしいもの。
 



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