「人生とは何か」との問いに大槻ケンヂさんが答えます。

2016年08月05日 | 音楽

 「人生とはなんだ!」




 筋肉少女帯大槻ケンヂさんは『これでいいのだ』という曲の中で、こうシャウトした。

 人生とはなんぞや。

 

 「人生とは愛です」

 「人生とは戦いだ」

 「さよならだけが人生さ」

 

 などなど答えは様々だが、不肖この私は、この問いに対して明確な解答を持っている。

 それを伝授してくれたのは、曲の中でそれを問うたオーケンに他ならないのだが、それは一体なんなのかと問うならば、答えは彼のライブにかくされていた。

 オーケンは筋肉少女帯を脱退後、特撮というバンドで活動していた。

 何度かライブに足を運んだが、さすが銀杏BOYZ峯田君や、作家の辻村深月さんから、エヴァンゲリオンの綾波レイなどなど。

 あなどれない数のクリエイターに大きな影響を与えているオーケンのこと、ファンの熱狂度はそこいらのバンドの比ではない。

 その日も『文豪ボースカ』や『テレパシー』などの名曲を堪能したところ、曲間にオーケンがマイクパフォーマンスをはじめた。

 議題に上がったのは、マネージャーのことであった。

 なんでも、新しくついてくれたマネージャーさんは怪獣番組の、中でも『ウルトラセブン』の大ファンなのだそうである。

 その熱中ぶりは、酔っぱらうと仕事のことそっちのけで、ひたすら「エレキングが」「クール星人が」「おもちゃじいさんが」とセブンの話をするという入れこみよう。

 その日も楽屋で語っていたそうだ。




 「ボクはね、ワイアール星人が一番好きなんですよ、知ってますかワイアール星人!」




 ワイアール星人とは、第2話緑の恐怖』に登場する宇宙人である。

 ちなみに、こういうの。




 
 



 その熱いオタクっぷりに、若干もてあまし気味だったオーケンだが、そこで客席に叫んだ。



 「でもな、それでいいんじゃねえか。人がなんていおうと、ここまで熱くなれるくらい好きになれることがあるって、幸せなことじゃねえのか?」





 客席から「いいぞ!」「その通りだオーケン!」の声。



 人生ってそういうもんだよ、好きなこと見つけて、それまっとうできたら幸せなんだよ。マネージャーはそれがウルトラセブンで、オマエらはロックだ!」





 客席大拍手。これに興奮したオーケンは、締めの言葉を言おうと、


 「人生はな、人生ってのはなあ……」





 グングンとボルテージを上げていく。

 ステージ上で飲んだビールの酔いと、会場の雰囲気がないまぜになったオーケン。

 急にわけがわからなくなったのだろう、で息をしながら、人生とは、人生とはな、と数度繰り返し、こう叫んだのだ。

 


 「人生とは、ワイアール星人なんだよ!!!」


 


 人生はワイアール星人

 なにをいっとるのか、オーケンは。意味不明だ。

 だが、言葉の意味はよくわからんなりに、なんだか妙なインパクトはあった。

 たぶんオーケン的には、「人生とは」とぶち上げてみたものの、そこで頭がわちゃくちゃになってしまったよう。

 そこで、とにかく思いついた単語をシャウトしたら、「ワイアール星人」になってしまったのだろう。

 なんで、こんなことになってしまったのかだが、それも勢いであろう。

 胸を打たれた。よくはわからんけど

 この言葉に感銘を受けた私は、これ以降


 「人生とは何か」

 「生きる意味とはなんなのか」


 などと、悩める友人や後輩たちに問われるたびに、それを答えにしてきた。



 「人生とは、ワイアール星人である」と。



 みなさまも、人生が迷子になりそうなときは、この言葉を思い出して、明日への一歩を踏み出していただきたいものである。





 ☆おまけ 『ウルトラセブン』第2話「緑の恐怖」は→こちら

 ★おまけ2 筋肉少女帯と絶望先生のコラボは→こちら




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