安藤健二『封印されたミッキーマウス―美少女ゲームから核兵器まで抹殺された12のエピソード』 その2

2017年09月06日 | 

 前回(→こちら)に続いて、安藤健二封印されたミッキーマウス―美少女ゲームから核兵器まで抹殺された12のエピソード』を読む。

 本書のメインディッシュといえば、前回も紹介した、


 滋賀県小学校が、卒業制作としてプールの底にミッキーマウスの絵を描いたら、ディズニーからクレームが来てむりやり消去された」


 という、都市伝説めいた事件だが、クリーンなイメージと裏腹に、宮崎駿監督いうところの「米帝ディズニー」には、この手のアヤシゲな噂がよく似合う。


 ホーンテッドマンション幽霊が出る」

 「園内はカラスよけに、特殊な電磁波を出している」



 なんてのが代表的だが、私が好きなのは



 「ディズニーランドには秘密の地下室が存在する」



 テレビのバラエティー番組でも紹介されたりして「今さら」感あるネタだが、私が聞いたのはそれだけでなく、もうひとつの地下。

 そこは、一部の限られたセレブしか集まることができず、24時間ノンストップでパーティーが開かれている。

 ハリウッドスターなどがおとずれ、ミッキーやミニーがシャンパンなどをついでまわり、なにやらアヤシゲなことをしているのだとか。

 この話の出所は、ラジオ番組『サイキック青年団』でおなじみの竹内義和さん。

 竹内さんはそこで、「これはね、かなり信憑性のある話ですよ」と前置きしたうえで、



 「その証拠に、行ったことある人に聞きましたから」





 おお、それはすごい!


 「ディズニーランドにイリーガルな地下室がある」


 これだけでは、もう100万回聞いたヨタ話であるが、実際に行ったことがあるという証言が!

 これは、相当に信憑性ありとみていいだろうということで、その秘密のパーティーに参加したのは誰なのかと問うならば、竹内アニキ曰く


 


「それがね、岸部シローさんなんですわ」





 岸部シロー

 すごい情報源である。なんでも竹内アニキが



 「ディズニーランドの地下っていう都市伝説、あれってホンマなんですかね」



 そうなにげなくいったところ、シローはこう答えたという。




 「ああ、あれね。本当だよ。ボク行ったもん




 行ったもん

 なんというのか、リアリティーがどうとかいう前に、ここで岸部シローを出してくる竹内アニキのセンスがすばらしい。

 ディズニーで、地下室で、セレブで、秘密パーティーで、その証拠が岸辺シロー

 で、その証言の内容というのが、




 「ボク行ったもん」




 なにがどうということもないが、絶妙の人選といえよう。

 そうかあ、岸部シローかあ。

 まあ、一時期は相当羽振りよくて、骨董関係でブイブイいわしてたらしいから、そのツテでセレブ入りしたのかもしらんなあ。

 それにしても夢の国もディズニーで、その地下セレブがなにやらパーティーをしていると聞けば、ずいぶんと危険な香りが漂うが、



 「岸部シローが顔パス



 と言われると、なにやら積み上げてきたものが一瞬で瓦解しそうである。

 ありがたみがないことこの上ないが、そのあたりがいかにも都市伝説であり、よくできている。

 さすが竹内アニキ、感心させていただきましたわ。

 今なら吉田豪さんあたりが、真相を知っているかもしれないなあ。



 (続く→こちら



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