前回(→こちら)に続いて、安藤健二『封印されたミッキーマウス―美少女ゲームから核兵器まで抹殺された12のエピソード』を読む。
本書のメインディッシュといえば、前回も紹介した、
「滋賀県の小学校が、卒業制作としてプールの底にミッキーマウスの絵を描いたら、ディズニーからクレームが来てむりやり消去された」
という、都市伝説めいた事件だが、クリーンなイメージと裏腹に、宮崎駿監督いうところの「米帝ディズニー」には、この手のアヤシゲな噂がよく似合う。
「ホーンテッドマンションに幽霊が出る」
「園内はカラスよけに、特殊な電磁波を出している」
なんてのが代表的だが、私が好きなのは
「ディズニーランドには秘密の地下室が存在する」
テレビのバラエティー番組でも紹介されたりして「今さら」感あるネタだが、私が聞いたのはそれだけでなく、もうひとつの地下。
そこは、一部の限られたセレブしか集まることができず、24時間ノンストップでパーティーが開かれている。
ハリウッドスターなどがおとずれ、ミッキーやミニーがシャンパンなどをついでまわり、なにやらアヤシゲなことをしているのだとか。
この話の出所は、ラジオ番組『サイキック青年団』でおなじみの竹内義和さん。
竹内さんはそこで、「これはね、かなり信憑性のある話ですよ」と前置きしたうえで、
「その証拠に、行ったことある人に聞きましたから」
おお、それはすごい!
「ディズニーランドにイリーガルな地下室がある」
これだけでは、もう100万回聞いたヨタ話であるが、実際に行ったことがあるという証言が!
これは、相当に信憑性ありとみていいだろうということで、その秘密のパーティーに参加したのは誰なのかと問うならば、竹内アニキ曰く
「それがね、岸部シローさんなんですわ」
岸部シロー!
すごい情報源である。なんでも竹内アニキが
「ディズニーランドの地下っていう都市伝説、あれってホンマなんですかね」
そうなにげなくいったところ、シローはこう答えたという。
「ああ、あれね。本当だよ。ボク行ったもん」
行ったもん!
なんというのか、リアリティーがどうとかいう前に、ここで岸部シローを出してくる竹内アニキのセンスがすばらしい。
ディズニーで、地下室で、セレブで、秘密パーティーで、その証拠が岸辺シロー。
で、その証言の内容というのが、
「ボク行ったもん」
なにがどうということもないが、絶妙の人選といえよう。
そうかあ、岸部シローかあ。
まあ、一時期は相当羽振りよくて、骨董関係でブイブイいわしてたらしいから、そのツテでセレブ入りしたのかもしらんなあ。
それにしても夢の国もディズニーで、その地下でセレブがなにやらパーティーをしていると聞けば、ずいぶんと危険な香りが漂うが、
「岸部シローが顔パス」
と言われると、なにやら積み上げてきたものが一瞬で瓦解しそうである。
ありがたみがないことこの上ないが、そのあたりがいかにも都市伝説であり、よくできている。
さすが竹内アニキ、感心させていただきましたわ。
今なら吉田豪さんあたりが、真相を知っているかもしれないなあ。
(続く→こちら)