ローマで名前呼び対決! 中田英寿vsフランチェスコ・トッティvsパオロ・モンテーロ その2

2017年03月17日 | 海外旅行
 前回(→こちら)の続き。

 ローマで子供たちに「ナカータ!」とされたとき、イタズラ心で、

 「トッティ!」

 そう返してみた。

 これには、子供たちも意表をつかれたようで、「え? え?」と困惑顔。見事なカウンターを決めた私は、意気揚々とその場を去ろうとしたのが、そのガキどももさるもの。態勢を立て直すと、

 「モンテーロ!」

 さらに返してきたのであった。

 凱旋モードで去ろうとした私は、思わぬ反撃に足を止めた。気分はウルトラ警備隊のキリヤマ隊長であり、シブく振り返って、「何!」。

 するとその反応にガキどもは「よっしゃ、効いてるぞ」とうれしくなったのか、さらに「モンテーロ!」とはやしたててくる。

 どうやら勝ったつもりである。阿呆である。このガキどもは勝負のルールも理解できないのか。

 そっちは日本人「ナカータ」、こっちはイタリア人で「トッティ」とやりあったのだから、今度はそっちが日本人の名前を出すのが順番だろうが。

 それこそ、「ナカムーラ」とか。そこを「モンテーロ」でどうする。

 オセロでいえば、こちらが白の駒を置いたのに、むこうもまた白の駒を置くようなものである。それはちがうだろと。

 くそう、ルールを破りやがって、汚ねえぜ。といっても自分で勝手に作ったルールなんだけど。

 まあともかく反則攻撃を受けた私は、やむを得ず相手に合わせて日本人選手の名前を言おうとしたが、えーと日本代表ってだれがいたっけ。

 私もサッカーは見るけど、選手の顔と名前を覚えるのは苦手なのだ。それでも懸命に脳の検索エンジンを走らせたところ、

 「ミョウジン」「ソウマ」「ナラハシ」

 と微妙に地味な名前しか思い浮かばなかったのである。

 いや、もちろん、みなすばらしい選手たちだが、まだ世界的知名度でいえば中田やトッティにはおよばないだろう。きっと、この小僧どもも知らないにちがいない。

 こっちはバレージやデルピエロ、ジノにランピオンなど多くのイタリア選手を知っているのに。まだまだサッカーではイタリアの方が圧倒的に格上である。

 物量差がモロに出た形だ。くそう、これが現在の日本とイタリアの実力差か。

 言葉に詰まった私に、小僧どもはいかにもうれしそうに「わーい、勝った勝った」とはしゃいでいる。

 だあああああ!

 なんかすごくくやしいぞ。ルール違反に負けるとは。日本人にはマリーシアが足りないといわれるが、まさにそこをつかれての失点だ。

 だからもう一度説明するぞ。そっちが「ナカータ」からはじまって、こっちは「トッティ」なんだから、今度キミたちは日本の「ナナーミ」とか「イハーラ」とか出さんといかんのや……

 ……って、私はなにを熱くなっているのか。

 こうして、私はローマの地でガキどもの卑劣な手管に一敗地にまみれたわけだが、今考えたらこのとき「大空翼」っていってやればよかった気がしたものだ。

 『キャプテン翼』といえば、それこそトッティとかデル・ピエロ、ジダンとか、ヨーロッパのサッカー選手に多大なる影響をあたえたことで有名である。

 自国の英雄が崇拝するマンガが日本のそれとなれば、ヤツらもぐうの音も出まいと勇んだのであるが、検討してみるならば、「ツバーサ!」といっても、残念ながらたぶん通じないであろう。

 というのも、向こうではアニメやマンガの登場人物は、現地風にアレンジされているから。

 私がスペインで見たバージョンでは翼君か岬君かどちらか忘れたが「ジュリオ」と呼ばれており、調べてみたらイタリアでは翼君は「オリバー・アットン」、若林源三は「ベンジャミン・プライス」だそうな。

 ということは、「ツバサ」ではなく、「オリバー」といわなければならないのか。なんか、全然雰囲気が出ないぞ。ツイストか。

 ベンジャミンとか、昔ダウンタウンが出したCD『生きろ・ベンジャミン』しか思い浮かばない。というか、源三はドイツに行くんだから、ドイツ名をつけてやれよ。

 ということなので、ここに偉大なる『キャプテン翼』も、向こうの

 「日本語名だと子供が覚えにくいから」

 という大人の事情により、反撃の弾にはならないのであった。ジャンプ黄金世代なのに、無念きわまりない。

 だが、やはりあそこで黙りこんで日本を敗戦に導いてしまったのは私である。そこで次またこういうことがあったら、A級戦犯の汚名を雪ぐべく、

 「ムッソリーニ!」

 「コルレオーネ!」

 「カバキ!」

 などなど、ありったけのイタリア人の名前を導入して、大日本帝国の勝利に貢献したい。





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