前回(→こちら)の続き。
後輩の「自炊ってどうやるんスか」との相談に、男のカンタン料理を教えることとなった私。
「料理ができる男子はモテる」
などという妄言を一顧だにしない男の中の男である私は、ボンクラ自炊三原則を元に料理を語っていきたい。
非核三原則は「持たず」「作らず」「持ちこませず」だったが、ボンクラ自炊は
「安くて簡単」
「栄養たっぷり」
「味はともかく腹はふくれる」
この三つが原則だ。
前回は一人暮らしの大敵である野菜不足を安価でおぎなえる、ナベ料理を紹介したが、今回はご飯。
「白メシがないと食べた気がしない!」
という和な人のために、主にどんぶりものを紹介したい。
基本、メシにのっけるだけなので、今日のレシピはこれまでに増してシンプルでガテンである。
1.コロッケ丼。
中島らもさん推奨。アツアツのご飯にバターをのせ、そこにソースでビタビタにしたコロッケを投入。
さらにその上からご飯を足して、割り箸でつきくずしながら食べる。
アブラたっぷりで腹持ちはバツグン。お好みでしょうゆなどを足してもグッド。
つけあわせは、キャベツを生のままバリバリ。
2.ツナトーフ丼。
アツアツご飯に、お豆腐とツナ缶をのせ、しょうゆをかけ、グリグリっとかきまぜて食べる。
辺境作家の高野秀行さん曰く、
「メシを食ったー、という気にさせられるメニュー」
マヨネーズやカツブシをまぜてもイケる。
というか、男のガテン飯は基本、なにを入れてもいいのだ。
そういえば、さくらももこさんの『ちびまるこちゃん』にも、
「シーチキンのしょうゆがけは世界で一番おいしいねえ、おじいちゃん」
というステキなセリフがあった。
3. 白身だけかけ生卵ゴハンと黄身だけかけ生卵ゴハン
東海林さだおさん推奨のメニュー。
卵かけごはんといえば、安価で簡単レシピの極北だが、ここではちょっと一工夫してみる。
作り方はなんてことなく、卵を割ったあと、それをかき混ぜずに白身と黄身を別の椀に盛る。
で、それぞれにご飯を入れて、しょうゆをかけてグリグリ。
見事「白身だけ」と「黄身だけ」の生卵ゴハンのできあがり。
というと、
「黄身はともかく、白身だけの卵かけごはんなんておいしいの?」
とか、あまつさえ「キモチワルイ」という意見も出てくるかもしれないが(私も最初はそう思った)、これがやってみると意外なウマさで病みつきに。
黄身は想像通りとして、白身の方はショージ君の筆によると、
「淡白でゆるゆるとして、お茶漬けの味わい」
あっさりして、おいしいのです。
黄身の方は半分は普通に食べて、残りの半分にはバターを入れるとリゾット風になって美味です。
4. チュニジア風サンドイッチ。
オレは米じゃなくパン派だという人には、サンドイッチがいい。
料理に造詣の深いコラムニスト、玉村豊男さんの本から。
フランスパンの太いヤツをタテにナイフで切り、その中身をむしりとる。
二つに割って、空いたところにたっぷりとオリーブオイルをたらす。
そこにレタス、トマト、タマネギ、油を切ったツナ、オリーブを入れ、再びオリーブオイルをかけて、パンでフタをする。
これでできあがり。
ヘルシーでおなかもふくれる。
パンが固いせいでアゴがつかれるし、口の中の上の部分がめくれてベロベロになるけど、うまし。
(続く→こちら)