山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

美味し街に遊ぶ

2011-04-24 22:56:58 | 川飯.B級グルメ
ある日の夕方、鎌倉の仕事が終わった僕は藤沢行きの江ノ電に揺られておりました。
車窓からは今まさに夕日が沈みゆこうとする湘南の海がそれはそれは美しいものでした。

なんとなく感傷に浸っていた僕の隣では、あろうことか二人の女子高生がおもむろに
鶏のから揚げにかぶりつき始めたではありませんか。これから釣友の地元で
旨いヤキトリを肴にイッパイやろうとしている僕にはなんとも罪深い匂いであった訳で、、、、。

1年半ぶりに会う釣友は、実は僕の師匠でもある訳で、、、、。







午後6時だというのに、奥に長~いお店の中は地元の呑兵衛たちの喧騒に満たされて
良い雰囲気を醸しているのです。僕はあの女子高生のから揚げの匂いから逃れるように
ヤキトリにかぶりついては相州の旨い地酒を味わい、あまりに旨くて止まらなくなるほどでした。



 



1軒目で出来上がっていた僕は、2軒目のお店で完全に壊れた状態であったのですが
僕の師匠はまるで鎌倉の大仏様のように泰然自若としているのに驚くばかりです。

僕が渓で遊ぶとき、食と酒と昼寝の渓飲渓食スタイルに変わったのは実は彼の影響が大きいのです。
彼に出会った5年前、すでに僕は釣り中心から食と酒中心の遊びに変わり始めていたわけですが
その遊びのスタイルと哲学を確固たるものにしてくれたのが彼であったという訳なんですね。

いま彼の遊びは釣りから旅へと変遷しています。
各駅停車の列車に揺られながらカップ酒を舐め、寂れた土地を訪ねては土地の人と語り
古い暖簾をくぐっては土地の食と酒を楽しむ彼独特の旅の形を作り上げているのです。



 


この夜、しこたま酔いたかった僕は自発的に終電車に乗り遅れホテルで一夜を過ごす羽目になりました。
師匠には大変な散財をかけてしまいましたが不健康な夜もまた実に楽しいものでございます。
また6月、次回は病気持ちの体を労わりながらチビリチビリと大人の呑み方を致しましょうかね(ムリか?)







さて、日曜日。
快晴の温かい日は健康的な野遊びも楽しいものです。
都会と田舎が混在する八王子の竹林で一日を遊ばせて頂きました。







熊さんのテリトリ-にはタケノコがにょきにょき、そそられる光景ではありませんか?





 


ほんの30分で12本の収穫、相変わらず熊山は裏切りません。


この竹林、春蘭や山椒も自生する手つかずの自然がそのまま残っているのです。

 
 




竹林で摘んだ山椒の若芽とニンニクスライスを添えたカツオ、これは旨かった!
熊さん自作のナイフ、切れ味のよいナイフは料理が楽しくなるのです、今度は是非僕にも作ってくんさいね。








たった30分とはいえ一仕事の後の山飯、これがいいのです。
やっぱり野遊びのメインは山飯山酒、これに限りますね。







2時間ほどの昼寝のあと、帰る道すがらまたまた2本発見してしまいまして、、、、。



 



今回のトロフィサイズは息子の嫁が手にしたということで、めでたしメデタシの一日でございました。






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岐阜蝶の舞う山

2011-04-17 23:05:56 | 山歩き.散歩
今日はふる里の春祭り。
石砂山の登山口で作業をしているH君に会った。
一級先輩のH君は相変わらず真っ黒に日焼けして60歳とは思えないほどエネルギッシュだ。

『久しぶりぢゃんかあ、岐阜蝶かよ?』『あぁ、今日あたりいいかと思ってさあ』
『おうよう、今日は温かいからイッパイでてるよ、山頂の下にベンチを作っておいたからさ、使ってくれよ』
そんな会話を交わして歩き始めた、幼馴染は良いものである。








今回は岐阜蝶が初めてというオ-ちゃんを誘った。
心臓の手術も癒えたのか平坦な道だけは軽快に歩いていた。







この山は600mに満たない低山のためヤブレガサや一人静かが山頂直下までそこここに群生している。



 
 




日帰りだというのに32Lの僕のザックはアルコ-ルと酒肴が満杯で少々重くなっていた。







咲く花に出会うたびにオ-ちゃんは立ち止まってカメラを向ける。
赤紫色に咲き誇るミツバツツジはこの山では一番華やかで美しい。



 



造園家のH君の仕事は丁寧でしかも美しい。







初めて見るという春蘭にオ-ちゃんは釘づけになってカメラを向けていた。
可憐で凛とした春蘭が僕はこの山で一番好きな花である。
伏馬田(ふすまだ)ル-ト、登山道から少し山に入れば春蘭がまだたくさん残っている。



 





仕事道として100年以上も前から踏み固められたこの道は足に馴染んで歩きやすい。








さあ、もう少しだ!



 





うひゃあ、山頂にはすでに20人を超える中高年登山者であふれかえっていた。
僕とオ-ちゃんはテ-ブルに酒肴を広げる、乾いたのどに冷えたビ-ルが心地よい。
今日は土曜日、20人ほどが山頂を下りるとまた20人ほどがやってきて喧騒が絶えない。
みな口々に、飛んでばかりいるから写真が撮れないと嘆きながら山を下りて行く。



 




今日はめずらしく春の女神の乱舞に出会えた。
でも、舞姫たちは気まぐれである。
ビ-ルをやりながら、ほろ酔い始めるころにようやくシャッタ-チャンスがやってくる。
ビ-ルのお蔭で舞姫の美しい姿が収められた、いずれ一眼のハイスピ-ドで飛翔する舞姫を収めてみたい。



 
 

 




山頂から外れて藪の中に入ってみた。








静かに羽を休める舞姫がそこにいた。




 




モミジイチゴやスミレの蜜を吸っている舞姫に出会うこともよくある。








充分に満たされた僕たちはH君の作った山頂直下のベンチで2度目の酒宴に突入である。









そして2時間、ふたり肩を並べて眠った。
山で眠るひと時がなんとも心地よいのです。









そして連休が過ぎ春の女神の終焉とともに
この山にもまたいつもの静けさが訪れる。







皆さんも是非、石砂山の舞姫に会いに来てくださいませ!






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美味しきかな春!

2011-04-10 22:23:41 | 自然薯 山菜
八王子山の熊さんから緊急連絡が入りましてね。

”タラの芽がヤバイっすよ”
そんな連絡を受けてじっとしていられるほど僕はまだ大人になりきってないですからね。










タラの芽は桜の満開から1~2週間が摘みごろと言われておりましてね
今ちょうど桜が満開、なのでセオリ-からすると摘みごろは来週かと思っていたらとんでもない。

どうですかこれ、美しいじゃありませんか!
このくらい開いたものが実は食べごろなんですね。
タラの芽独特の味もの臭いも強くなり実に美味しくなるのです。








あっという間に一番芽だけを10本収穫。
山に精通した相棒の存在は実にありがたいものでございます。

それにしても八王子山恐るべし!
僕のふる里の藤野の山も津久井の山も立ち枯れたタラの木が無惨な姿を晒しています。








どうですかこの型揃い?
これはもう、黒部の峪で尺上イワナを10本揃えたような恍惚に浸ってしまいましたね。









もちろん今夜の膳はタラの芽の天ぷら。
少し前に誕生日を迎えた僕は、息子夫婦から芋焼酎『甕仙人』と焼酎サ-バ-を
羽生市の木村先生からは『越乃寒梅』をプレゼントされておりまして。








『越乃寒梅』はまさに、銘酒水のごとし!
すっきりとかつ深みのある『甕仙人』
この対極にある銘酒2品と芳しき春の恵みがあいまって
それはそれは幸せなひと時を味あわせて頂いた次第です。



 



美味しきことは幸せなことなり!
自然の恵みもまた素晴らしきことなり!



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春の野に出でて、、、

2011-04-03 16:46:53 | 自然薯 山菜
食べたさに 春の野に出でて若菜摘む
          我が足腰の 痛みに耐えつつ



2月に雪の山を歩いて以来ほぼ6週ぶりに野遊びが実現しました。
取り立てて自粛していた訳でもなく只々忙しかっただけのことでございます。

ここは八王子のとある里山
やわらかいセリの若芽と藪甘草、ちょっと開き過ぎたフキノトウの楽園なのです。

八分咲きの桜の下でひとしきり野草を摘んだのですが
腰を屈めての草摘みはナマった体にはきつくて足腰が痛いのなんのって、、、。
(ちなみにこの写真は僕ではありません)









それでも温かい春の日差しの中での野遊びは格別の感があるのです。









ひとしきり野草を摘んだら、林道を更に奥へと進んで山飯と言うよりも山酒です。









蕗の薹のキンピラは開きすぎた方が旨いのです。
さっと湯がいて少しだけ灰汁をとって醤油と一味で炒めますと
ほろ苦さとエグ味がなんとも言えぬ風味を醸す訳で酒の伴には欠かすことができません。









カツオのブロックは、半分をニンニクと醤油でづけに、
山で喰らう刺身もなかなか乙なものでございます。
藪甘草はさっと湯がいて酢味噌和え、自然の甘さがとても引き立つのです。








缶チュ-ハイに25度の焼酎爆弾をガンガン投入すると、最後は必ずこうなるのです。

下山する登山者はこの姿を見てどう思ったことでしょうか?
酒呑みを軽蔑するのはやめましょうね。
酒呑みには酒呑みの事情と楽しみ方があるのですから、、、、。







今日の収穫です。
やわらかいセリの若芽のお浸しとセリ汁が体に染みわたるのです。








春の恵みはまだ始まったばかりです。
この季節は釣りよりも山遊びの方が断然面白いですね!



コメント (26)
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