『心臓への一撃』(写真右)
豊かとはいえない土の上に立つ薔薇、周囲の曇天、混濁の彩色に比してこの薔薇と葉は鮮やかである。その枝から生え出たような鋭利な短剣が描かれている。
鋭利な恐怖心をそそる短剣の突先は『心臓への一撃』を即物的に想起させるものであり、具体性を持っている。
赤く明確に描かれた薔薇からは強い主張が感じられ、雄々しいが孤立した風情は他者を寄せ付けない緊張感に満ちている。
薔薇の持つ棘(短剣)は他者を攻撃するだろうか、自己防衛でもあるし、他者への強く切ない情熱とも思える。
『心臓への一撃』は必ずしも攻撃を意味せず、《愛》を叫んでいるのかもしれない。
(愛するあなたへの一撃)
『心臓への一撃』は、どんな逆境にも打ち勝つ、愛と憎悪を裏腹にもつ鋭利な武器である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
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ネットでこちらで掲載されているお写真を見つけ、コメントさせていただきました。
「国立新美術館『マグリット』展・図録」というのは、販売されていたものでしょうか?
こちらの記事がきっかけで浜田さんの他のブログを見たのですが、漫画がとてもお上手で、ほのぼのしている絵が可愛いな~と思いました。
また時々拝見しに来ますね♪