続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

人の眼。

2013-03-23 07:15:45 | 日常
 わたしのところは、公園墓地に近いのでお彼岸の頃にはかなりの人たちが行き交う。天気のいい日などは散歩がてらという感じでごく気楽に楽しそうな風情さえ感じる。
 ふと、見るということは見られているということでもあることに気づく。

(あら、まだ来てないのね)という人の眼が怖いので、必ず二日ほど前には花とお線香を持参してお参りに行く。
 つくづく人の眼に助けられている。
 もし人の眼がなかったら・・・わたしの生来のだらしなさから推し量ると、お墓や仏壇を粗末にするのではないかとも思う。
「お父さん、お母さん。逢いに来ましたよ」という感慨より、行かねばならないという義務感が先行するようでは人として失格でだし、何より恥ずかしい心根。
 自分の中の薄い人情を思うとき、何かひどく自身が哀れになる。


 二人の息子には「お母さんが死んでも泣かなくていいよ。お母さん、いつ死んでもいいと思っているし、後悔もない。死んだら一刻も早く忘れてね」と言ってある。


 わたしのDNAを継ぐ息子たち、やっぱり人の眼を気にして・・・気にしなくていいからね。(どうしてこんなに淋しい考えになってしまったんだろう)

 人の眼に助けられ、普通の顔を装っているわたし。

『セロ弾きのゴーシュ』36。

2013-03-23 06:51:03 | 宮沢賢治
「どうだい。ぐあいをわるくしないかい。舌を出してごらん」
 猫はばかにしたようにとがった長い舌をペロリと出しました。

 舌はゼツと読んで、絶。
 出してはスイと読んで、推。
 猫はビョウと読んで、病。
 長いはチョウと読んで、重。
 舌はゼツと読んで、舌。
 出してはスイと読んで、推。

☆絶(断ち切る)衰え、舌(言葉)を推(前に押し出し)病の重さを絶(なくすように)推(すすめる)。

『城』1221。

2013-03-23 06:24:19 | カフカ覚書
役人としての彼に会おうちすれば、どうやらわたしなんか入れてもらえそうにもない彼の事務所、つまり、城中か、これはどうも疑わしいのですが、例の縉紳館の一室で会うしかないのです。ところが、私人としてなら、家のなかであろうと、街頭であろうと、彼と会えるところなら、どこででも会うことができます。

 事務所/Bureau→Bulle/封印された文書。
 役人/Beamt→Band/束縛。
 縉紳館/Herrenhof→Heerr Hof/こちた、虚無。
 街頭/Strasse→Strafe/罰。

☆束縛されている彼に、いま会おうとしても多分立ち入ることはできません。彼の封印された文書との対話、つまり終幕(死の手前)の荒地、疑わしいけれど虚無のこちらで会うしかないのです。ところで、私人としてなら一族としてでも、罰を受けることでも、到るところで上手くやっていくことができます。