この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

バンク・ジョブ。

2008-12-14 13:49:23 | 新作映画
 ジェイソン・スティサム主演、『バンク・ジョブ』、12/13、シネテリエ天神にて鑑賞。2008年56本目。

 事実は小説より奇なりといいます。
 事実は小説よりも往々にして奇妙であり、だからこそ面白い、という意味なのだと思いますが、個人的にはそんなこともないだろうと思っています。
 自分が一番面白いと思う映画は『ショーシャンクの空に』ですが、あれは元々スティーブン・キングの頭の中で創作されたお話ですしね。
 このお話は事実を元にしているのだといわれたら、確かにインパクトはありますが、結局それだけのことであり、最終的な面白さとは必ずしも繋がらないんじゃないか、そう思うのです。

 映画『バンク・ジョブ』は実際に起こった銀行強盗事件を元にしています。
 だからでしょうか、観終わった後の爽快感みたいなものは感じられませんでした。
 銀行強盗を無事成功させた主人公たちが、貸し金庫の中にあったヤバいもののために、警察だけでなく、MI5や裏社会の顔役からも追われる羽目に陥ります。
 これがフィクションであれば、主人公たちはギリギリで危地を脱し、見事三者の裏をかいて無事全員逃げ切る、みたいな終わり方をしていたでしょう。そういう安直なハッピーエンドであれば、観終わった後に何も残らないかもしれませんが、観終わった直後はスカッとした気分になれるに違いありません。
 しかし『バンク・ジョブ』は何せ事実を元にしているもので、仲間たちが一人、また一人と消されていくんですよね。
 最終的に主人公を含め何人かは生き延びるわけなんですが、犠牲も多いので、観終わった後、あぁ、面白かった!!スカッとした!!とは単純には思えないわけです。

 とはいえ、それが悪いといってるわけではありません。
 こんな奇天烈な銀行強盗事件が英国では実際にあったのか!!というインパクトはありましたから。
 ただ、スカッとした気分になれる映画を観たいという人には本作は薦められないというだけのことです。

 それと、ジェイソン・スティサム主演の映画ってラストで主人公が南の島とか南の土地とかとにかく南に逃げて終わるという作品が多いような気がするんですけど(dimさんにいわれて気づきました)、本作でもやっぱり最後は家族揃って南の海でクルージングを楽しんでましたよ。本当にスティサムって南が好きなんだなぁと思いました。笑。

 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

 次回鑑賞はキアヌ・リーブス主演『地球が静止する日』(12/18公開)の予定です。
 いよいよ本年もこれで打ち止め、かな? 
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6 コメント

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地球が静止する日! (マリーコ)
2008-12-14 14:26:53
キアヌ・リーブス映画のデジャブ3部作目になりそうですね(^^;

マトリックス・コンスタンティン・そしてこの作品。

でも地球滅亡映画好きとしては観に行きたい作品です!
(ロボットは出てなさげだし(^^ゞ)
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見たんだぁ~ (dim)
2008-12-14 14:45:17
Jスンファンの私としてはこれも観たい映画なんですけど近場ではやってないんですよね(涙)。
しかしまた南の島かぁ…。今度は日本の秋葉原で買い物なんてパターンも意外性があって面白いと思うけど(笑)。
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Unknown (shit_head)
2008-12-14 15:28:46
ジェイソンさんは、南の島似合わないですねー。

どっちかとゆーと、ロシアとかシベリアとかですよ。

『バンク・ジョブ』は見れないなぁ。

事実でも、創作でも何でもいーけど、オモシロく作ってくれればオッケーですよね?
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コメント、感謝です。 (せぷ)
2008-12-14 21:54:16
マリーコさん、dimさん、shit_headさん、コメント、感謝です。

>マリーコさん
>キアヌ・リーブス映画のデジャブ3部作目になりそうですね
デジャブ三部作って言葉は初めて聞きました。
キアヌの役どころが似通っている、という意味でしょうか。
っていうか、マリーコさんは『コンスタンティン』、ご覧になったのですね。
あれ、結構グロくなかったですか?マリーコさんってホラー系の作品って駄目じゃありませんでした?

あと、『地球が静止する日』にはロボットが思いっ切り出てくると思いますよ。
オリジナルの『地球の静止する日』には巨大ロボットが出てくるので・・・。

>dimさん
あれ、dimさんのところでは『バンク・ジョブ』、上映している映画館が近くにないのですか?
自分はdimさんのことを、都会に住んでると単館ロードショーは九州より早めに観れていいな~って思ってたんですけど、必ずしもそうじゃないんですね。

ジェイソンは南好きの法則、本作でも顕在でしたよ。
もしかしたら、そういう脚本の作品にだけ出演しているのかもしれませんね。笑。

>shit_headさん
ジェイソンには確かに南の島は似合わないですよねぇ。
特に本作では最後、海の中からガバッと現われちゃったりするので、視線が一点に固定されてしまいます。笑。

>事実でも、創作でも何でもいーけど、オモシロく作ってくれればオッケーですよね?
もちろんですよ。
ただ本作に限っていえば、事実を元にしていることが足かせになっているような気がしました。
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Unknown (アイマック)
2008-12-14 23:03:53
こんばんは!TBどうもありがとうございました。
あっけなく殺されるシーンもあって、そこは事実の重みなんでしょうね。
銀行強盗、娼館、王室スキャンダル、汚職・・・と、なかなか興味ある題材でおもしろかったです。
ジェイソン・スティサム、南と相性がいいのですね。笑
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こんばんは~。 (せぷ)
2008-12-15 22:19:54
こんばんは~、アイマックさん!コメント、ありがとうございます。

事実を再構築しようとする、製作者の生真面目さには非常に好感が持てました。
スクリーンから七十年代の雰囲気が漂ってきましたよね。
あまりにテキトーな製作姿勢の映画製作者にはこの生真面目さを見習って欲しいです。

ジェイソン・スティサムの南への逃亡率はハンパじゃないですよ。おそらく子供のころ、よほど寒くじめじめとした土地で育ったに違いありません。笑。
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