この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

やっぱり受け入れ難かった映画『ボーダーライン』。

2016-04-11 20:50:26 | 新作映画
 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、エミリー・ブラント主演、『ボーダーライン』、4/10、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2016年10本目。


 世間的には評価が高いけれど、その良さがイマイチわからない映画監督がいます。
 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がまさにそうですね。
 彼の商業長編映画第一作、『灼熱の魂』は劇場まで観に行きました。
 ラストで明かされる真相は衝撃的ではあるけれど、よくよく考えるとそれってありえないよね?と思える類いのもので、衝撃的な真相以外何もないといっていい映画であるのに、その真相自体ありえないとなると高く評価しようがないです。
 続く第二作『プリズナーズ』も観ていて本当にイライラしました。
 娘を誘拐された父親が容疑者を攫ってきて苛烈な拷問をして娘の居場所を聞き出そうとするのです。
 そこまではまぁいいです。
 でもいざ真犯人と対峙した時やたら紳士的な態度を取るのです。
 いや、そこは容疑者以上に真犯人をボコボコにした上で娘の居場所を聞き出すべきなのでは?と思いましたよ。
 そうじゃないと筋が通らないし。
 第三作『複製された男』は難解とのことでスルーしたのですが、最新作であるこの『ボーダーライン』はヴィルヌーヴ監督との相性の悪さが気になりつつも、前評判のよさについムビチケを買ってしまいました。

 メキシコとの麻薬戦争を題材にした映画です。
 題材が題材だけに、うわっ、エグっ!と思える描写も多々あります。それはいいんです。
 突発的に始まる銃撃戦も迫力があっていいと思います。
 エミリー・ブラント演じる女性捜査官の青臭い正義感も嫌いじゃないです。
 でもクライマックスの、謎の男アレハンドロが麻薬王の自宅に乗り込んでからの展開は受け入れられませんでした。
 アレハンドロが無双過ぎるんですよ(もしくは麻薬王の自宅の警備が手薄過ぎ)。
 自分もアクション映画において主人公がデタラメに強いのは嫌いじゃないです。むしろ大好物です。
 でもこの『ボーダーライン』はそういう映画じゃなくて、強いて言えば社会派サスペンスですよ。
 そこにアレハンドロのような、チャック・ノリスか、スティーブン・セガール並みにアホみたいに強い奴がいたら作品のバランスそのものを崩しかねないと思うんですけどね。
 何となく、(麻薬)戦争は不毛だ、けれどこれからも延々と続くであろう、みたいな終わり方だったんですけど、アレハンドロ一人いれば、三、四年で世界の麻薬カルテルはすべて殲滅させられるのでは?と思いましたよ。

 たぶん世間的には高い評価の映画だと思います。
 でも自分的にはダメでした。
 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の作品は今後観ないようにしたいです、、、といいつつ、『ブレード・ランナー』のリブート版を撮るらしいんだけどね、この人。
 さてさてどうしようか、悩ましいです。


 お気に入り度★☆、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
 
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