吉高由里子主演、前田弘二監督、『婚前特急』、5/8、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2011年14本目。
池下チエ24歳、5人の男と同時に付き合う恋多き女。
恋多き女というとカッコいいが、ま、わかりやすく言い換えるとヤリマン。笑。
何しろ初登場時、駅のホームで別れ際、年下の大学生野村に「今日は帰ってゆっくり寝た方がいいよ」と耳元で囁くのだ(その後二人は人目を気にせず熱烈なチュー)。
つまり二人は昨晩やりまくってたってこと。
もちろんチエは他の4人ともやりまくっている。
パン工場の工員田無とはチエの部屋で、美容室のオーナー三宅とは旅行先で、バイクショップを経営する出口とは温泉で、バツイチの西尾とは(おそらく)彼の部屋で。
一週間が七日しかないから五人の男としか付き合っていないが、一週間が十日であれば八人と、一週間が百日であれば九十人と付き合うであろう池下チエ24歳なのだが、友人の結婚式をきっかけに結婚に興味を持つ。
付き合うのは同時に何人とでも出来るけど、結婚は一人としか出来ないじゃん!ってことで、試しに五人のうち付き合っていくのに最もメリットがない田無に別れ話を切り出すのだが、彼から、俺たち付き合ってないよね?身体だけの関係だよね?という驚愕の事実を突きつけられる。
かくしてチエの、自分のプライドをズタボロにした田無への、しょーもない復讐が始まるのだった…。
えー、可愛い女の子が好きです。
いや、好きです、って言葉では収まらないですね。
大好きです。
大大好きです。
大大大好きです。
大大大大(以下略)。
しかし、自分の可愛さを自覚していて、さらに自分は可愛いんだから何をしても許されるのだと考える女の子は嫌い(まぁ確かに世の中可愛い女の子って何をしても大抵のことは許されるのだけれど)。
死ねよ、とまでは思わないけど、交通事故に合って(以下自主規制)。
池下チエってそういう女の子なんですよ。
ヤリマンで高慢。
とても共感できるタイプじゃないし、お友だちにもなりたくない。近くに来て欲しくない。出来るだけ不幸になって欲しい。
でも、映画を観ていると、いつの間にかチエの恋の行く末を見守っている自分がいるんですよねぇ。
嫌いなタイプのはずだったのに!!不幸になって欲しいって思っていたのに!!
たぶんそこら辺が作り手の上手さなんでしょうね。
誰が観ても嫌いなタイプをあえてヒロインに持ってきて、彼女が本当に大切なものは何かを気づかせることによって、観る者に共感させる。
上手いなぁと思いましたよ。
センスの良さも光りましたね。
パン工場の社長令嬢に告白するためのアドバイスをチエに求めた田無は、ギターでも弾いて愛の歌でも歌えば!!という彼女の投げやりなアドバイスを真に受けます。が、ギターを弾けない彼は告白の際、別のものを用意するんです。これは受けたなぁ。ギターの代わりに彼が用意したものは何か、劇場で是非確認して欲しいです。
あと、作品づくりへのこだわりも強く感じられました。
最近は世間体を気にしすぎる映画監督が多いんですよ。
例えば、『○丁目の夕日』という作品で、ビールを二、三杯引っ掛けた医者が、乗ってきたバイクを押して帰るシーンがあります。
いやいや、昭和二十年代に、そんなことを気にする人間はいなかったから!!
現代では確かに飲酒運転は許されざる行為ですし、自分も飲酒運転をする人間は死ね!と思いますけど、だからといって流れ的に飲酒運転をして然るべきシーンで、それをしないというのは、やはり作品としておかしいんですよね。
それがこの映画ではワインをがぶ飲みしていたチエがスクーターを爆走させるシーンがあって、うわ~、この監督、日和ってないなぁと感心しました。
本作は一人のヤリマン女の暴走コメディとしてもよく出来ていて、観るだけでも単純に楽しいんですが、自分はむしろ日本映画界に新しい才能が現れたことを嬉しく思えました。
本公開からしばらく経って、上映している映画館も少ないと思いますが、機会があれば是非一人でも多くの人に観て欲しいと思います。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
池下チエ24歳、5人の男と同時に付き合う恋多き女。
恋多き女というとカッコいいが、ま、わかりやすく言い換えるとヤリマン。笑。
何しろ初登場時、駅のホームで別れ際、年下の大学生野村に「今日は帰ってゆっくり寝た方がいいよ」と耳元で囁くのだ(その後二人は人目を気にせず熱烈なチュー)。
つまり二人は昨晩やりまくってたってこと。
もちろんチエは他の4人ともやりまくっている。
パン工場の工員田無とはチエの部屋で、美容室のオーナー三宅とは旅行先で、バイクショップを経営する出口とは温泉で、バツイチの西尾とは(おそらく)彼の部屋で。
一週間が七日しかないから五人の男としか付き合っていないが、一週間が十日であれば八人と、一週間が百日であれば九十人と付き合うであろう池下チエ24歳なのだが、友人の結婚式をきっかけに結婚に興味を持つ。
付き合うのは同時に何人とでも出来るけど、結婚は一人としか出来ないじゃん!ってことで、試しに五人のうち付き合っていくのに最もメリットがない田無に別れ話を切り出すのだが、彼から、俺たち付き合ってないよね?身体だけの関係だよね?という驚愕の事実を突きつけられる。
かくしてチエの、自分のプライドをズタボロにした田無への、しょーもない復讐が始まるのだった…。
えー、可愛い女の子が好きです。
いや、好きです、って言葉では収まらないですね。
大好きです。
大大好きです。
大大大好きです。
大大大大(以下略)。
しかし、自分の可愛さを自覚していて、さらに自分は可愛いんだから何をしても許されるのだと考える女の子は嫌い(まぁ確かに世の中可愛い女の子って何をしても大抵のことは許されるのだけれど)。
死ねよ、とまでは思わないけど、交通事故に合って(以下自主規制)。
池下チエってそういう女の子なんですよ。
ヤリマンで高慢。
とても共感できるタイプじゃないし、お友だちにもなりたくない。近くに来て欲しくない。出来るだけ不幸になって欲しい。
でも、映画を観ていると、いつの間にかチエの恋の行く末を見守っている自分がいるんですよねぇ。
嫌いなタイプのはずだったのに!!不幸になって欲しいって思っていたのに!!
たぶんそこら辺が作り手の上手さなんでしょうね。
誰が観ても嫌いなタイプをあえてヒロインに持ってきて、彼女が本当に大切なものは何かを気づかせることによって、観る者に共感させる。
上手いなぁと思いましたよ。
センスの良さも光りましたね。
パン工場の社長令嬢に告白するためのアドバイスをチエに求めた田無は、ギターでも弾いて愛の歌でも歌えば!!という彼女の投げやりなアドバイスを真に受けます。が、ギターを弾けない彼は告白の際、別のものを用意するんです。これは受けたなぁ。ギターの代わりに彼が用意したものは何か、劇場で是非確認して欲しいです。
あと、作品づくりへのこだわりも強く感じられました。
最近は世間体を気にしすぎる映画監督が多いんですよ。
例えば、『○丁目の夕日』という作品で、ビールを二、三杯引っ掛けた医者が、乗ってきたバイクを押して帰るシーンがあります。
いやいや、昭和二十年代に、そんなことを気にする人間はいなかったから!!
現代では確かに飲酒運転は許されざる行為ですし、自分も飲酒運転をする人間は死ね!と思いますけど、だからといって流れ的に飲酒運転をして然るべきシーンで、それをしないというのは、やはり作品としておかしいんですよね。
それがこの映画ではワインをがぶ飲みしていたチエがスクーターを爆走させるシーンがあって、うわ~、この監督、日和ってないなぁと感心しました。
本作は一人のヤリマン女の暴走コメディとしてもよく出来ていて、観るだけでも単純に楽しいんですが、自分はむしろ日本映画界に新しい才能が現れたことを嬉しく思えました。
本公開からしばらく経って、上映している映画館も少ないと思いますが、機会があれば是非一人でも多くの人に観て欲しいと思います。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
昔=若い頃なら怒ってただろうな。何この女!って。
でも今は逆に共感(えー)しちゃうところがあったりもします。
みんなそれぞれに好きなんですよ。
1人に決めなきゃならないのはなんで?とか。
日本では絶対1人としかできない結婚なんて制度は人生の修行?
うーん。そんな風に思う私がおかしいのか。
おかしいんでしょうね(^^ゝあはは~
だから、相手のことが好きで好きで大好きだけど、でも子供を作るつもりは一切ないというのであれば、あえて結婚する必要はないのです。
なぜかというと、結婚というのは一般的に非経済的な行為なんですよね。
通常結婚することによって、それまで二つだった家計が三つに増えますから。
まぁどちらかの両親と同居する場合もありますが、それでも出費が増える、ということには変わりはないと思います。
それでもなお結婚することにメリットがあるとすれば、それはやはり子育てです。
子供は私一人でも生んで育ててみせるわ、というのはドラマでよく耳にするセリフですが、実際今の日本で非嫡出子を育てるのは非常に困難です。まぁ不可能だとまでは言いませんし、この先増えていくだろうなとは思いますが。
さて、マリーコさんの質問、結婚はなぜ一人としか出来ないか、というと、結婚における主人公というのは、妻でもなく、夫でもなく、これから生まれてくる子供だから、です。
子供が「パパ」や「ママ」と呼ぶ相手が二人以上いたら混乱しますからね。笑。
ですから、子供を作ることを前提としない恋愛においては、五人同時進行もまた許されるのです。
この答えで納得できましたか?