この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

結局何だかよくわからなかった『哭声/コクソン』。

2017-03-27 22:57:14 | 新作映画
 ナ・ホンジン監督、クァク・ドウォン主演、『哭声/コクソン』、3/25、KBCシネマにて鑑賞。2017年7本目。


《ストーリー》
 静かな山間の村コクソンで凄惨な殺人事件が立て続けに起こる。
 当初は毒キノコの中毒が引き起こしたものと見られていたが、時同じくしてやって来た日本人が関係しているのではないかという噂が村の中で流れる。
 怠け者の警察官ジョングは初めは乗り気でなかったものの、娘の身体に殺人犯と同じ湿疹を見つけ、その日本人と対決することとなる。
 果たして事件の真相は?日本人の正体は?

 先々週観損ねていた『哭声/コクソン』を土曜日に観てきました。
 先々週は何かのキャンペーンで鑑賞料金が1100円だったんですけど、土曜日は早朝割引とやらでやっぱり1100円でした。
 何だかわからないけれど、KBCシネマはよっぽどこの映画を推したいようですね。笑。

 『哭声/コクソン』の予告編を初めて見たとき「何だかよくわからないけれど凄そうな映画だな」という感想を抱きました。
 そして実際観ての感想はというと、「凄いのかもしれないけれど、よくわからない映画だな」でした。
 本当にわからないことが多い映画なんですよ。

 解釈を観客に委ねる映画があります。
 そういった映画は必ずしも嫌いではありません。作中で描かれなかったことを想像するのは決して嫌いではないので。
 ただ、解釈を観客に委ねはしても、作り手は自分なりの答えを用意しておきべきだ、と思っています。
 そうでなければどう考察したところで正しい答えにはたどり着けませんから。
 解釈を委ねることは作品作りで手を抜くことではないはずです。

 しかしこの『哭声/コクソン』において正しい答えが用意されているようにはとても思えません。
 それぐらい相反する事象や疑問がいくつもあるのです。
 ネタバレになって恐縮ですが、それらを挙げていくと、
1.日本人の家にあった写真を祈祷師が持っていたということは祈祷師と日本人がグルだった、ということを示すのだと思いますが、であれば、中盤で祈祷師が日本人に対して呪詛をしていたことは何だったんでしょうか?日本人はのたうち苦しんでいたけど。呪詛がフェイクであったなら、日本人が苦しむ必要はなかったと思うんですが。誰も見ていないのだし(観客を除いて)。
2.白い服の女に追い返された祈祷師はなぜ一度ソウルに向かって車を走らせたんでしょうか。結局村に戻って写真を撮るのであれば、ソウルに向かう必要はないのに。
3.結局白い服の女は最後何をしたかったんでしょうか。ジョングに鶏が三度鳴くまで家に戻ってはいけないと忠告しますが、ジョングがその忠告を守ったとしても結果は何も変わらないと思うのだけれど。また足元に落ちていた髪留めの意味は?
4.結局日本人は何がしたかったの?殺人事件を引き起こしたのが彼だとしてもその理由が皆目見当つかないのだけれど。
 まだあるのだけれど、とりあえずはこれぐらいで。

 作中様々な謎がふりまかれ、伏線と思しきシーンが続き、最後の最後に意外な真相が明かされるのだけれど、自分にはそれらが有機的に繋がっているようにはとても思えませんでした。
 筋が通った説明がつかないミステリーは作り手の手のひらで踊らされているような気がして非常に不愉快です。
 まぁ自分の理解力が及ばないだけかもしれませんが。


 お気に入り度★★、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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