マーク・ウォルバーグ主演、アントワン・フークア監督、『ザ・シューター/極大射程』、Tジョイ久留米にて鑑賞。
二〇〇七年六月の怒涛の映画攻勢、その第一弾が『ザ・シューター/極大射程』。
新潮文庫から刊行されている原作はスナイパーを主人公にした冒険小説として、最高峰といっていい。まさに巻置くを能わずという言葉が相応しい傑作である。
その映画化を第一報を、そして主人公ボブ・リー・スワガー役にキアヌ・リーヴス(!)が予定されていると目にしたとき、文字通り目を疑ったものだ。
原作のボブ・リー・スワガーは一言で表すならばストイック、である。優男の感のあるキアヌではイメージが違い過ぎるのも甚だしい。
では誰がボブ・リー役に相応しいか、個人的なイメージではチャック・ノリスかチャールズ・ブロンソンといったところだろうか、、、まぁブロンソンは死んでしまったし、ノリスはどこにいったか知らないが、ともかくボブ・リーはストイックだし、さらに言えばオッサンである。何しろ相棒であるニックを坊や扱いするのだから。
時を経て、冒険小説の傑作は映画化され、無事公開と相成った。
主人公役は幸いにしてキアヌではない、が、ノリスでもなく、ましてやブロンソンでもない、ウォルバーグである。
ウォルバーグといって思い出すのは『ミニミニ大作戦』だ。
話は横道にずれるが『ミニミニ大作戦』といえばその邦題のダサさに定評がある。ケチをつけるのは勝手だが、であれば代案を提示するべきだろうと思う。『ミニミニ大作戦』っていう邦題は悪くないと思うけどな。少なくとも原題の『The Italian Job』の方がおかしいだろう。物語の舞台は後半イタリアではないんだから。
話を戻す。
で、ウォルバーグからストイックさを感じるかどうかはまぁ人それぞれだとは思うが、オッサンという感じは誰も受けないだろう。
というわけで、このキャストが決定した時点で同時に原作と映画はまったくの別物だということも決まったも同然だと思う、、、思うがやはりどうしても二つを比べてしまうのが原作ファンの悲しい性(さが)である。
映画は決して悪い出来ではない。というか、こと銃器描写、狙撃シーンに関して言えばこれ以上望むべきもないだろう。
しかし、原作が超一級の娯楽小説の傑作だったのに比べると映画はどうしても不満を覚えた。
まず、映画を観ていて個人的に嫌だな、と思ったのはボブのかつての相棒であるドニーの未亡人、サラ(原作ではジュリー)に人を殺めさせている点だ。それも二人も。原作ではそういったシーンはない。あえて彼女に手を汚させる必然性があったのか、、、その点で原作を改変する必要はないように思う。
二つ目。原作で秀逸だったのは、それまで散々人を殺しに殺しまくっていたボブがその幕引きにあえて裁判を利用する、展開の意外さだ。原作が単なるよく出来た冒険小説ではなく、年度を代表する最高傑作という評価を得るに到ったのは、その静と動のコントラストの見事さによる。
残念ながら映画にはそれがない。
似たようなシーンはあるが、映画では結局司法の手の及ばない悪をボブが個人的な制裁を加える形で終わっている。これでは残念ながら原作で得られたようなカタルシスは望めない。
といった感じで原作に比べるとどうしても二、三、不満点はあるものの、単純に一本のアクション映画として観た場合、『ザ・シューター/極大射程』は及第点は十分与えられる出来だと思う。
まずは六月攻勢、上々の出だしといってよいと思う。
二〇〇七年六月の怒涛の映画攻勢、その第一弾が『ザ・シューター/極大射程』。
新潮文庫から刊行されている原作はスナイパーを主人公にした冒険小説として、最高峰といっていい。まさに巻置くを能わずという言葉が相応しい傑作である。
その映画化を第一報を、そして主人公ボブ・リー・スワガー役にキアヌ・リーヴス(!)が予定されていると目にしたとき、文字通り目を疑ったものだ。
原作のボブ・リー・スワガーは一言で表すならばストイック、である。優男の感のあるキアヌではイメージが違い過ぎるのも甚だしい。
では誰がボブ・リー役に相応しいか、個人的なイメージではチャック・ノリスかチャールズ・ブロンソンといったところだろうか、、、まぁブロンソンは死んでしまったし、ノリスはどこにいったか知らないが、ともかくボブ・リーはストイックだし、さらに言えばオッサンである。何しろ相棒であるニックを坊や扱いするのだから。
時を経て、冒険小説の傑作は映画化され、無事公開と相成った。
主人公役は幸いにしてキアヌではない、が、ノリスでもなく、ましてやブロンソンでもない、ウォルバーグである。
ウォルバーグといって思い出すのは『ミニミニ大作戦』だ。
話は横道にずれるが『ミニミニ大作戦』といえばその邦題のダサさに定評がある。ケチをつけるのは勝手だが、であれば代案を提示するべきだろうと思う。『ミニミニ大作戦』っていう邦題は悪くないと思うけどな。少なくとも原題の『The Italian Job』の方がおかしいだろう。物語の舞台は後半イタリアではないんだから。
話を戻す。
で、ウォルバーグからストイックさを感じるかどうかはまぁ人それぞれだとは思うが、オッサンという感じは誰も受けないだろう。
というわけで、このキャストが決定した時点で同時に原作と映画はまったくの別物だということも決まったも同然だと思う、、、思うがやはりどうしても二つを比べてしまうのが原作ファンの悲しい性(さが)である。
映画は決して悪い出来ではない。というか、こと銃器描写、狙撃シーンに関して言えばこれ以上望むべきもないだろう。
しかし、原作が超一級の娯楽小説の傑作だったのに比べると映画はどうしても不満を覚えた。
まず、映画を観ていて個人的に嫌だな、と思ったのはボブのかつての相棒であるドニーの未亡人、サラ(原作ではジュリー)に人を殺めさせている点だ。それも二人も。原作ではそういったシーンはない。あえて彼女に手を汚させる必然性があったのか、、、その点で原作を改変する必要はないように思う。
二つ目。原作で秀逸だったのは、それまで散々人を殺しに殺しまくっていたボブがその幕引きにあえて裁判を利用する、展開の意外さだ。原作が単なるよく出来た冒険小説ではなく、年度を代表する最高傑作という評価を得るに到ったのは、その静と動のコントラストの見事さによる。
残念ながら映画にはそれがない。
似たようなシーンはあるが、映画では結局司法の手の及ばない悪をボブが個人的な制裁を加える形で終わっている。これでは残念ながら原作で得られたようなカタルシスは望めない。
といった感じで原作に比べるとどうしても二、三、不満点はあるものの、単純に一本のアクション映画として観た場合、『ザ・シューター/極大射程』は及第点は十分与えられる出来だと思う。
まずは六月攻勢、上々の出だしといってよいと思う。
6月は本当に楽しみな作品が多いですよね。
まずは映画の日に公開のこの「ザ・シューター」!
単純に見れば面白かったです。
でも、多分原作はもっと面白いんだろうな~と予想できました。
マークの「ミニミニ大作戦」は好きな映画です(笑)
主役にしては地味系ですが、この映画には適役だったかも。
キアヌはスナイパーという感じがしませんから~。
ミニミニ大作戦はまずまずでしたかねぇ。ノートンが頭悪い役でガッカリでした。
やっぱウォールバーグです!
「山猫は眠らない」とかスナイパーの映画大好きなので期待してます。
>ミチさん
いえいえ、こちらこそいつも一方的にTBするばかりでコメントを残さず申し訳ありません。
ミチさんのところのような流行っているブログにコメントするのって何だか気後れしちゃうんですよね。
これからは心を入れ替えてコメントするように心掛けます、、、って同じような台詞以前にもいいましたね。汗。
六月は本当に観たい映画が目白押しで、前売り券だけで六枚も購入していて、前売り券が販売されてないものも含めると八本か九本映画を観に行く予定です。
ほとんど毎週映画のハシゴをしなければならず、、、う~ん、体力が持つのかなぁ。正直不安です。
『極大射程』は原作、めっちゃくちゃ面白いですよ。
今ならブックオフで上下巻それぞれ百円ぐらいで売っていると思うので試しに読んでみてください。
>shit_headさん
エドワード・ノートンって結構頭の悪い役を好んでやっていません?『スコア』でも同じようなキャラだったような気がします。
『ザ・シューター』、『山猫は眠らない』がお好きなら、絶対気に入ると思いますよ。
狙撃シーンの緊迫感はあれをはるかに凌ぎます。
ウォルバーグもかなりの熱演でした。
今のところの彼の代表作になると思います。
原作を見てないのでなんとも言えませんが、別物だと思えば結構楽しめましたでしょ?
マーク、ああいう役うまいですねえ、というか似合ってましたね。こういう映画をやれるのはマット・デイモンだけではなかったのですねー。
でもやっぱり地味ですねー。
主役なのにこんなに地味ってどうなんだーと思いましたが、地味ながらもかっこよかったんで、ぐいぐい引き込まれてしまいました、ははははは。
マークみたいな俳優は結構貴重なのかもねえ。
レビューはいずれ・・・書くかなぁ?
小説が傑作だというお話を聞くと、やはり残念に
思います。「孤高の狙撃手」のはずが、ラストでは
派手にやりすぎて主人公としての人格すら疑いました。
原作では司法にゆだねるという結末だったのですね。
少なくともこの映画でも、メディアに証拠を公開するなどの
方法があれば、よかったと思います。
>dimさん
えぇ、原作と切り離して、普通のアクション映画として見ればまぁそれなりに楽しめました。
マーク・ウォルバーグ、『ブギー・ナイツ』の頃はアクション映画の主役を張るとはまさか夢にも思いませんでしたねー。
でもきっちりスナイパー役は演じていたと思います。
マット・ディモンといえば『ボーン・アルティメイタム』がこの秋に控えてますね!
七月以降では一番の期待作です。楽しみ♪
>小夏さん
あはは、小夏さんはダメっぽでしたか。笑。
『ザ・シューター』にしろ、『300』にしろ男の子向けって感じなので小夏さんには受け入れがたいかもしれませんね。
ところで小夏さんはイマイチだと思った作品だとレビューは書かないのですか?
もしそうだとしたら、通りで小夏さんのレビューはプラス評価のものが多いと思いました。笑。
でもときには小夏さんがケチョンケチョンに貶す、マイナス評価のレビューも読んでみたいものです。
>masktopiaさん
はじめまして、masktopiaさん!
拙ブログにようこそ♪
原作の『極大射程』は傑作です。それは請け負います。
それに比べると映画の方はまぁアクション映画としては及第点を与えられるかな、ぐらいの出来だと思います。
masktopiaさんの仰る通り、特にラストは考えものでしたね。
あそこで個人的に制裁をするぐらいなら雪山で二人を解放する意味がないですからね。
映画は結局一言でまとめると「ボブ・リー・スワガーには誰も逆らえない」って感じですが、原作は決してそんな感じではありません。
きちんとカタルシスを与えてくれます。
自分は今でもたまにラストだけ読み返しますよ。
一応、私には珍しく「オススメ」以外の映画レビューを書きましたよ。せぷさんからの、たってのお願いとくれば何だって書きますよ。(え?お願いしてない?)
本当はまだまだ書きたいこと山盛りなんだけど、キリがないので一点集中型で。(笑)
慣れない非お薦め映画のレビューだといつも以上に神経を使われたのではありませんか?
当たり前ですけど、小夏さんも非お薦め映画があるんですね。笑。
劇場まで観に行ったけど、レビュー記事を書かなかったって映画はどんなものがあるんでしょう?
かなり気になったりして。
自分は面白くないと思った映画は持てる力のすべてを有してケチョンケチョンに貶しますけどねー。
それもまた高い映画代の一部だと思ってますから(←せこい?)。