この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

いろいろ野暮なツッコミをしたくなった『ガンズ・アキンボ』。

2021-03-03 21:02:01 | 新作映画
 ダニエル・ラドクリフ主演、ジェイソン・レイ・ハウデン監督、『ガンズ・アキンボ』、3/1、中洲大洋劇場にて鑑賞。2021年9本目。

 自分は基本的に起承転結のはっきりした映画が好きです。
 脚本こそが映画の根幹だろうと考えています。

 その一方で脚本がおざなりなB級アクション映画も好きです。
 一番好きなB級アクション映画は、そうだなぁ、ジェームズ・マカヴォイ主演の『ウォンテッド』かな。
 手首のスナップだけで弾道を曲げる!!
 最高じゃないですか。

 さて、『ガンズ・アキンボ』は両手にボルトで拳銃を固定された主人公が闇の組織「スキズム」によって強制的にデスゲームに参加させられる、というお話です。
 両手に拳銃を固定されているためにズボンもまともに履けず、ションベンも出来ず、飯もろくに食えないのにはかなり笑えました。
 ただ、肝心のアクションシーンはどうだったかというと正直もう一つだったかな。
 両手に拳銃が固定されているという突拍子もないアイディアが生かされているアクションシーンがなかったような気がしますね。
 よく見る感じのアクションシーンの連続でした。

 そんなわけで、アクションシーンに心を奪われていたら、たぶん気にならなかったと思うのですが、そうじゃなかったので、脚本の粗が気になりました。
 ここからネタバレ全開です。
 例えば、、、主人公のマイルズが戦うことになる女殺し屋ニックスは刑事であるデグレイヴスの娘で、彼を恨んだ犯罪者リクターによって目の前で家族を殺され、頭がおかしくなった、という設定です。
 復讐を恐れたリクターがニックスを始末するためにマイルズと戦うように仕向けた、というわけです。
 これってよくよく考えれば、いや、考えなくても変ですよね。
 リクターがニックスからの復讐を恐れた、というのはわからないではないです。
 でもニックスからの復讐を恐れたからマイルズと戦うように仕向けた、というのは完全に意味不明です。
 だって、戦闘の素人であるマイルズは本来であればニックスの最初の襲撃で殺されていた可能性が非常に高いわけです。
 最初の襲撃でニックスがマイルズの殺害に成功していたら、リクターはどうするつもりだったんでしょうね。
 リクターはマイルズの潜在能力に賭けたのか?
 まさかね。笑。

 またデグレイヴスはニックスをどうにか更生させようとした、とマイルズに話しています。
 つまり、デグレイヴスはニックスと交流を絶ったというわけではないのです。
 であれば家族の仇がリクターという犯罪者であることを娘に教えていそうなものですが…。
 ニックスがリクターこそが家族の仇であることを知らないというのは如何にも不自然であるように思えます。

 他にも「う~む?」と首をひねりたくなるようなシーンがありましたが、長くなるので割愛します。
 繰り返しになりますが、本来であれば今述べたような脚本上の粗はB級アクション映画であれば見逃せるはずなのです。
 ただ、本作の場合肝心のアクションに目を瞠るようなものがないので気になってしまうのでしょう。

 何だか辛口のレビューになってしまいましたが、気にならない人は気にならないと思うので、近くのシネコンで上映されているようだったら観に行かれてみてはどうでしょうか。

 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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