3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

マスクとトイレットペーパーの買いだめに走る人々

2020-03-18 17:29:25 | 日記
マスクはどこへ行っても売切れである。
ドラッグストアは連日マスクを買い求める人で長蛇の列らしい。
トイレットペーパーも誰かが流したフェイクニュースによって皆が買いに走り品薄状態に一時なった。
2週間前にお茶の水の本屋に行った時、文房具屋の店先に古ぼけたマスクが売りに出されていた。古ぼけていたので買わなかったのだがこんなことならかっておけばよかったと後悔しきりである。

アメリカでは、緊急事態宣言が発令されたために、みながスーパーに走り、生活必需品を買い求め、奪い合い喧嘩も発生しているとか。それにともなって銃の需要が伸びているとか。恐ろしい社会である。

わが国は銃は持たない国だからどんなに殺気立ってもせいぜい殴りあうぐらいにとどまっているのでありがたい。

我が家の場合、マスクは毎年花粉症の家族のために早くから買っておいたのでなんとかもっている。
トイレットペーパーはいつも少し多めに買っておくのが習慣になっているのでOK。
トイレのロッカーには常に2つはストックしているし、そのほか2つぐらいはストックがある。
水も2L×6×3ぐらいはストックしている。
であるから、納戸は結構いろいろなもので埋まっている状態である。
ドライカレーのもとやしょうゆやコーヒーとか、洗剤やペーパータオルなど。

マスクといえば、亡くなった母がずいぶん前になるけれど、災害用袋を送ってきて、中にマスクが入っていたことを思い出す。
「マスクは災害時必要ですよ。カーゼや包帯も入れておきますよ、と手紙が入っていたことを思い出した。昔の人は戦争体験もあるし自然災害とは背中合わせで暮らしていたのでいつも意識の中に非常事態がインプットされていたのだろう。ありがたいことである。

お彼岸を前に、亡母を思い出し、ロッカーにしまいこんでいた災害用袋をにわかに取り出してみる。
娘をおもう母の思いに触れ、懐かしさに涙がにじむ春の夕暮れなのである。

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2020.3.18 バルコニー便り おしんが最終回を迎える

2020-03-18 15:49:53 | 日記
花海棠が咲き始めた。かわいらしい。ずいぶん前になじみの花やさんからもらってきたものである。
毎年、3.11のころからぽつぽつ咲き始める。
桜より少し早い。
花は桃色だがつぼみは赤い。
この花が咲くのを楽しみにしている。
我が家のバルコニーにいち早く春の訪れを告げる花である。

いよいよおしんも今週末に最終回を迎える。
一年にわたって、真面目に見続けてきた。最初は「なつぞら」を見ていてそのついでにおしんを見ていたのだが、今はスカーレットは見ず、おしんが中心である。
おしんの苦渋に満ちた人生を激動する社会と絡ませながら、日本の明治大正昭和をおしんという一人の女性の目から描く本当にダイナミックなドラマであった。ロシア文学、イギリス文学にも匹敵するようなドラマ。
とうとう最終回が見えてきた。
先日、仁が見境なく商売を拡大していくことを危惧しおしんが浩太さんに話すシーンがあった。
「私は仁の育て方を間違った・・・、儲けることばかりやってきて後悔している・・・」というようなセリフがあり、
それを受けて浩太さんが、「戦中戦後の地獄を見た日本人がしゃにむに働いて経済成長を遂げてきたことをせめるわけには行かない・・・」というようなことを言っていた。それをみて、そうなのだなあ、と妙に納得してしまった。

経済成長ばかりで日本は大切なものを失ったようにいうけれど、確かに戦中、戦後の食うに困る生活を経験すれば、なんとか欧米に追いつけ追い越せとしゃにむに働いてきたことについてせめられないだろう。
そういう生活が限界であることはうすうすわかっているけれど、だからといってとめられない。
1980年代初頭の日本に放映されていたおしん、だが、その後の日本の行き詰まりを予見させるようなシーンである。
今、新型コロナでアメリカでは9.11、リーマンショック以来の不況になると危機感が高まっているし、わが国もバブルの崩壊、リーマンショック、3.11以来の危機といわれている。
経済成長を政策の中心にしてきた。この5年ほどはインバウンド依存の経済であったが、完全にウイルスの登場によって行き詰まってしまった。ウイルスの脅威によって、われわれの医療制度が意外に脆弱であることが明らかになり、これまで構築してきた経済中心の文化を転換する必要に迫られているように思える。

オリンピックで景気回復を、とおもっていたがそれは無理そうである。そもそも商業化されたオリンピックで儲けようとおもっていたところが邪道なのである。ウイルスで世界は混乱しているけれど今ほど世界が一つになってウイルスの封じ込めに国際協力するときはないのである。国境封鎖してもそれは仕方ない。それでも互いに世界は一つになるべきときなのだ。自国の利益のみを考えるのではだめである。ウイルスはやすやすと国境を越える。今何を大切にしてこれから先の世界を構築するか、世界が真面目に考える、それこそが、このウイルスがわれわれに突きつけている課題なのではないだろうか。



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2020.3.14 バルコニー便り 新型コロナウイルスは世界に拡大

2020-03-14 11:41:28 | 日記
新型コロナウイルスの感染は日々拡大している。
武漢から始まったこのウイルスは当初韓国や日本などの東アジアに広がり、中東イランに、そして今やイタリアがその中心となっている。欧州にひろがり、そしてアメリカでも多くの感染者が報告されている。

イタリアは中国との関係が緊密で特に北部の衣料関係の工場などでは中国人労働者が多く働いている。
イタリアは高齢社会で少子化の進行も激しい国で有名である。日本に次ぐ少子高齢社会なので、中国からの観光客だけでなく、労働者として多くを受け入れなければ国が成り立たなくなっている。中国依存が裏目にでたイタリアの感染拡大である。
緊縮財政政策で社会保障費をカットしたために医療がぎりぎりまで削減され、平時はよいが、今回のような非常時には対応できず医療崩壊がおき、その結果多くの死者が出ていると考えられる。
だから、社会保障制度というものは平時ではなく非常時に対応できるかに照準を合わせて制度設計されるべきなのである。
加えて、アメリカ的な金持ちだけが良い医療を受けられる、というような体制は平時はいいかもしれないが、良くはないが問題は顕在化しないが、しかし、今回のような感染力が強く、貧富の差なく、だれもがその脅威にさらされるとなるとことは重大である。しかもワクチンもなく、糖尿病のような基礎疾患がある特に高齢者を襲うとなれば、平時からいかにだれもが受けられる医療体制を構築しているかが問われるのであろう。

東京オリンッピックは開催されるのかどうか、という議論がある。
また、経済活動を抑制すると株が暴落して大変なことになる、という話もあるが、
今はただただこのウイルスの感染拡大防止のために何ができるかを考えるときだとおもう。
経済活動を活発にすれば人の異動は避けられない。異動を制限して経済的には瀕死になるかもしれないが、それでも感染拡大を防止することが最優先課題だとおもう。なぜならば、医療崩壊を防ぐために必要なのだとおもうから。
医療崩壊してしまえば何万人という人が命を絶たれる。私もあなたもその中に入るかもしれないと思えば、ぞっとする。
貧乏してもとにかく生き延びようとすることのほうが大切なのではないかとおもうのである。

世界に感染が拡大しているから、日本だけの問題ではない。
わが国だけがオリンピックやりますといってもだれもそんな余裕はないというのが世界の情勢である。
今は金儲けは二の次にして、まず、感染を最小限に抑え、医療を崩壊させないことが重要である。
政治はそのために英断を下す必要がある。
金儲けや政治的パフォーマンスではなく、おなかの底から必要だとおもう政策を力を尽くして考えるべきでありすぐさま実行すべきなのである。
政治家は間違っても身内大切とか贔屓とかそんな小さなことにこだわっていてはいけない。
人類が直面する脅威に対峙しているという責任感をもってことに当たるべきなのである。





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2020.3.11 バルコニー便り 再び3.11がやってくる

2020-03-11 18:09:58 | 日記
新型コロナウイルスで日本中が騒然としているさなか、再び3.11がやってきた。
あれから、9年も経ったのである。9年の年を重ねあの時子どもだった人も成人となり、50代だった人は老境に達している。
大地震、大津波、フクシマの災害、あまりに多くの犠牲者。
寒い日だった。
世界があの技術大国、信頼の日本で原子力発電所がコントロール不能になるとはと驚愕したのだった。
私はそのとき家族がヨーロッパに行っていて、春休みを利用しちょうど渡欧しようとおもっていた矢先であった。
ルフトハンザは仁川空港で飛行機を変えるという。しかも成田からは飛ばず中部国際空港からという知らせを航空会社のHPで読みあわてて予定変更。成田ではなく、東京駅にタクシーで乗りつけ名古屋に向かった。
日本全体が緊張していた。フクシマの爆発があり、チャイナシンドロームの映画さながらでこれで日本も世界も終わるのかという最終場面が頭をよぎったことを思い出す。
東京は晴れていて相変わらず大通りは誇りっぽかったが、そのほこりの中に放射能はまぎれ、生命を脅かす可能性もあったのだとおもうとよくぞ生き延びたとおもうのである。
フクシマ50という映画をやっているらしい。決死の努力で炉心のメルトダウンの危機のなか、惨禍を食い止めようとした人びと、原子力発電所の吉田所長もすでに今はいない。

原子力政策そのものは戦後の自民党の産業政策の中心であった。
子どものころは原子力は夢のエネルギーといわれていたのだし、多くの優秀な理系の学生が関連企業に就職し技術開発を担っていた。
3.11がなければ今頃はまだ、原子力発電に依存していたのだろうか。
温暖化の切り札ともいわれていた原子力。

しかし、3.11以後はもうそれはない。再生エネルギーにシフトしていかざるを得なくなった。世界も日本の高い技術をもってしても原子力発電はリスクが高くコントロール不能なのであるということを学び、ドイツはいち早く脱原発政策に転換した。
そういう意味で世界のエネルギー政策を大転換した3.11、大きな出来事だったのである。

そして、今人類が対峙すべきはウイルスである。
放射能もウイルスも国境を越え、人種や貧富の差も越え、生命と生活を脅かす。医療が整っていない地域はなおさら危機に晒されやすい。

我々は自国のことのみ考えればすむという時代に生きてはいないのである。
世界はつながっていて、リスクもなにもかも一緒、運命共同体なのであることを認識すべきなのである。





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新型コロナウイルスの脅威 4 混乱する日本

2020-03-09 18:04:13 | 病気
新型コロナウイルスの脅威はますます広がり、もはや世界レベルの脅威になりつつある。武漢発だが中国ばかりではなく韓国や日本にも拡大し、当初はアジア人が危ないといわれ差別されていたが、イタリアにも広がりミラノは封鎖である。フランスでも死亡者が出ている。

ジョンホプキンス大学の新型コロナウイルスのサイトをみるとタイムラグがあるが、世界に感染がどんどん拡大していることが一目瞭然にわかる。
USはこれまで対岸の火事だったが、今や死亡者数はわが国を越えている。ワシントンDCでも感染者がでているという。アメリカは医療は私保険だそうで、低所得層には医療が受けられない人がたくさんいるとか。そういう社会的背景もあり、これからアメリカの感染者は爆発的に増えるとおもわれる。
わが国はどうか。とにかく、移動の制限をしてじっとしているしかない。刻々と感染者が全国で報告されどんどん増えている。

日本は一応皆保険皆年金だ。だから、保険証一枚で病院にかかれるし貧富の差なく平等にだれもが医療を受けられる。それは幸せなことである。日本のこの制度についてアメリカ人は社会主義的だという人がいるようだが、それは違う。これは社会保障制度であり、ヨーロッパでは当たり前のことである。
日本はこの制度を死守すべきとおもう。今回の新型コロナウイルスの脅威に戦後大切にまもってきた医療制度を崩壊させることなく、賢くウイルスの脅威に向かうべきとおもうのである。

和歌山は済生会有田病院で院内感染があり、緊張がはしった。しかし、その後徹底的な検査を実施し、封じ込めに成功したそうである。
快挙である。医療現場は感染者が受診する可能性がたかく院内感染の可能性が高い。
追跡調査の徹底、濃厚接触者の割り出しで情報を公開しつつかなり迅速な対応をしたようであり、モデルにすべきかもしれない。
有田病院は決して厚労省の顔色をうかがっていたわけではなく自らの医療者としての判断によって封じ込めたということのようで、非常時に的確な判断ができるか、しかも迅速にできるかが勝負である。のんびりしているわけにはいかない。命がかかっているのである。
総理を守るとかそんなことはどうでもよい。総理がだめなので、国になんぞたよることは得策ではない。各自治体の首長、医療機関の長はそれぞれが自分の頭で最高の情報を世界からあつめ議論し、実行するのみである。
非常時に的確な判断ができる、良識在る人材を育てることが教育の最大の役割だと今回の新型コロナウイルスの問題でつくづく感じるのである。
世襲で何の苦労も知らないボンボン総理ではもう日本はもたない、それが今回の騒動で国民が骨身にしみてわかったことである。



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