3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

赤ちゃん取り違え 「自分には別の人生があった」

2013-11-27 08:49:26 | 日記
赤ちゃんが産院で間違えられて、60年間、違う両親ときょうだいで育った。
3800万円じゃあ少なすぎる。やはり3億は支払われないと憤りは収まらないだろうに。

間違えられた片方は裕福な家にそしてもう一人は貧しい家に育つことになった。

胸が痛む。秋の童話みたいな本当の話。

片方は、裕福で教育熱心な両親に育てられたので、私立高校から大学に進学し、一部上場企業。もう一方は、中卒で働きながら夜間の工業高校。
これは、子どもというのは遺伝子ではなく環境によってその資質が開花するかは規定される、ということを示している。

だから、今、中学や高校卒で働いて、学歴がないためにもし苦労している人がいるならその人生、生活格差は環境によってもたらされたものであり、決して個人の問題ではないということになる。

みのもんたの息子のように湯水のようにお金を与えられて慶応幼稚舎にいけば日テレにはいれるわけで、知能指数は同じでも、貧しくて中卒で工場で働かざるを得ない場合は、経済的には恵まれず社会的地位も低いままの人生になる。

ということは、子どもの生活格差、教育格差というのは、本当によくないということだろう。

それにしても、60年とは長い。
ほとんどの人生が架空のものだったという気がしてくる。

育ての親には感謝しているだろうし、貧しくても暖かい家族のつながりがあって幸せだったかもしれないが、でも、亡くなってしまったらしいが、実の両親にも一目会いたかったというのが本当のところだろう。

私だったら、知らないままにしておきたいような気もする。60になってあなたは、実は○○さんの家の子ですといわれても困る。
それが富豪の家で、一族みな東大出で、大企業の役員なんかがずらっと並んでいたりすると、自分の今の環境とのギャップにどうしていいかわからないだろう。
逆に、本当は貧乏な家の子だったんですといわれるのも不幸な気がする。やっぱりなあ、兄弟のなかで俺だけばかなのはそういうことだったのかと。幸運にもよい環境で育ったのでここまで来ることができたのかと。

こういう間違いは今でも起こりうるのだから、出産して退院するとき、DNA鑑定を義務付けるぐらいしないとだめなのかもしれない。
父親はどうでもよいが、すくなくとも母親だけは確定しておかなければならない。

産院の責任といわれても産院側も困るのかもしれない。
間違えたのが産院の看護師、助産師?母親が間違えた可能性も否定できない。
60歳というのだから、団塊の世代~少し若い世代かとおもうが、その頃はぞろぞろと赤ちゃんが生まれていたので、取り間違える可能性は高い。
赤ちゃんというのは、生まれてからどんどん時間を追って大きくなり顔つきも変わっていくのだから、午前中に見た自分の子どもが午後には少し感じが変わっていてもわからないということはよくあるように思う。

一生懸命勉強させてもうだつの上がらない息子がいるとしたら、もしかしたら、本当の子どもじゃないかもしれない。
逆に、両親全然勉強できないのに、いやに息子だけが飛びぬけてできて、突然変異と言われていたりする子は、もしかしたら、取り間違えられてたどっかの天才物理学者の息子だったりするのかも。

どちらにしても双方の本人、家族にとって、それぞれのドラマがある。

他人の空似というのがあるが、まんざら空似ではなく、本当のきょうだいだったりするのかもしれない。

それにしても亡くなった両親が大変な資産家で、本当の息子とわかったらどうなるのだろう。
戸籍上は遺産相続できないのだろうが、本来ならもらえた額があり、それが3800万円という額なのかしら。

でも、本来なら得られた生まれてからこの方の教育費と生活費の差を賠償してもらわないと割に合わない。
私立中学や私立高校、大学、塾代やおけいこ事などを含め、毎日の食費、被服費、住宅費などの差を保障してもらわないことには、この人生格差を補うことはできないだろう。

人生格差がこれほどまでに、歴然とあらわになったケースはないだろう。

日本は生まれた家庭の資産の有無、教育熱心かどうかによって大きくその後の人生が異なり、経済的状況、社会的地位などに大きな格差が生じる社会なのである。
そのことをこの事件は証明している。

どのような家庭に生まれても、その子どもの才能を極限まで開花させる教育システムが確立されるべきなのである。











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クールジャパン:銭湯文化を広めよう

2013-11-25 09:10:52 | 日記
産経
日本の銭湯に魅せられる外国人観光客 文化の違いからトラブルも
2013年11月24日(日)21:05

外国人観光客に受けているのが銭湯なのだそうだ。

そうでしょうね。
私の知っている韓国からの留学生が週に2回銭湯に行って、「お年寄りの背中洗ってあげます。とてもリラックスします。」といっていたのを思い出した。
最近の若者は銭湯なんか生まれてからこの方行ったことがないというのが多いが、ぜひ、一度行ってみてほしいものである。
外国人観光客や留学生ばかりというのも変な話である。もちろん、銭湯の多くの利用者は高齢者なのだろうけれど、若者もどうぞ。

若いころは銭湯というものが物珍しく結構利用していた。
社会人になると忙しく銭湯から足は遠のいているが、時間の余裕ができたらまた行ってみたいと思う。

初めて銭湯というものに行って衝撃を受けたのは、年取った人たちの身体を見たときである。
長年働き続けてきた、使い込んできたその老いた身体を見たとき、神々しいと思ったものである。
ヌードは決して若者のものではないのである。老醜、老耄などとはいえない。それは、ありのまま、人間の摂理である。
われわれは心と身体を80年90年と使い込み、最後の時を迎えるのだなあ、といたく感激したのである。

自宅のお風呂は掃除が面倒なので、年を取ったらなるべく銭湯に行きたいと思うのである。

そういえば、この間、一葉の井戸を見に行ってそのそばに菊水湯という銭湯があり、入ってみたくなった。
明治のころからあるのだろうか?
この銭湯ではないだろうが、当然近くにあって、当時、一葉も利用していただろう。

そう思うと、菊水湯ののれんの奥から、一葉がさっぱりした面持ちで出てくるような錯覚に陥る。
作家、一葉の気分転換の場、桃水を思いながら菊水湯の湯船に身を沈めていたのだろうか。一葉は。


と思って調べてみたら、菊水湯の創業は明治中期なのだそうだ。一葉は明治29年に亡くなっているのだから、ぎりぎりって感じだ。
http://www.sentou-bunkyo.com/facility_top/kikusui_yu.html

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文京区に住まうということ

2013-11-24 17:31:22 | 日記
文京区はいくつかのエリアに分かれるが、谷根千も好きだが、もっとも好きなのは本郷・湯島地域である。

目白地区は、現代化されすぎていて個人的には今一つである。

本郷・湯島地域というのは、富裕な資本家などが集まる地域ではなく、ちょっとタカビーのインテリ(だと自分では思っている)人々が集まっているように思う。
非常に教育熱心である。教育費には惜しみなくお金を投入する。
東京大学を中心としてその関係者で成り立っている。
湯島地域は東京大学医学部、東京医科歯科大学や順天堂大学病院もあり、歴史的にも済生学舎などもあった地域であるので、医学部文化が詰まっている地域。
ちょっと足を延ばして池之端方面にいけば、東京芸術大学もある。

文京というのは、近代文学発祥の地でもある。町並みは決して豪華ではないが、一つ一つの路地に趣があって飽きない。


住民は、地域活動などにもけっこう参加しているし、生協活動なども盛んなのではないかと思う。
豪華なスーパーなどよりもむしろ食の安全のほうが重要であり、共同購入なども進んでいるように思う。

教育、これはみな熱心な親たちがあつまっている。
親の偏差値がめちゃめちゃ高いというのも特徴である。

両親、大学院修了とか博士というのは珍しくない。
また、芸大も近いので、関係者もたくさん住んでいる。
井戸端会議はクラシック音楽や美術談義で盛りあがる。

子どもたちと言えば、真面目な白眉の少年少女たち。
未来のエリートたちである。

成金趣味ではなく、質実剛健の子育てである。
区立図書館などは引きも切らず多くの区民でいつも混雑している。
子どものために絵本を選ぶお母さんや夢中で本を読む小学生などが日常的風景

千駄木の先には西日暮里があり、そこは開成中学があるのだから、文京区の小学校の神童(男子)たちはみな、開成をめざす。
また、本郷、水道橋のところには、櫻蔭中学があり、これまた天才少女たちがめざす。

通学圏内の市ヶ谷、四谷には、女子学院、二葉中学、女子御三家があるので、やはり、良家の子女はきちんとそれらの中学に進学するというもの。
筑波大付属、学芸大附属、御茶ノ水大学付属も当然近くにある。こんなに恵まれた地域は全国どこをみても他にはないだろう。

というわけで、派手ではないが堅実な生活、将来有望なエリートを育てようとする人たちにとっては文京区に住むという選択は、とてもよいのではないかと思う。

そういうわけで、人気の地域である。がために地価が高い。それが問題である。





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11月23日一葉忌に寄せて:雷鳥以前の女性解放論として

2013-11-24 17:00:25 | 女性の地位
一葉が明治29年11月23日、霜晴の寒い明け方、本郷丸山町4で淋しく数え年25歳でその短い生涯を閉じてから、何年たったのだろうか。
121年。

幾星霜たっても、一葉は輝き続けていると思う。
一葉の日記を読み、横山源之助とも共鳴していたところをよんで、ますます好きになる。

「我は女なり。いかにおもえることありとも、そは世に行ふべき事かあらぬか。」(和田P.314)

一葉は一葉のやり方で貧困を、女性の人生の悲しみを考えた。もっともラジカルに社会変革を描いていたのではないか。
吉原を不倫を夫婦の亀裂を描いた。そして、わが身は没落士族として時代の変動にあえぎ貧困に苦しんでいた。
しかし、稀に見る才能をもっていた。自信に満ちた誇り高い女性として、自立する女のフロンティアである。

小説を通し、社会に目を向けながら描いていたとするなら、これは平塚雷鳥の登場以前の雷鳥を超える地に足のついた新しい革命的女である。

和田芳恵「一葉の日記」(講談社文芸文庫)
瀬戸内寂聴「わたしの樋口一葉」(小学館)
「樋口一葉、日記・書簡集」(ちくま文庫)


一葉の仕事、自ら社会の底に生き、様々な人間像、生活を描き、そこから、社会の矛盾を世に問う。
女の生活と人生を書きながら、一葉は、明治という新しい時代の転換期にあって、なおも貧困にあえぎ、女性であることの苦悩を身を以て感じ、知らず知らずのうちにきわめて社会的な視点を形成していったと思う。それは、天才的な小説家としての才能、人物の描き方はまさに天才的である、に裏打ちされていたからこそであり、だからこそ、登場人物が絵空事ではなく、リアルな生きた人物として我々に迫ってくるのである。この苦しみと悲しみをどうしてくれるのかと。

もう一度、われわれは女性の地位を語るとき、一葉を読むことから始めなければならないと思う。
上野千鶴子なんかの女性学などはぜんぜんだめである。言葉遊びに過ぎない。

日本の女性解放運動は、一葉から始まるのである。






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肩車社会をどう乗り越えるか

2013-11-21 17:34:26 | 現代社会論



高齢化社会を迎える前、かつては、胴上げ型だった。
少ない高齢者層を多くの若年壮年層で支えていた。
年とっても若い人たちがたくさんいたし、家族と同居することが日常だったから、なんとか家族や社会が扶養、介護してくれていた。
ところが、それが、急激な少子高齢化であっというまに2012年には騎馬戦型となり、そして2050年は肩車社会となることが予想されている。

年金、医療、介護の費用と人手をどう調達するのか、が、我が国の最大の課題である。
多くの人の寿命が延び、高齢期がかつてないほど長くなり、身体機能や精神的活動が低下する人たちが途方もなくたくさんいるのである。
それらの人を最後まで路上や孤独のうちに誰にも看取られずに亡くならせるわけにはいかない。どこで老後を過ごしどこで死んでも自由だが、それでも一人一人の人権を守り、自由で民主主義国家である先進国の日本で最後を迎える、それなりの最後の在り方を考え整えていかなければならない。
無意味な延命医療や豪華な葬式や墓はいらないし、環境破壊をしない埋葬の仕方が追求されるべきである。

震災復興、フクシマの安定、経済の復調、そして、同時に社会保障制度の持続可能性をどう作るか、この連立方程式を解く以外に再生の道はない。
社会保障制度の持続可能性のゴールは、だれもが豊かな高齢期(最低の年金、住宅、健康維持のための医療、要介護になっても心配がない)と最後の時、やすらかな死を実感できるか、そのための社会保障の在り方を考えるということだろう。

若者や中年も税金を払いたくないとか、高齢者ばかりになぜ社会保障費用が投入されるのかと不満を言いたいだろう。
しかし、自分たちの祖父母や親の世代を路上死や孤独死や質の悪い介護のうちに死なせるわけにはいかないだろう。
親や祖父母が豊かな老後や死を迎えられるように、考える必要はあるだろう。
抽象的な議論をするより、身近な問題として世代間の連帯という視点でみれば、おのずと解答は見えてくるというもの。

税金や人材やいろいろなところで高齢者世代と若者世代は連帯すべきなのであり、それが成熟した市民社会なんだろうと思う。


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