ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

G20サミット&ASEAN10

2016-09-09 19:01:34 | 報道/ニュース
この40年間、先進国と言われた国々は人件費の安い途上国に工場をシフトし利益を得てきました。結果、途上国は儲かり、先進国は自国の生産を失い、失業者を増やしました。中国は世界の工場と言われ、衣料からパソコン・スマホまで先進国のブランドはほとんどMade In Chinaに変わりました。中国のバブルです。中国はその莫大な利益で周辺国に強力な影響力をもちました。そしてその中国・杭州ではじめてのG20が開かれました。
G20サミットは金融・世界経済に関する首脳会合です。リーマンショックがきっかけで世界経済をみんなで話し合おうと2008年に始まりました。そのおよそ30年前、1975年にはオイルショックがあり、これは大変なことになると当時先進国と言われていたアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダ・日本が集まりG7サミットが行われました。GはGroup、サミットは頂上と言う意味です。その後ロシアが加ってG8となります。この30年間になにがあったかと言うと、下請けであった新興国が急成長したことです。世界経済はもはやG8だけでは解決できなくなり、中国・インド・ブラジル・メキシコ・南アフリカ・オーストラリア・韓国・インドネシア・サウジアラビア・トルコ・アルゼンチンとEUを加えた20の国・地域で世界経済を考えようとなりました。これがG20です。この20か国で世界のGDP(国内総生産)の90%を占め、総人口は世界の3分の2になります。
ならもうG7なんて要らないじゃん、毎年やっていたらお金もかかって大変じゃん、と思うのですが、政治家は目立つことが好きです。やめようとは誰も言い出しません。G20にしたって多すぎます。20も集まったらまとまる話もまとまりません。結果、G7もG20も形式だけの集まりとなってしまいました。
もともと世界的経済危機が起こった時、各国が集まって解決しようと始まったこれらの会合は、近年情勢が一変しました、肥大化した中国の景気が世界に影響を与えるようになってしまったのです。各国は自国の利益を守ることに精いっぱいで他人の事を考える余裕がありません。
アメリカは任期わずかのオバマさん、8年間ほとんど何もしてこなかったオバマさん、もう首脳会合の中心ではありません。イギリスのメイさんはEU離脱で大忙し、ドイツのメルケルさんは国内の難民問題にかかり切り、フランスのオランドさんはテロとの戦いで人気回復をもくろみますが支持率最低の10%台、ブラジルのルセフさんはなんと罷免されてしまいました。やたら元気なのがトルコのエルドアンさん、クーデター未遂の後、アメリカに亡命している政敵ギュレンさんの引き渡しを求めてもアメリカが応じないためシリアで戦っている敵のロシアに接近、何ともややこしい構図が生まれています。こんな状況でニヤリとしているのがロシアのプーチンさんと中国の近平さん。一党独裁で安定だからです。プーチン大好きの安倍さんは相変わらず存在感なし。中国の海洋進出はけしからんと言っても同調するのはアメリカだけ。中国から“関係ない国は口出すな、“と言われる始末。直後に開かれたラオスでのASEAN東南アジア諸国連合首脳会議ではほとんどの国がやっぱり中国サマサマ、フィリピンは仲裁裁判所の決定まで取っているのに強く言えません。結局共同宣言にも盛り込まれず、中国のひとり勝ちでした。景気減速といっても世界第二位の中国です。経済力には勝てないのです。
第二次世界大戦後はアメリカのひとり勝ちでした。ベトナム戦争でちょっとコケましたが、世界ダントツの経済力を保ちアメリカが世界のリーダーでした。ところが9.11後ブッシュさんのIt’s a War !でコケました。さらに間違った戦争イラクで大コケしました。アメリカ経済は疲弊しきってブッシュさんの後のオバマさんは“もう世界の警察官はやめる”とあっさり引き上げました。これが世界を大混乱させました。ISの台頭でシリアはぐちゃぐちゃです。トルコやヨーロッパも難民でギュウギュウです。当のアメリカは“ムスリムは出ていけ”と叫ぶマッドな大統領候補が現れる有様です。
このごちゃごちゃの中で着々と勢力を拡げているのが中国とロシアです。中国はチベットから東南アジア・アフリカをすでに押えました。ロシアはウクライナからクリミアを獲りました。アメリカの影響力は下がる一方です。トルコのロシア接近に関してアメリカCIA元高官が言いました。“同盟なんていつなくなるか分からない。保障されたものではない。”。経済政策を誤った日本は心して聞きたいものです。経済力は軍事力より勝ることを。(マジメです)

2016/09/09

最新の画像もっと見る