世界金融危機に気を取られていたら、アジアは大変な事になっていました。タイの反政府運動はもう2ヶ月以上も収拾がつきません。そこにきて今回のインド・ムンバイで起こった同時テロです。駅や一流ホテルなど10カ所がほぼ同時に攻撃され死者195名、負傷者300名を越えました。日本人も一人が犠牲になりました。ムンバイは以前ボンベイと言われたインド最大の商業都市で、日本企業も駐在を含め130社以上が拠点を置いているところです。人口はムンバイだけでおよそ1400万人、まわりの町を含めると1900万人という東京を上回る大都市なのです。現地時間の26日夕方、人通りの多い時間帯に市内10カ所でテロリストのよるいっせい攻撃が始まりました。突然で無抵抗の市民は逃げる暇もありません。三井丸紅液化ガスの津田さんは同じ会社の結束さんとホテルのエレベターからロビーへ歩いて行く途中に突然撃たれました。これはもう防ぎようがありません。インド政府は発生から60時間でテロリストを制圧しましたが、およそ10名のテロリストに対し治安部隊19名と警察官1名が犠牲になりました。それほど彼らは多くの武器を準備し十分に訓練された武装集団でした。テロリストはパキスタン人も含まれる他国籍集団で、パキスタンから小さなボートでムンバイの海岸に上陸し、周到に準備し、今回のテロを決行しました。今、インドで何が起こっているのだろうと世界地図のアジアを見てみると西からパレスチナのハマスとイスラエル、イラクは引き続き戦争状態、イランは核開発、アフガニスタンはアルカイダの再起、パキスタンはアルカイダと今回のインドのテロ(パキスタンとインドは領土問題で戦闘状態)チベットは中国からの独立運動、ミヤンマーは軍事政権、インドネシア、フィリピンは反政府武装テロとの戦い、つまり戦闘状態のないところはありません。これが現在のアジアなのです。アメリカ、イギリス、ロシア、中国など世界の大国と言われる国が産みだしたテロリストはアジア中に散らばり、いまや世界中で増殖しています。世界金融危機がアメリカ発ならテロリストもまたアメリカなどの大国主義が産み出した危険な産物なのです。アメリカ一極集中と超大国主義が招いたこの産物は支配という種を蒔くたびに新たな芽を出します。イラク戦争のような意味のない武力行使は彼らにとってはまさに増殖のための水分補給なのです。まったくイノセントな日本のビジネスマンが巻き込まれた今回のテロ攻撃に私達もウカウカしていられない状況になりました。世界情勢を観察分析し、日本人がテロリストの種を蒔かないようにするにはどうしたら良いかを真剣に考えなければなりません。
※その後、インド政府はテロリストは10人で、すべてパキスタン人のイスラム過激派と発表、新たな火種となっています。
※その後、インド政府はテロリストは10人で、すべてパキスタン人のイスラム過激派と発表、新たな火種となっています。