ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

PCR検査

2020-07-10 16:39:28 | 報道/ニュース
7月10日時点で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者は世界で1200万人、死者は55万人に達しました。まさに世界的大流行パンデミックです。アメリカ300万人インド・ブラジル200万人の感染者に対して日本はやっと2万人、死者900人。これを見て日本は良くやっているとほめられているとか書いている記事もあったけど、そんな風に思えるのはよほどおめでたい人ですね。感染の確認はPCR検査で陽性と出た人だけ、PCR検査をしなければ永遠に感染者は出ないのですよ。

PCR検査

日本がなぜ感染者が少ないのか、BCG接種だとか習慣だとか言う人がいますが、それだけではこんなに差がでるはずがない。答えはPCR検査ができないからです。出来ない理由はふたつあります。ひとつはPCR検査の出来る人が少ないつまり検査能力がないこと、もうひとつは陽性者が増えると病院が困ることです。300万人が感染したとするアメリカはおそらくその10倍や20倍の検査をしているはずです。それ以上かもしれません。そうなれば3000万人から5000万人が検査を受けたことになります。日本にはとてもそんな検査能力がありません。今回のパンデミックで分かったことは日本が誇る先端医療技術は個々の診療にはあまり役立たないことです。
ちょっと寄り道。富岳とかいう世界一の処理能力を持つスーパーコンピュータを開発したと大騒ぎをしましたが、やっていることは飛まつのシュミレーション、仕切りを10cm上げたらこんなに減るというシュミレーション、あのね、そんな事はコンピユータでなくても分かりますよ。それより学校休みにしてリモート授業するならすべての子どもにパソコンを与えるほうが先でしょう。
話を戻します。日本の感染者数2万人からすればおそらく検査は延べ20万人程度でしょう。アメリカ3億・日本1億の人口だとすると日本は1000万人の検査能力が必要でした。それが日本は当初1日100人程度でしたよ。感染拡大が始まった4月、愛知県で初めてPCR検査をしたとき15人の検査をしてなんと14人の結果を間違えました。陰性を陽性にしてしまったのです。保健所や県の関係職員が7~8人ずらりと並んで誤っている姿はコッケイでしたね。つまり検査のやり方を知らなかったのです。最近になってやっと検査らしいことが出来るようになった、検査キッドもまあまあと言うのが現在の医療現場です。
日本が誇る世界の最先端医療技術も入口の検査が出来なければ使えません。なんでまともな検査技師がいないのかというと、人材にお金をかけられない、かけても地味だし儲からないからです。今回のようなパンデミックは100年に一度、そのためにPCR検査の準備なんかしていなかったのです。ちなみに全国で感染症指定病院は400あるのに感染症専門医は140人ほどしかいませんでした。まさに先日テレビで専門家が言っていた後進国以下でした。
医者も儲からなくなって余っている部署はドンドン切る。誰でも出来る検査は派遣がやる。先日健康診断で胃のバリューム検査をしました。「左を向いてください」と言うのを「右の腰を前へ」と言われてずっこけました。「右手を上にげ、左手を逆手ににぎって・・」とか言い出すので「うつぶせでしょ」と言いました。検査が終わって顔を見たら20代の若い女性でした。胃カメラ検査をしたときも力いっぱい押し込むので食道がキズだらけになりました。検査技師の能力が下がっているのです。しかも経験の浅い若い人ばかり。給料が安いからです。これが医療現場の実態です。
次に検査を増やすとなぜ医者が困るのか、感染症は隔離だけでなく一人の患者に大勢の手が必要になります。人手が足りなくなるのです。他の患者が受け入れられなくなると病院は経営が立ち行かなくなるのです。結果、コロナをなくすことより医療崩壊しないことを優先します。言葉はきつくなりますが人命より病院となってしまうのです。
まだまだ終わりの見えない新型コロナウイルスCOVID-19のパンデミック。この6ヶ月での教訓です。こんな感染症はめったに起きないけど起きたときの備えは必要でした。日本には備えがありませんでした。台風や地震の備えだけでなく感染症パンデミックの備えもただちにやりましょう。今の病院に頼るだけでなく野戦病院のような臨時の病院がただちに出来ること、救急車が足りなくなったら、タクシーが救急車の替わりになるような法律を作ること、使えもしない余ったガーゼのマスクを配るよりこれらを考えるのが政治ですよ。そこのボンボン聞いていますか?
最後にちょっと気になることがあるので記録しておきます。休業要請により生活が立ち行かなくなったのは気の毒ですが、休業要請協力金をあてにしている人が多いのはちょっとマユをひそめますね。家族経営の食堂なんかにはすぐに協力金をあげたいところですが、ホストクラブやキャバクラが金をくれというのはちょっと抵抗があります。これは災害なのだから、休業している間はコンビニでバイトでもしていて欲しい、そのコンビニを顧客に伝えて客離れを防ぐぐらいのことをして欲しい。「オレは月100万稼いでいたから50万くれ」というのはあげたくないね。以上。

2020/07/10
おまけです。
※先日TBS夜のニュースで紹介していましたが、PCR検査についてはすでに千葉県松戸市にあるプレシジョン・システム・サイエンスという企業が全自動PCR検査装置を開発しています。1検体あたりおよそ6時間かかり技術も必要な現在の装置に比べ、ウイルスの抽出から検査まで全自動、12の検体を1度に2~3時間で検査できるすぐれものです。ボタン押すだけで難しい技術も必要なく誰にでも操作が出来ます。すでにヨーロッパを中心に500台以上が稼動。フランス政府から感謝状をもらっています。日本で開発した装置がなぜ日本で使われなかったのか、それは検体に入れる試薬の認可が厚生労働省から下りなかったからです。利権を守ろうとした厚生労働省。しかしここに来て少しずつ日本でも使われるようになりました。厚生労働省が各地方に任せる姿勢に転じたからです。こんなところでも利権を守ろうとする日本の役人のあさましさを知りました。もっと早く使われていたらPCR検査がもっと多くできていたはずなのに。まったくなんてえこった・・

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