Saitolab 「なにもせんほうがええ」

婚しては妻に従い ボケては猫に従う

張碓駅

2014年05月27日 | ロードバイク・クロスバイク
札幌から小樽へつながる函館本線の石狩海岸線の中間位置、銭函駅と朝里駅の間にかつて張碓という駅があった。正面が海、背後は切り立つ山となり海水浴場の為だけにある「秘境駅」として有名だった。しかし残念ながら2006年に駅は廃止され駅舎は完全に撤去されてしまった。線路に立ち入ることなくどこまで駅舎跡に近づけるかを試してみたかったのだ。そこでオタモイ岬の復路、国道5号張碓トンネル手前にバイクを停め徒歩にて海までの山坂道を延々と辿る。結構な高低差があり海まで降りるのも一苦労だった。線路の手前からは鉄道トンネルの上を跨ぐガレ場の道が海岸線沿いに伸びていた。あちこちに落石もみられた。途中に大型のペイローダーが朽ち果て放置されていた。この道を切り拓いた功労者に違いない。そしてこの道は張碓駅撤去資材の撤収の為に作られたものにも思える。荒涼としたガレキ道と曇天の空、そして銀色の石狩湾の光景はまるで賽の河原を彷彿とさせる。そして何より一人でとぼとぼと山道を下るときから感じている別の恐怖はヒグマ。この辺りにも出没の噂があるらしい。そんななか殊更に神経を逆撫でする列車接近を知らせる大音量アラーム。以前、心無い鉄道ファンが廃駅探検でトンネル内を歩き列車にはねられた事故もあったようだ。殺伐とした景色、耳を劈くアラームに急き立てられるように砂利道を進めばトンネルの出口横まで辿り着いた。道はここで終わっていた。駅跡まではあと300mほどか。ここから先は犬走りを歩けば進めなくもないがそれは諦めた。道の端から駅舎方向を撮影して山から流れる滝を確認し探索は終了とした。この日はバイクで山坂道の85kmを走行し、そのうえオタモイ岬と張碓の九十九折の道を往復2本歩いたことになる。どちらのロケーションも二度と訪れることは無いだろう。まあこれで踏ん切りもついたというものだ。
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