気まぐれでレコードを再生するようになってノイズが気になりだした。学生時代からこの悩みは永遠と続いている。当時、ロケットが月に行く時代にどうして音源の再生はかくも原始的な方法なのかと臍を噛む思いだった。だから82年に東通工からCDが発表されたときは小躍りして喜んだ。これであの忌まわしいノイズともオサラバ、レコード針の消耗を気にすることもない。これぞ待ち望んていた科学の勝利なのだと。あれから40年。再びこのノイズと対峙することになろうとは。学生時代ならいざ知らず、もうこの問題に時間と手間暇をかけることは避けたい。手っ取り早く済ますためにレコードレーベルを防水保護するアイテムを入手した。これをレコードにセットし中性洗剤で盤を一気に水洗い。綺麗に拭き上げて乾燥。ノイズは一掃される。新しい保護袋も100枚購入し入れ替える。NAGAOKAの静電気防止スプレーとクリーナーも購入。再生した音はディジタル化して後はファイル保存。アナログレコードを楽しむオーディオファンとはベクトルが180度ちぎゃうのだ。アナログ中古レコードは単なる格安音源としかみていない。MC高級カートリッジに真空管アンプには憧れるけれどそれはおあずけ。父がチューブコレクターでありアンプも設計自作するところを観て育ってきたので中途半端なシステムには興味が持てないのが本音なのだ。
昼休みにリサイクルショップを覗くと中古のLPレコードが捨て値で売られている。既にコンポは廃棄してしまったので聴くことはできないと諦めていた。しかし紙ジャケにすらなっていない2流のレアLP発掘が面白そうに思えた。そこでおもちゃのようなレコードプレーヤーを入手した。演奏した曲をMP3に変換してくれるものだ。早速中古レコードを2-3枚買い求め再生しようとした。その前に何十年も放置されていたレコードはうっすらカビのようなものもあり状態がよろしくない。なにか良いクリーニング手法はないかと探して見つけたのが100均で売られていた除菌アルコール(濃度30%)ウェットティシュ。20枚入りが2パック入って格安。これで盤を拭くと一気に輝きを取り戻した。そのうち静電気除去スプレーとベルベット布のクリーナーも買わねばなるまい。次にプレーヤーのメンテナンス。中国製のプレーヤーは本当におもちゃレベル。トーンアームとシェルは一体もののプラ成型品。驚くべきことにカートリッジは接着剤でシェルに固定されているようだ。もちろん針圧調整などとは無縁の世界。これでは大切なレコードを掛けるわけにはいかない。MP3のサンプリングレートは固定で128kbps。いまどきのハイレゾオタクが聞けば卒倒しそうなクオリティーなのだろう。そしてターンテーブルの回転は小さなDCモーターでベルトドライブしているだけの簡単構造。回転数をモニターしフィードバックするようなことは望むべくもない。回転数もなんだか怪しさ爆発。そこでストロボスコープを使い調整してみた。プレーヤーを分解し基板をチェック。33回転と45回転は独立した簡単電圧回路をもち切り替えSWで選択する。調整のため本体から基板を一旦降ろしターンテーブルを回転させた状態を保ちながら基板上のVRを微調整。各々の回転数を追い込んでいく。ここまでしてようやく演奏にこぎつける。収録したMP3データはPCアプリの自動スペクトル減算法などでノイズ除去。A面B面切り替えのブランクをトルツメしたりと加工する。こんなに苦労して時間をかけてまでディジタル化する必要はあるのかとも思うがまぁいいでしょう。この手間暇が楽しみでもあるのだから。
寝室のプラズマクラスターが運転時間オーバーのエラー表示となった。イオン発生ユニットを新品に交換して2年半が経過していた。発生ユニットを調べると高圧が電荷される放電針はまだ消耗もなく使えそう。前回はユニットの樹脂を開けようとして失敗した。今回は破壊せず素直にユニットの端子へアクセスを試みた。テスターを導通モードにして極性と組み合わせを替え乍ら6個の端子にテスター棒を当てる。555の4番に相当するものが来ている筈だ。一通りリセット操作を試して本体にユニットを戻す。電源を入れると果たして通常運転が始まった。これでもう少し発生ユニットの買い替えはお預けとなる。