磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

戦う石橋湛山 昭和史に異彩を放つ屈服なき言論

2007年07月23日 | 読書日記など
『戦う石橋湛山 昭和史に異彩を放つ屈服なき言論』
     半藤一利・著/東洋経済新報社1995年

こんな新聞記者もおられ、こんな総理大臣もいたのかと思われる方もおられることでしょうね……。
リベラルで平和主義者……。




帯にはこう書かれています。下「」引用。

「最後まで屈しなかった男
*……日本が戦争へと傾斜していった昭和初期にあって、ひとり敢然と軍部を批判しつづけた石橋湛山(たんざん)(後の第55代内閣総理大臣)。
*……その壮烈なる言論戦を、変節し戦争を煽りに煽った大新聞との対比で描き出す。」
「日本人が“平衡感覚”を失う時
*……暴走する軍部に自らすっぽりと身を寄せ。
国際的孤立へと世論を導いたマスコミ。
長引く不況の閉塞感から、「乱」を望んだ一般大衆……。
*……満州事変に端を発して、破局への道を歩き出した日本の一大展開期の真相が、“歴史の証人”湛山を通し、名著『日本のいちばん長い日』の著者が初めて明らかにする。」



自由の論調で。
昭和7年2月、社説『支那に対する認識』で、「支那人の支那であり、日本人が満州に勢力を占めるのは、結局支那人の……」と、反帝国主義・反植民地主義を訴えたという。

これは名言だと思いました。下「」引用。

「黴菌(ばいきん)が病気ではない。その繁殖を許す身体が病気なのだ」石橋湛山

こんなことを書かれているから、軍部から目の仇にされたという。

戦後はGHQにより公職追放されたという……。
泣く子もだまるGHQにも反論……。

昭和31年、自民党大会で奇跡の逆転劇を演じ、岸信介を七票の差で破り、首相の座に。
岸信介といえば、今の安倍総理の母方の祖父ですね。

この本でも、半藤一利さんは、大新聞が180度変節したことを訴えられています。

それに対して、石橋湛山は「平和主義こそ唯一の道」と説く。ぼたもち理論が笑えます。下「」引用。

「資本は牡丹餅(ぼたもち)で、土地は重箱だ。入れる牡丹餅がなくて、重箱だけを集むるは愚であろう。牡丹餅さえたくさんにできれば、重箱は、隣家から、喜んで貸してくれよう。しかしてその資本を豊富にするの道は、ただ平和主義により、国民の全力を学問技術の研究と産業の進歩とに注ぐにある。」

まさに戦後日本が復興した要素ではないでしょうか……。


石橋湛山記念財団Homepage

口笛と軍靴-天皇制ファシズムの相貌-







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シミュレーション(モデル計測)「小倉に原爆が落ちた日」

2007年07月23日 | 読書日記など
『シミュレーション(モデル計測)「小倉に原爆が落ちた日」』
    朝日新聞西部本社社会部・編/あらき書店1983年

この絵本は朝日新聞の記事が土台となっているようです。下「」引用。

「昨年八月五日付朝日新聞西部本社の朝刊に掲載した「原爆投下、小倉だったら」を土台に、宮崎勝弘社会部員が児童向けに全面的に書き改めたのが、この本です。」



1945年8月9日、アメリカのB-29「ボックスカー号」は、小倉上空にきたとき、雲が広がり原爆投下できず。

西に向かうボックスカー号は、1時間後に、第二の目標地の長崎に投下。七万人以上の住民が死亡。

投下されなかったのは、天気の変化という偶然。

予想通り小倉に原子爆弾が落とされていたら、どうなっていただろう。

その日の森茂康(もりしげやす)先生が、被害を予測(よそく)(シミュレーションという)。

アメリカやソ連の都市を取り上げた被害予測はありますが、小倉のように投下寸前にまでなった都市としては、初めての試み。

死亡者は、少なくとも五万七千以上。重傷者は一万五千人。当時の小倉の四三%。


京都出身のボクにも無関係ではありません。
5月10日、の二回目の委員会には、AA級=京都、広島、A級=横浜、小倉、B級=新潟の五都市にしぼられました。ここでは、長崎はない。

5月28日、第三回の委員会、京都へ投下反対で、小倉が再び投下目標に。

原発は五発あったという。
--もしかたしたら、京都であったかもしれない。

京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実


しかし、京都のこのような本はまだ見たことがありません。


この本は小倉の街に住む「長崎原爆絵本シリーズ」を出版された荒木社長も文章を書かれています。



小学館文庫 原爆の軌跡



小倉北区に有る「長崎原爆慰霊碑」2006年7月27日掲載








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時代の自画像 靉光

2007年07月23日 | 読書日記など
NHK教育2007年7月22日
新日曜美術館
シリーズ 画家と戦争(2)

時代の自画像
靉光(あいみつ)


1945年8月6日、広島原爆。
一人の画家が残した作品や資料が消失。

--独自の画風を追求。
その苦悩は濃密な幻想世界として表現。
靉光の世界はどうやって生まれたのか。

寺田農さん(俳優)の父は画家で、靉光との親交があったという。
靉光(あいこう)のおじさんと呼んでいたという。

今年が生誕百年。明治40年生れ。

【眼のある風景】の誕生
・池袋に若者たちが集まる。
・貧しいが、夢をもち、池袋モンパルナスと名付けていた。
・靉光もここで新たな表現をもとめる。

靉光とは靉光自身が名付けたという。

広島の農村に生まれた靉光。

家庭貧しく六歳のとき、養子にだされた。

寂しさをうめるように、懸命に絵をかく。

対象の奥深くに迫ろうとした靉光。

【日中戦争】
国全体が戦争に染まっていく。

シュルレアリスムの紹介がこのころにあったという。

【眼のある風景】
一つの眼。
蠢くもの……。
--当時から高い評価を得ていた。
時代の不穏な雰囲気を描いた。

【太平洋戦争】
・発表の場制限されていく。
しかし、靉光の制作意欲は衰えなかった。

靉光は虫や花をモチーフに描こうとしていた。
--戦時下に絵をかく負い目をもっていたという。
葛藤のなか小さな命を描いていく……。

戦争画を小さな命を描くことで表現していたという。

「玉粋」の報道に疑問をもつ……。

靉光は召集令状を受け取り、中国へ。
--絵筆から銃へ。

終戦。
--引き揚げの途中、病におかされ死亡、38歳。

--原爆の被害は命だけではない……。


靉光『眼のある風景』









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105 勇気をだして手をあげる……

2007年07月23日 | ライト小説
総理がコジキでコジキがソーリィー

四章、ゼロサム社会




105 勇気をだして手をあげる……


「そうですね、永嶋先生、何かご意見はおありですか? 生徒の心をどれだけ傷つけられたか、こんなもんじゃないこと、おかわりにはまだなってないと思いますけど」

美智子は永嶋をにらみつけた。

「永嶋くん、生徒に何かいいたまえ」

教頭が、永嶋の手をとった。

壇上につれられていく永嶋。あんなに小さなやつだったんだ。

三沢少年は巨大な存在だったと思っていたのに、あんなに小さなやつだったんだ。いや、ぼくと変わらない人間だったんだと思えたが、憎しみはつのるばかりであった。
 
永嶋はマイクの前に立たされると、
「うそだー」
と、絶叫した。

みんなは驚いた。講堂は静かになった。
「どうして、そんな嘘をつくんだ。青少年という時代には、いろいろなことを思う。いいか、きみたちは、公立学校ではない、この名門校に育つ喜びがわからないのか。わたしも、この学校のOBだ。この学校の素晴らしさを知っている。きみたちは、なにか間違った考えに動かされているのではないか」
などと、せつせつと訴える。

「そうでしょうなあー。まだ生徒たちは子どもですからあー。教育というのは、時には生徒にとっては辛いものかもしれない」
と、理事長は意見した。

「先生、では“いじめ”もなく……。あなたは、自殺者が出ても、口をそろえて、そんなことはなかったと言えば、それで終わるといったのも嘘だというのですか?」

「そのとおり! 嘘に決まっている。わがクラスの生徒で、そんなことをわたしがいったという者がいたら、会ってみたいものだ。内申書にもきっちり書かせてもらいます。虚言癖がありますとね!」

美智子はうなだれた。負けるかもしれない。冷や汗が出てきた。

でも今を逃したら、話はややこしくなる。仕方なく、美智子は、
「今のことを言ったことを聞いたことがある人」
と質問した。

三沢少年は心臓の音が耳元まで聞こえてきた感じがした。もし言ったら、どうなるんだろう、さらにいじめられるのだろうか?

ぼくが言ったとしても、あいつは嘘つきで、クラスで問題のやつだとか何とか、平気で嘘をつけるやつだ。それが永嶋だ。

--いや、そういう教育を受けた者こそがエリートだと、永嶋は教えつづけてきたし、教えられても来たのだ。

「いませんか?」

三沢は美智子の顔を見た。

--ここまで、やってくれた美智子のために、手を上げないでおくことはできなかった。








閑話休題

エリートの本領が嘘をつくこととしたら、

そんな社会は無茶苦茶になるに決まっていると、

ボクには思えてなりません。

大手マスコミや政治家は、

IAEAが何をしてきたかも

お知りにならないようです。

それとも、闇教育の成果でしょうか?

米国もあてにならない! スリーマイル島事故は炉心融解していた…

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