磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

創作児童文学館16 夕映えになるまでに

2007年07月25日 | 読書日記など
『創作児童文学館16 夕映えになるまでに』
   竹田まゆみ・作/あきやまただし・絵/岩崎書店1995年

竹田まゆみさんは、まじめでやさしい方だと本を読んでいて思います。同人誌に入っているころを思いだしました。



ぼくが同人誌に入っているころ、「いじめ」が社会問題になったころでした。
そのころにも、もう「いじめ」をテーマに作品をかいている方もいました。
おもしろいと思った作品。それを書かれた作者を見たことがあります。

--その児童文学者は多くのファンの女性にかこまれておられました。
その当時では珍しく、大人が半ズボンでサングラスをかけている作家でした。
知りあいの女性がいましたので、その中にボクも入りました。
彼はいわゆる「いじめっ子」がそのまま大人になった感じでした。
なるほど、「いじめ」のシーンが上手だとわかりました。

同人誌の仲間も、「いじめ」をテーマにして創作される方がけっこういました。
「いじめ」のシーンがきちんと書けていない。他人事のよう……、との批判。
でも、それは大きな間違いで、「いじめ」られ子だったから、「いじめ」のシーンが書けなかったようです。


作者は「あとがき」で。下「」引用。

「「イジメを苦にして自殺」という報道をきくほど、せつなくやりきれないことはありません。どうか死なないで! がんばって! そして、もし、あなたがいま、だれかをイジメているなら、どうか、すぐやめて! せめて、いま、であっている者同士、せいいっぱい暖かくやさしくむかい合って生きてみよう。ああ、この人と友だちになれてよかったと、うれしくなるような友だちになろうよ。」


竹田まゆみさんらしい、やさしい視点でかかれた作品です。


多くの本に無視が一番つらいと書かれてありますが、ボクは無視してもらって感謝しました。

ひどい人たちといるよりも、自分は一人でも創作があると思っていました。

そんなボクが書いたのが、弱虫・強虫(よわむし・つよむし)です。

でも、今のいじめのレベルは、そんなものではありません。
ボクのは、たいしたことがなかったような気がします。
現代では、犯罪といってもいいと思うケースがあります。
諸外国では、いじめに関する法律ができるのも納得できるものです。

まず、現状分析が大切なのでしょうが、日本はそれもできていないような感じがしてなりません。







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禁じられた原爆体験

2007年07月25日 | 読書日記など
『禁じられた原爆体験』
  堀場清子・著/岩波書店1995年

この本を読んで理解できていないところが、たくさんあるに気づきました。これから調べていきたいと想っております。


表紙について
「CCD検閲作業風景(東京)、マッカーサー記念館蔵」

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「占領直後から4年余り、GHQは日本国中あらゆるメディアにわたる壮大な検閲作戦は展開した。その対象は、新聞・雑誌・書籍はもちろん、同人誌などのミニコミにまで及ぶ、とりわけ原爆にかかわる記述を厳しくチェックされ、被爆直後に書かれた多くの原爆体験が葬り去られるに至った。1981年、著者は、アメリカのメリーランド大学にプランゲ文庫として保管されているGHQの検閲資料に出会う。その膨大な文書の中から、失われた原爆作品を拾い出し、それらの作品や作者がたどった運命を探る作業をとおして、占領下の検閲がどのように行われ、日本人はどう対応したかを明らかにした貴重な記録。」

著者の祖父は医師だったという。当時、大変だったようです。

鳩山一郎が原爆は「国際法違反、戦争犯罪」と語り、その記事を載せたので、発行停止に。

事前検閲の新聞・通信社は、少数でも有力なメディアだったが、部分的には早くから緩和。

日本人の気質がわかるという。下「」引用。

「そして追跡を重ねるごとに、予兆は現実化し、水の流れるように万事を忘れ去る日本人の淡泊さを嘆じ、言論意識の希薄さに鬱屈を深める日々のはじまりとなった。」


栗原貞子さんのことが書かれてありました。下「」引用。

「栗原さんは、夫君栗原唯一氏とともに、戦前からアナキストだった。」

ドラマなどに出てくるアナキストとは感じがちがいますね。

「6『雅子斃れず』『長崎の鐘』--出版への道すじ」という中タイトルがありました。

1993年8月9日夜、NHKスペシャル「あの炎を忘れない--被爆少女の手記とGHQのケンエツ--」を放映で、『雅子斃れず』をとりあげたという。

永井隆の『長崎の鐘』についての検閲。
・著者は死が近い。
・原爆犠牲者の式典で式辞を述べている。
・このままの状態で、出版許可を推薦。
ところが、事態は暗転。下「」引用。

「コステロはたてつづけにチェックシートを発する。まずクンズマンにあて、「貴官に読まれないまま、『長崎の鐘』と題する本が、全面パスの推薦つきで廻ってきた。(略)このような刺激的な内容の小説は、PPBに付託されているキイ・ロゴスにあてはまる」云々。」

筆者永井と式場隆三郎博士を被監視者名簿に。
「マニラの悲劇」とともに、出版許可となる。

『晩鐘』というのには、高齢の方が被爆されたとが書かれてありました。




朝日選書534 原爆 表現と検閲 日本人はどう対応したか







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107 担任のクビ……

2007年07月25日 | ライト小説
総理がコジキでコジキがソーリィー

四章、ゼロサム社会




107 担任のクビ……


『そうだろうなあー。いじめなんて、この学校にはない。いじめなんて、そんな低俗なことは公立校のことであり、私立のわが校にはない。あるわけがない。あったら、そいつは退学処分だ。本校の教育方針からはずれているからなあー。いじめというものは、存在すると思ったときに、存在するらしいが、それは間違った民主主義の話だ。強いものが勝つ、それが民主主義だ。勘違いをしてもらっては困る。きみたちが、この学校に来られるというのも、民主主義のおかげだ』

録音された教室での会話が再生されている。

「ひでえー、クラスだなあー」

「あの勉強しましょうって、がり勉の西沢だろう。本当、友達より勉強なんて、あんな奴、出世して欲しくないなあー」

「でも、憎まれっ子、世にはばかるからなあー」

永嶋先生は頭を両手でかかえていた。

理事長もそうしていた。先に顔をあげたのは理事長だった。

「先生たち、そのテープを取り上げなさい」
と、叫んだ。

教師たちはあわてて、教壇に登り、少年をかこんだ。

この録音がマスコミの手に入れば、世間が騒ぐと教師たちは本能的に悟ったのである。

この録音はまさに学校を破壊する爆弾なのである。

「あのー、慌てないで下さい。永嶋先生を辞めさせるなら、これは渡すよ」
と、少年は気楽に言った。

理事長はそれを聞いて、笑顔になり、永嶋のところへ行く。

「先生、この学校は辞めてください。ほかの学校を紹介しますから……」
「わかりました……」
と、永嶋は苦虫をつぶしたような顔をしていた。

「生徒会は……」
美智子は意見をしようとしたが、先生たちは浮足だって、マイクを使用できないようにしている。

校長はハンドマイクで、
「永嶋先生は辞めることは決まった。生徒は落ち着いて勉学に励んで下さい」
と、生徒に説明した。







閑話休題

ラジオで、関東地方の梅雨明けは、

八月になるかもしれないと話していた。

梅雨はないかもしれないと、

そんなことを話していた時もあった。

水不足も困るが、ボクの場合、

梅雨は疲れやすくなります。

ミスが多くもなります。

ペースを少しは落としたいと思います。

健康のために、長い目で見れば、

そのほうが効率的にも思えます……。










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