総理がコジキでコジキがソーリィー 104 緊急生徒会 でも、その社会病理学を研究している専門家でさえも、教育の弊害を受けているというのである。そんなことに気づくのは、女性だからかもしれない。尊敬すべき人たちである。 男性もこのような意味のある書物を書くことができたらと思う。 美智子の行動力もすさまじいとまで言える。もう翌週には、緊急生徒集会を開いている。そこには、教育委員会の人も、校長ならびに学校の教職員を全員参加させていた。 そして、三沢少年のクラスの状況をたんたんと美智子が読み上げた。 それは文章にしても配られたものであった。 それが読み上げられている間に、だんだん、担任の顔から血の気がうせていた。 「こんなことはしたくなかったんですけど、批判会が民主主義の方法だなんて、嘘を教えておられるんですから、こうしてみたわけですけど、永嶋先生、いかがなものでしょうか」 担任は手のひらをパーにしたりグーにしている。 「先生、何かご意見はありませんか。わたしたち生徒会の役員はあなたにレッドーカードを全員が出しました。ここまでのことをしたのですから、あなたは、この学校から退場してもらいます。あなたは犯罪を犯したも同然なんですよ」 校長はずっとしかめ面をしていた。理事長はあきれていた。 誰も何も言わないので、教育長が壇上に出ていく。 「まあ、生徒会のみなさんの言うことが本当なら、これはまったく処分しなければなりません。この学校で犯罪者を生むための教育をしているなんてことは、当校の歴史になかったことです。全人格的教育をそのモットーとしている、この学校でこんなことをしているなんて、世間にしられたら、どうなることでしょうか、ねえ、校長先生」 「でも、まだ、永嶋先生から、何もきいてないんですけど……」 いくら生徒は弱い立場とはいえ永嶋の発言も許されるべぎてある。 三沢少年は女性は強いと思った。 美智子は、これほどのことをしなければ、問題を解決できるとは思わなかった。 これも、沙也加のアドバイスがきいている。 こんなことは、日本の文化からいって、普通ではない。 --しかし、もう普通のことをしいては間に合わないとも、彼女たちは考えていた……。
人気blogランキングへ ありがとうございます。 |
最新の画像[もっと見る]
- いい音ってなんだろう-あるピアノ調律師、出会いと体験の人生- 12年前
- 音楽演奏の社会史-よみがえる過去の音楽- 12年前
- AERA ’12.7.16 12年前
- 週刊現代 2012-8-11 12年前
- AERA ’12.7.9 12年前
- 必ず来る!大震災を生き抜くための食事学-3・11東日本大震災あのとき、ほんとうに食べたかったもの- 12年前
- 僕のお父さんは東電の社員です-小中学生たちの白熱議論!3・11と働くことの意味- 12年前
- 日本の原爆-その開発と挫折の道程- 12年前
- エコノミスト-週刊エコノミスト- 2012-3/13 12年前
- エコノミスト-週刊エコノミスト- 2012-3/6 12年前