ろらぶろぐれっしぶ

2娘の母で国語教室の先生のろらんがたあいのない暮らしを綴ります

消しゴム禁止!

2012年04月24日 | 子育て・教育の話
私は子供が勉強中に消しゴムを使うのがきらい。
といっても書き間違えちゃうのをちょこっとなおすには便利だから、数回くらいはだまってます。
でも勉強ができない子は、消しゴムをやたらめったら使う子が多いの。



「これは単位をあわせなくちゃいけないね」
ゴシゴシゴシゴシゴシ


「うーん、違うみたいね」
ゴシゴシゴシゴシゴシ


「主語が三人称単数だから・・・」
ゴシゴシゴシゴシゴシ


「あ、これはね・・・」
ゴシゴシゴシゴシゴシ


「・・・・・・」(横からちょっと見る)
ゴシゴシゴシゴシゴシ
ゴシゴシゴシゴシゴシ

ゴシゴシゴシゴシゴシ







消・ス・ナ!



見・セ・ロ!!!







もーほんとにね。
見せてくれないと、アドバイスのしようがないわけですよ。
正しいやりかたで出た正しい答えなんて、私ちっとも見たくないのよ。
できてない部分が知りたいの。


苦手な子はとにかくすぐ消します。
自分がどうやったかとか全然見ようとしない。
違ってるから削除!とばかりにゴシゴシやってくれます。
前にやったやつを消しちゃうから、前とまったく同じやり方で同じ答えかいて
「やりなおしました」
とか持ってくるおまぬけちゃんも結構いるの。


消していいことなんてなーんにもないよ。
「ノートがもったいないじゃん!」
とか言う子もいるけど、だったら消しゴムだってもったいないじゃん!!
消しカスが出て机周辺は汚れるし、ノートだって消したあとが黒く汚い。
自分の消し残しに惑わされて計算ミスしてくる子も結構いる。
消してる時間だってもったいない。
ほんと、悪いことばっかり。



あんまりすぐ消しちゃう子には

「消しゴム禁止令」

が発動します。
間違えたらバツ書いて、新しく書き直しなさいって。
でもどういうわけか、そういう子って消すのが大好き。
「消すな」
って言っても、つい消しちゃう。
間違えた証拠を残しておきたくない。
先生に間違ってるのを見られたくない。

ゴシゴシゴシゴシゴシ

ゴシゴシゴシゴシゴシ

「いい加減にしなさい!」
って言って、塾にきたらすぐに消しゴムを取り上げる。
なのにどこからともなく小さな消しゴムのかけらを出してきて

ゴシゴシゴシゴシゴシ

ゴシゴシゴシゴシゴシ


それもとりあげたら、今度はシャーペンの後についている全然消えないあの消しゴムで

ゴシゴシゴシゴシゴシ
ゴシゴシゴシゴシゴシ




な・・・・・・なぜそこまでして消す!?



そういう子もいました。
その子は結局鉛筆もとりあげて、全てボールペンでやらせてました。
ほんとに変なところで一生懸命になるんだから。




とにかく、消しゴムは正直勉強の邪魔!
ノートは思考の記録でもあるんだから、頭にうかんだことはどんどん書いて、決して消さないこと。
と、私の教える生徒たちには言っています。

算数の文章題が苦手な子へ

2012年04月22日 | 子育て・教育の話
前回載せた文章問題、何人かの小学生にさせてみました。
レベルも学年もバラバラな子に、同じ問題を解いてもらったのです。
わり算や方程式まで使うような問題もありましたが、一番よくできていたのは3年生の子、一番解けなかったのは6年生。
学年はあまり関係ありませんでした。




おもしろかったのは

水色のおりがみとピンク色のおりがみが、4まいずつあります。
ピンク色のおりがみは なんまいあるでしょう?


この問題にひっかかる子が意外に多かったことです。
もちろん正解は4枚。
なんのひねりもない、文章のとおりの答えです。

ところが日ごろ決まったパターンの文章第ばかり解いている子は、文章を理解しようとする前に、まず

「どの数字を使って、なに算をするんだろう?」

というところから考え始めるのです。
こういう問題は、とにかく何か計算して答えるものだと思い込んでいるのです。
だからいつもと違うかたちの問題を前に、

「え?どれとどれ使うの?」
「何をすればいいかわからない」

と、途方に暮れていました。

「なんだかわり算のような気がするんだけど・・・・・・」

と言ってる子もいました。
確かに「ずつ」という言葉はわり算の問題で使われやすいですね。




こんなふうに悩んでしまうのは、算数というものを
「数字を2つ使うもの」
「たす、ひく、かける、わるのどれかをするもの」
だと思っている子が多いからだと思います。
また、
「『合わせて』があったらたし算、『違いは』だったらひき算」
と、苦手な子に対して安易な判別方法を与えてしまっているせいもあると思います。


だから私がここでできるささやかなアドバイス。
文章問題が苦手な子とその保護者の方へ。

★いきなり式を立てるのをやめましょう

最初にすべきことは、書かれている文章の状況を正確に把握することです。
「違いは」とか「合わせて」とか「どちらが」とか、そういうキーワードを探す前に、合わせるとはどういうことなのか、違いとはなんなのか、そういうことをきちんと考えましょう。

★問題を絵に描きましょう

問題文の内容が正確に図示できるかどうか。
これがとても大切です。
わり算とかひき算とかの計算方法は、求めたい答えを得るための方法にすぎません。
まず今どんな状況で何を求めればいいのか、それが把握できてはじめて解き始めることができるのです。
とにかく面倒でも、いちいち絵にかきましょう。
いきなり全体を描くのは最初は難しいと思います。
苦手な子は、一行一行声に出して読み、一行ごとを絵になおしていきましょう。


★文章ではなく絵をみながら解きましょう
正しく読解できているのなら、人が書いた問題文よりも自分が描いた図の方が絶対に状況がわかりやすいはずです。
もう問題文は必要ありません。
自分の絵をもとに問題を解きましょう。
式をたてるのであればこの後です。
極端な話式なんかなくても、正しく絵さえかけてればほとんどの問題は解けます。
「習ってないから解けなーい」
なんて言う子は、相当学校や塾の「型どおりな解き方」に毒されています。



他にもこまごま言いたいことはありますが、とにかくまずは文章を図にできる力を養う。
これに尽きると思います。
ちなみに上に挙げた「4枚のおりがみ」の問題が解けなかった子に、問題文を絵にしてもっていらっしゃいと指示したら、全員が紙切れを4枚だけ描いて持ってきました。
「これって何色なの?水色?ピンク?」
と尋ねても
「・・・・・・?」
と首をかしげるばかり。
これでは解けなくて当然ですね。
この子たちはずつという言葉の意味が曖昧だったようです。
今までも問題文に何度も出てきた言葉ですが、今まで解いてきた問題は「ずつ」を読み飛ばしていても出てきた数字をたしたりひいたりすれば解けてしまったのです。
一緒に辞書などで「ずつ」の意味を確認し、あらためて正しい図を書きました。
もう同じような言葉にひっかかることはないと思います。





【追記】
このような授業を進めるために問題文を作ってる途中で、すでに文章を絵にさせて解く方法を確立して実行されている方を知りました。
どんぐり倶楽部の糸山泰造さんという方です。
ツイッターのフォロワーさんが教えてくださったのですが、使われている問題文も私がやりたかったようなものズバリなもので、ちょっと悔しいやら、でも実際に成果をあげている方がいて心強い気持ちになりました。
まだすみずみまでHPをチェックしていないのですが、参考にさせてもらって、ますます子供の力を伸ばせる授業をしたいと思います。

【追記の追記】
どんぐりさんのHPをもう少し詳しく見てみたのですが、「いい方法だな」と思う反面、「私だったら違うかな」というところもあったり。
どちらがいいというわけではないと思うので、現場で子供を見て、よりうまくいく方法を模索していきたいと思います。

国語教室 算数の文章問題

2012年04月14日 | 子育て・教育の話
国語教室の「読み取り」を学ぶ授業では、算数の問題なども扱います。
うちは基本的に学年関係なく、レベルにあわせた授業をしているので、算数の問題も学年を無視して出題します。
こないだせっせと作った問題を紹介します。



水色のおりがみとピンク色のおりがみが、4まいずつあります。
ピンク色のおりがみは なんまいあるでしょう?


学校の文章問題に慣れてる子は、ここで一瞬たちどまります。
計算・・・・・・しない?
ってな具合に。



おだんごを6人でたべようとおもいます。
1まいのおさらに 3このおだんごをのせます。
おさらはなんまいいりますか?
また、おだんごはいくついりますか?


かけ算でこたえる問題ですが、1年生や2年生など、まだかけ算をならっていない子にも解いてもらいます。
人間を6人、お皿を6枚、お皿にだんごを3個ずつ絵に描いて、数えてこたえれば正解!です。



こうえんに4人のおともだちがあそんでえいます。
ひろしくんが、おともだちを2人つれてやってきました。
あやちゃんが、いもうとといっしょにやってきました。
こうえんにはぜんぶでなんにんいるでしょう?

これは数字になっていない情報を数字としてカウントできるかを問います。
きちんと絵にかければかぞえられます。



問題の中には100をこえるたしざんやわりざんがあります。
それに割り算で解いたり、場合によってはマイナスになってしまう問題も・・・。
でも、たとえ習っていなくても文章を正確に読み取って図示できれば、幼児でも解けるようにこころがけてつくりました。



というわけで、日ごろ国語教育の実験対象になってもらってるうちの幼児コロラン(もうすぐ6歳)に、今回も実験してみました。


ゆうとくんと、とおるくんと、みかちゃんと、まゆみちゃと、あみちゃん。
みんなでじゃんけんをしました。
おとこのこはちょきをだして、おんなのこはぱーをだしました。
じゃんけんでかった人は なんにんいるでしょう?
また、じゃんけんで みんながだしたゆびのかずは いくつでしょう?


数字がいっさい出てこない問題です。
1問目なので
「こうやって絵を描くんだよ」
と、私が娘と相談しながら描き描きしました。

性別を「くん」「ちゃん」で判断しながら、どのこがチョキでどのこがパーなのかかきこんでいきます。
コロランはたしざんについて少しだけしっているので、式をたててみましたが、知らなければ数えるだけでOKです。




ハート、ほし、おはなのかたちのいれものに、ボールが7こずつはいっています。
おはなのいれものからハートのいれものへ、ボールを3つうごかしました。
ほしのいれものからおはなのいれものへ、ボールを1つうごかしました。
ハートのいれものからほしのいれものへ、ボールを4つうごかしました。
それぞれのいれものに、ボールはいくつずつはいっているでしょう。
また、ぜんぶでボールはいくつあるでしょう。


これはちょっとややこしそうな問題です。
最初のボールの状態や、ボールがどう動くのかをよく読み取れないと解けません。
さっきの問題は私が手伝ったので、今回はいれものだけ私が描いて、あとは自力でやらせてみました。
一読したときは
「わかんないー!!」
と、言っていましたが
「動かしたらきえるからー」
「こっちにいってー」
とか口ずさみながらボールを描きいれて、矢印で動かして・・・・・・。











できた!!!





想像以上にうまいこと解いてくれました。
コロランはたし算やひき算を少しだけしっていますが、指で数える程度の実力です。
読み取りさえできていれば、ちゃんと幼児も解けるということを証明してくれました。
サンキュー、コロラン!

しかもこのあと全部の合計を
6+10+5=21
と、ちゃんと式を立てて出してくれました。
やるじゃん。



幼児さんも低学年さんもちょこちょここういう問題を解いてみようと思います。
式を立てる前に絵にする。
状況を考える。
そういう訓練をしっかりしていこうと思います。

自分の特性を知る

2012年04月12日 | 子育て・教育の話
私が塾で一番気を使っているのは、教え方よりもその子の特徴をつかむことです。
教えるのがうまい人はたくさんいます。
教育番組の授業はとてもわかりやすいし、問題集や参考書もほんとによくできています。
でもその子の顔を見て、その子がどういう子なのかふまえて教えることができるのは、面と向かって勉強を教えている人だけです。


短期講座などの場合は、講座が修了した時点でわかったことなどを、本人や保護者の方にお伝えします。
昨年度末におこなった中学生の講座もいろんな子がいました。
以下は8回の講座終了後に、私がその子たちアドバイスした一例です。


テンポよく覚えてテンポよく忘れてしまうタイプ
授業で習った瞬間にすぐ理解します。
問題もすらすら解けるので、どんどん前にすすんで余裕の表情でみんなを待ってます。
でも次の授業になると前のことをすっかり忘れているタイプ。
この子は理解する力はあるので、記憶を継続させる訓練が必要です。
だから一度家に帰ってから「思い出す」作業をすることをおすすめします。
親や友達などを相手に、習った内容を伝える。
入れた情報をそのままにしないで、何度もひっぱりだすことが記憶を固定化します。


周りの目が気になってなんでも隠そうとするタイプ
自尊心が強いこの子は、悪い点数や間違いを隠そうとします。
みんなの前で間違えるのを極端に嫌うので、考えてもなかなか意見として口に出してくれません。
隠そうとすることに神経を使うので、そこでかなり損をしています。
それに本当はどんなふうに理解しているのかが指導する人にも伝わらないので、適切なアドバイスがうけられません。
この子は思い切ってできていない自分をえいやとさらけだすといいと思います。
恥ずかしいという気持ちは、もっと伸びたいという欲求です。
できない自分を自分にも他人にも認めてもらい、数ヶ月後に「あんな自分が、こんなにできるようになった!」と見返してやるつもりで学習しましょう。

真面目な心配性タイプ
宿題もきっちりやるし、話も一生懸命聞く、伸びようという意欲もある。
申し分ないように思えるこの子はこわがりタイプ。
先生の話をひとつでも取りこぼすのが不安で、常にメモをとりながら聞いています。
でも「全部一つ残らずメモしなくちゃ!」と、なんでもノートに書き留めるので、余談も重点もいっしょくたになってしまいます。
「書く時間はあげるから、今は話に集中して」
と言っても、つい手を動かしながら聞いて、内容をうまく理解できなかったり・・・。
この子はまったくメモをできない状況で、いかに情報を聞き取れるかという訓練が必要です。
全部を覚えようとしないで、絶対押えなくてはいけないことのために、思い切って削るという勇気を持ちましょう。

雰囲気に流されやすいタイプ
楽しくて話をするのも上手。みんなが笑ってくれるといい気分になっちゃうお調子者なこの子。
でも聞く力は人一倍弱いのです。
先生が話をしているときに数人が雑談をしていると、いつも一緒になっておしゃべり。
ところが最初に雑談をしていた子たちは、話をしながらも意識の半分は先生の方に向いていて、今何をやっているのかわかっています。
この子だけは、完全に100パーセントの力でおしゃべりしていて、
「さあやりましょう」
といったときに一人だけ
「え?なに?」
ということになるのです。
自分は聞く力が弱いということをよく心得ておいてください。
まわりと同じような調子でしゃべっていると、どんどん自分だけ遅れて行ってしまいます。

寡黙な自己完結タイプ
とても真面目で真剣に話を聞いてくれて、私語なども一切せずにがんばっていますが、要領のよいタイプではないようです。
情報を入力することに一生懸命ですが、それだけで理解・記憶しようと思うと限界があります。
自分の中では理解しているつもりでも、それをめったに表にださないので、いざというときに知識があやふやだったりします。
この子は意識的に出力=外に出すという作業を行うことが大切です。
習った内容を、自分なりの文章にしてみる。
あえて発言してみる。
人に伝えてみる。
入れることにはすでに頑張っているんで、どんどんそれを外へ出してみる学習をおすすめします。




とまあ、こんな調子で、その子の特長とおすすめの学習方法をアドバイスするわけです。
本気で伸びようと思うなら、ただできる人と同じことをしようとしないで、まず自分はどんなタイプなのか、どんなやり方があってるのかを考えて学習してゆくといいと思います。

国語教室 授業の内容(園児さん)

2012年04月06日 | 子育て・教育の話
いよいよ国語教室の授業がはじまりました。
どんなことやってるのかナゾだって思ってる人が多いと思うので、内容を紹介します。
おうちでもできることも結構あるので、ぜひためしてみてください♪
今日はひらがなの読み書きがまだの園児さんの授業の一例です。



★古文などの音読
授業では毎回音読の時間を設けています。
読む作品は月がわりで、今月は枕草子の第一段春はあけぼの~冬まで。
これを毎回読みます。

読むっていっても、まだ平仮名を読めない年齢の生徒さんなので、先生に続いて繰り返す形で行います。


先生「春は」     生徒「春は」
先生「あけぼの」   生徒「あけぼの」
先生「ようよう」   生徒「ようよう」
先生「白くなりゆく」 生徒「白くなりゆく」


って感じ。
ただ繰り返すと退屈なので、なんとなく意味がわかるように、ちょっとおおげさな読み方をしてみたり、ジェスチャーしてみたりして読んでます。
中学生で読むような古文ですが、結構園児さんでもノリノリで読んでくれます。

これは聞く力を鍛えることが狙いです。
知らない言葉でも、まず耳に入った言葉をそのまま正確に口に出せる。
苦手な子は、知らない単語になると途端に何も言えなくなったり、もとの言葉とは全然違う音を口にしたりします。
英語でもこういう練習方法ありますよね?
音さえ聞き取ることができたら
「○○はどういう意味?」
と後で質問することもできます。
まずはきちんと聞き取ることが大事です。

もう一つの狙いは、日本語の音やリズムを感じてもらうこと。
はじめての文章でも、音やリズムが身についているとわりとすんなり読めるようになります。

そして読めなくても

こんな感じの本文のプリントを手元に置いて読みます。
繰り返して読むうちに頭の中に言葉が入ってきたら、自分が声に出している言葉はどのあたりなのか、目で追ってもらいます。
知らない単語をいきなり読まされるよりも、知ってる文章を読む方が苦痛に感じにくいのです。
この時期の子の音読は、文字を読むための準備も兼ねているわけです。

また、古い言葉の響きを知ることで、現代の言葉への流れに気付いてもらうことも期待しています。
古文の文法や言葉は現代のものとはだいぶちがいます。
でも完全に全く違うものに変わったわけではなく、今の言葉の中にも古い時代の面影が残っています。
そして現代語も、面影を残しつついずれ変化してゆくはずです。
言葉は生き物であり、時代や場に合わせて変わってゆくもの、だから辞書や先生に習った意味を鵜呑みにするのではなく、その時その場にいちばんぴったりな言葉を選んでいってほしい。
そのためにも、別の時代の日本語を知っておくということはとても大切なことだと思います。


★運命のひらがな

2月ごろに書いた「ひらがなはこうやって覚えました」で紹介した「ひらがなつみき」を使っています。
つみきを袋に入れて、中身を見ないように2~3個ひいてもらって、それをその子の「今日の運命のひらがな」とします。
まずは読み方を教えて、形を指でなぞってみたりしてその文字を覚えてもらいます。
ひっくりかえしてイラストから文字を探したり、いろんな積み木とまぜて自分の運命のひらがなを探したりします。
かさばるからカードにしようかとも思ったのですが、このくらいの年齢の子だとやっぱり手触りがしっかりしている積み木の方が扱いやすいし、記憶にも結びつきやすいように思います。


生徒さんには1人1枚ずつ平仮名一覧表があり、積み木と見比べながらその表の中にある運命のひらがなを探してもらいます。
みつけたら私がその日の日付を書き込みます。
これはそのまま覚えた文字のチェックシートになるわけです。

読みを覚えるには「同じ文字を探す作業」というのが結構効きます。
そのカルタや積み木ならよめても、手書きや違うフォントでは読めないというパターンが結構あるのです。
だから積み木はその日の授業中、ずっと手元においてもらって、絵本や音読プリントなどで同じ文字が出てきたら、すぐに「あった!」と積み木を掲げてもらうことになっています。
ドリルの順に覚えるのもいいけど、こういう与えられていないランダムな出会いの方が、生徒さんもほんとうに「運命」を感じてもらえていいんじゃないかなーと思います。
そうやって授業を重ねるごとに、読める平仮名を少しずつふやしてゆくわけです。

★読み聞かせ

いろんな文章の読み聞かせを行います。
絵本なら、まず絵だけみてストーリーを想像してもらってから読んだり、読んだ後に「どんなことが書いてあった?」「誰が出てきた?」と内容について質問したり。
できるだけさまざまなジャンルの文章を読んでいきたいので、読み物だけではなく、子供向けの新聞でニュースの記事を読んだり、計算はできなくても算数の問題を読んでみて、どの数字が何をあらわしているのか考えてみたりします。
文章を読んで内容をつかむ練習がメインですが、ついでに授業で出会った文から世の中のことやそれに関連する語彙、情報を得られると、後でそのジャンルの文に出会ったときにも理解しやすくなります。

もちろん積み木はずっと手元に置いてあるので、読んでる途中でちょこちょこ
「今の言葉、誰の運命?」
と尋ねたりします。



こんな感じでだいたい45分程度の授業を行います。
内容は毎回かならず一緒ではないですが、音読・文字・読み物の組み合わせのパターンが多いと思います。
一回こっきりな授業ではなく、その子にとって知識や技術が少しずつ積み重なって行くような、連続性のある内容にしたいと思っています。


たくさん教えて勉強もしてきたつもりだけど、まだまだ自分自身の経験や知識の足りなさを感じます。
奥深くて、親しみやすい、なおかつ楽しい授業ができるように精進してゆくつもりです。