衆院選で自民党はどこまで議席を減らすのか。岸田首相は「未来選択選挙」と意気込んでいるが、立憲民主党の新人候補に苦戦を強いられている閣僚経験者すらいる。
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立憲が今月初旬に行ったとされる情勢調査によると、新人候補が立つ84選挙区のうち自民相手に善戦しているのは13選挙区に上る(別表)。千葉8区は立憲が10ポイント近く先行し、他はいずれもプラスマイナス5ポイント差の接戦だ。
注目すべきは、閣僚経験者を擁する千葉8区、福岡5区、長崎4区、沖縄4区の4選挙区。立憲新人の“ジャイアント・キリング”もあり得る。
千葉8区の桜田氏は元五輪担当相、福岡5区の原田氏は元環境相、長崎4区の北村氏は元地方創生相、沖縄4区の西銘氏に至っては現職の復興相だ。
不人気にあえいだ菅前首相の辞任前に比べ、13選挙区のうち10選挙区で自民候補の支持率は若干上昇してはいるが、岸田政権に看板を替えても、回復力は弱い。立憲にリードを許しているか、思うように突き放せていない。
総裁選で高市政調会長を真っ先に応援した高鳥氏(新潟6区)や、公設秘書が当て逃げした武井氏(宮崎1区)も苦戦中だ。
武井氏は総裁選後、岸田総理誕生に「同じ宏池会として感無量」と感激していたが、なぜか、武井氏への支持は菅政権時よりも下がっていた。ただでさえ低調だった「ご祝儀相場」の恩恵すら受けていない。 立憲新人の13勝なるか。
Dappi運営会社と“安倍の懐刀”自民党事務総長・元宿氏との関係! 社長は“自民党事務総長の親戚”を名乗り、元宿氏の親族の土地に家を
公式Twitterより
Twitterで野党やマスコミ叩きをしている有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の発信元が自民党と取引がある広告・ウェブ制作会社だったことが判明した問題で、ついに核心に迫る大スクープが飛び出した。「しんぶん赤旗 日曜版」10月24日号が、〈この企業の社長が、自民党本部の事務方トップ・事務総長の親戚を名乗り、自民党本部や国会などに出入りしていた〉と報じているからだ。
この「自民党本部の事務方トップ・事務総長」というのは、自民党の金庫番として裏仕事をすべて仕切り、“陰の幹事長”の異名もある元宿仁なる人物。じつは、本サイトでも15日に問題の広告・ウェブ制作会社・O社と取引がある「システム収納センター」について報じた際、同社が自民党のダミー法人であり、岸田文雄首相や甘利明幹事長が過去に同社の代表取締役を務めていただけではなく、〈元宿仁事務総長が深く関わっているとの情報もある〉と報じた。
実際、「システム収納センター」の登記簿によると、元宿氏は少なくとも1998年から、2010年7月末まで、同社の取締役に就いていた。
だが、今回の赤旗報道では、取引先でなく、本丸のDappi運営会社O社の社長自身が、元宿事務総長の親族だというのだ。
「しんぶん赤旗 日曜版」では、自民党関係者が「その社長とは会ったことがある。『元宿さんの親戚』と紹介され、本人もそう名乗り、名刺交換もした。自民党本部や都連を闊歩していた」と証言し、紙面ではその名刺も掲載。
さらに、「しんぶん赤旗 日曜版」ではこの証言だけではなく、元宿事務総長とDappiの運営をおこなっていたと見られるO社社長の「関係」に踏み込む証拠も掴んでいる。記事には、こうある。
〈ここに、元宿氏の家族(群馬県在住)の不動産登記簿があります。問題の会社社長は17年5月、同地に建物を新築していました。〉
〈社長はその際、住宅ローンを組み、その取引先が、りそな銀行衆議院支店でした。〉
なんと、元宿事務総長の家族が所有する土地にDappi運営会社と目されるO社社長が建物を新築し、その住宅ローンの取引先銀行は衆議院第1議員会館内にあって原則、国会通行証を持っていないと入店できない支店に設けられている、というのだ。
Dappiの運営をおこなっていたと見られるO社の取引先銀行にも「りそな銀行衆議院支店」が挙げられていたことから、ネット上では「一般客は利用できない支店なんだが」「国会関係者にとっては入金が便利なはず」などと憶測を呼んでいたが、会社として取引していただけでなく、社長が金を借りていたというのだ。
いや、それ以前に、このDappi運営会社と目されるO社の社長が元宿事務総長の家族所有の土地に建物を新築していたというのだから、両者の関係は尋常ではない。もしかすると、自民党事務総長である元宿氏がDappiの仕掛け人なのか。
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