22年ぶり自国開催となった世界選手権が幕を下ろした。

競泳の日本代表はメダルなしに終わった94年ローマ大会後では最低となる銅メダル2個(男子400メートル個人メドレー=瀬戸大也、男子200メートルバタフライ=本多灯)。目標に掲げた前回超えの5個には届かず、決勝進出も18レースと全体の約30%にとどまった。

外国勢が世界記録を連発する中で、日本記録はゼロ。開幕まで1年を切ったパリ五輪へ多くの課題を突きつけられた。

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連日大歓声に包まれた8日間の競泳を終え、21世紀に入って輝きを取り戻していた「競泳ニッポン」は現実を突きつけられた。

パリ五輪に向けたプロジェクトチームの平井伯昌リーダー(60)は「正直に言うと『弱くなる時は、こんなに一瞬なんだ』という感じがある」と危機感を募らせた。

◆緩めた代表選考

選考会だった4月の日本選手権では、今回の代表40人のうち、入賞候補の派遣標準記録突破者は10人。多くの選手を国際舞台に立たせる狙いから、大所帯で世界選手権に臨んだ。横山貴ヘッドコーチ(HC)は「パリをすごく意識している選手と、福岡に出ることが最優先の選手が二極化した」。梅原孝之強化委員長は「パリに向けては勝負の集大成」とし、選考基準を上げて絞ることを示唆した。

◆代表合宿の減少

日本選手権直後、世界選手権直前以外に全体がそろう合宿を行えなかった。コロナ禍で合宿を避けてきた流れを引きずり、平井リーダーは「選手とコーチ個人で頑張っている感じ。20年前に戻ってしまった」と各所属先に委ねる形の現状を分析。過去にオーストラリアとの対抗戦などで競い合った例を出し「強かった時にはどんな要素があったのか、もう1度考えないといけない」と代表として高め合う環境の利点を示した。

◆春からの調整

今大会の日本新記録はなし。日本選手権からタイムを落とす選手が大多数となった。強豪オーストラリアや米国は大会1カ月ほど前に選考会を行うが、日本は春に選考会、夏にかけての海外遠征や合宿が通例。平井リーダーは「いろいろ考え直す時期にきている」と中長期的な目線で日程を見直す可能性にも言及した。【松本航】

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