【東京①】東京8区では「れいわ・立憲」の共闘前進! 石原伸晃氏の街頭演説に不吉な予兆
○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。左印は政治評論家・野上忠興氏、右印は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。(前)は比例で当選。
◇ ◇ ◇
【東京8区】
▲▲石原 伸晃64自前
△△吉田 晴美49立新
笠谷 圭司41維新
れいわ新選組の山本太郎代表の出馬表明→撤回で、全国的な注目を集めることになった選挙区。山本の“大人の対応”に続き、共産も候補者を降ろし、吉田への野党一本化が一気に進んだ。22日には、阿佐ケ谷駅前で行われた山本の遊説に、吉田が“サプライズ登場”の演出でツーショット。山本が「この人を、ここ杉並から勝たせてください」と吉田を紹介すると、拍手で迎えられた吉田が感謝の弁。“しこり”解消で共闘体制が前進した。
これでますます苦しいのが連続当選10回、党幹事長経験者ながら、すっかり存在感のなくなった石原。前回選挙で野党が一本化していたら負けていただけに、山本が撤退したとはいえ、まさかの落選が現実になりつつある。
公示日の石原の第一声。集まった支援者らはみな「今回はいつもと違う」と危機感を口にした。そして、石原が街宣車に立って演説を始めると、大きなサイレンの救急車が……。いったん止めた演説を再開すると、今度はカラスがカアカア……。不吉な予兆だ。
【東京1区】
▲▲山田 美樹47自(前)
△△海江田万里72立前
▲小野 泰輔47維新
内藤 久遠64無新
山田VS海江田の毎度の戦いに、昨年の都知事選で4位だった小野が参戦。次は「副議長ポスト」を狙っているらしい海江田が若干先行するが、決め手に欠ける。
【東京2区】
△△辻 清人42自前
▲▲松尾 明弘46立(前)
木内 孝胤55維元
北村 造38れ新
出口紳一郎48無新
下町の選挙区にどの候補も馴染め切れていない。松尾は前回、繰り上げ当選。野党乱立が痛い。
【東京3区】
▲▲石原 宏高57自前
△△松原 仁65立(前)
香西 克介45共新
石原vs松原は7度目の対決。戦績は石原の4勝2敗。松原は野党統一ならずも、今夏の都議選で、選挙区内に立憲の女性都議2人が誕生したことがプラス効果
東京6区の落合貴之氏は「東京の立憲の隠れたホープ」
【東京4区】
○○平 将明54自前
谷川 智行50共新
林 智興45維新
石破派かつ河野太郎側近の平が強い。
【東京5区】
△△若宮 健嗣60自前
▲▲手塚 仁雄55立(前)
田淵 正文63維新
立憲の東京都連幹事長として都内選挙区での共産党との候補者調整を仕切ったのが手塚。5区も共産党が降り、チャンスなのだが……。
【東京6区】
▲▲越智 隆雄57自(前)
△△落合 貴之42立前
碓井 梨恵36維新
小選挙区で3勝してきた越智は前回、落合に敗れ、比例復活。今回は、さらに落合に引き離されつつあり、「比例復活すら危うい」情勢。
「越智通雄・元金融再生委員長の息子の越智さんは、総務会長に抜擢された福田達夫氏とは、いとこ同士。ともに福田赳夫元首相の孫にあたる。かたや党三役、こなた当落線上。対照的です」(自民党関係者)
みんなの党→維新→立憲の落合は、好青年タイプのうえ、地道な活動で地元に浸透。「東京の立憲の隠れたホープ」(党関係者)との声も上がる。
【東京7区】
松本 文明72自(前)
○○長妻 昭61立前
辻 健太郎35維新
猪野 恵司38N新
込山 洋47無新
すっかり野党のテッパン選挙区になった。
投票呼びかけに松本人志が「軽い感じで行かれてもよくない」と上から目線発言! 対照的に星野源は投票のハードル下げるススメ
『ワイドナショー』番組HPより
菅田将暉や二階堂ふみ、コムアイらが投票を呼びかけ、注目を集めている「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」だが、ここにきて足を引っ張る動きも見られる。昨日、報じたローラへの差別攻撃だけでなく、ネットには「芸能人がまた政治に口を出している」「顔ぶれを見たら反自民」「政治知らない奴がこんなことやるな」などという的外れな批判がばかりだ。
さらに、あの松本人志の口からは、「軽い感じで(投票に)行かれてもよくない」と水を差すような発言が飛び出した。
24日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)で菅田らの投票呼びかけが取り上げられたのだが、ワイドナティーンの伊藤小春が「18なので投票権は持ってるんですけど、まだ行ったことがなくて。専門的な知識もないし。行っていいのかな、みたいな」「そんな浅い知識で投票していいのかな、みたいなのがあって」と発言。
こうした不安には「それでも行ったほうがいい」というのが普通だと思うが、松本人志は、「いまの働きかけ、素晴らしいと思う」と前置きしながらも、こう語ったのだ。
「ちょっと補足したいのは、ある程度勉強してから行ってくれ、と。軽い感じで行かれても、よくないと思うんですよ。もうちょっと勉強してからということと。それから、今回だけじゃなくて、今回から行こうっていうふうに、もっと訴えかけてほしいな」
「これはたぶん5年、10年かかると思うねんけど。なんとなくだけじゃ、どんどんおかしな方向に行く可能性もあるので」
毎週毎週、床屋政談以下のコメントで、政治や社会状況に関する無知をさらけ出している松本が上から目線で何を言っているのか。「お前こそもうちょっと勉強してから、情報番組に出演しろ」という話だろう。
いや、それ以前に問題なのは、この「勉強してから選挙に行け」「軽い感じで行かれても」という発言自体が、民主主義否定につながりかねないことだ。当たり前だが、民主主義では、あらゆる人に投票する権利がある。政治についてまったく勉強していなくても、中途半端な知識しかなくても、それぞれの立場、意識で投票に行っていいのだ。
実際、政治に詳しくない人の声が間違っているとは限らないし、その意見が本質を突いていることもある。社会のありようや自分の置かれた状況への怒りや不満をもっているなら、投票にいくべきだし、その1票が社会を良くする可能性は十分あるだろう。
そして、政治に関心のない人が投票することで、政治への参加意識が芽生え、政治について関心が高まっていくという効果もあるはずだ。
松本のように、きちんと投票できるようになるまで「5年、10年かかる」などと言っていたら、それこそ政治は自称エリートたちだけのものになってしまうだろう。
しかも、松本は投票に行く人に対して「少し勉強しておいたほうがいいよ」とアドバイスしたわけではなく、「軽い感じで行かれても」と、その投票行動を抑圧しようとしていた。いったい何様なのかという話だろう。