つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

モンスターの系譜・ヴァンパイア~「妖(あやかし)の君」の巻

2018年01月15日 22時49分19秒 | 手すさびにて候。

ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第七十弾は「(女)吸血鬼」。

「吸血鬼」は、このカテゴリーの前回投稿…「人狼」と同じく、
古くから、人の心の闇に棲むモンスターの代表格だ。

@黒いマントを羽織った色白で銀髪の男。
@十字架とニンニクが嫌い。
@日光に弱く、浴びると灰になる。
@白木の杭で心臓を貫かれると死ぬ。
…これらは、ルーマニアの「ドラキュラ伝説」を下敷きにした小説や映画などによって、
広く浸透した紋切り型のイメージ。
世界各地に残る伝説上の吸血鬼は、男だったり女だったり、
禍々しい怪物だったり、動物の姿をしていたり、形相様々ながら、共通した要素もある。
@一度死んだ人間が蘇り、不死者になる。
@生命の根源「血」を求める。
@噛まれた者も吸血鬼となる。
…こうした伝染病の蔓延を連想させるのは、
やはり「人狼」と似て、未知の恐怖が具現化したものではないかと思う。

さて、今拙作のモチーフは、前述「ドラキュラ」の原型になったと言われる作品だ。

主人公は、オーストリアの城郭に暮らす、18歳の孤独なお嬢様「ローラ」。
ある日、彼女の前に同じ年頃の美少女「カーミラ」が現れた。
縁あって2人は寝食を共にすることになるが、
「カーミラ」の挙動には、おかしな点が多々あった。
起きてくるのは毎日正午過ぎ。
食事はチョコレート1杯だけ。
賛美歌に嫌悪感を示す。
いささか度を越した奔放な愛撫と接吻。
友人ができたと喜ぶ「ローラ」は、奇妙に感じながらも、それらを赦していた。
「カーミラ」に魅入られていたのだ。

やがて、城の周辺の村で異変が起き始める。
何人かの女性が相次ぎ死亡し、熱病の流行が噂された。
そして、いつしか「ローラ」も体調不良を覚え、病の床に臥せる。
全ては「カーミラ」の仕業だった…。

恐怖と陶酔、妖美に満ちた『女吸血鬼カーミラ』は、
怪奇小説の傑作にして、耽美小説の古典である。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« モンスターの系譜・人狼。~... | トップ | モンスターの系譜・人造人間... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿