風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

武蔵村山・魅力体験ツアー 2

2017-06-14 | 東京
その1からの続きです。

● みどりの足湯

昼食をすませて、建物の外に出ました。
ここは村山温泉かたくりの湯。
せっかく温泉敷地内まで来たのに、時間の都合で入浴できないのが残念でなりません。
「今年になってから、まだ温泉に入ってないんだー」
「温泉につかりたかったな~」
「ゆっくりしたいな~」



ブーブー言いながら、偶然再会した友人と3人で、外にある足湯コーナーに向かいました。
せめて足湯は入っていこうと思ったからです。
しかし湯船をのぞくと、目にまぶしいバスクリン色でした。
一気にほとばしる我が家感。温泉なのに、なぜ入れたのー?



そしてそばには、一足先にランチを終えたJ:COM TVのカメラマンたちもいました。
私たちに満面の笑みを向けて「入って!さあ、入って!!」とうながします。
足湯シーンを撮りたいからだそう。脚の方にカメラを向けられて、緊張しました。



温泉とバスクリンのダブル効果でしょうか。暖かくて、身体の芯からほかほか温まりました。
足湯から出て、足をふいている二人をこっそり激写。

● 東京狭山茶・茶畑見学

それからバスで移動して、茶畑に行きました。
静岡茶、宇治茶と並んで日本三大茶と呼ばれる狭山茶。
「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と謳われます。
距離的に一番身近な場所にあるのに、一番なじみが薄いお茶なので、今回は学べるいいチャンス。

とはいえ、狭山茶とは狭山丘陵の北麓側の埼玉で採れるお茶を指します。
この辺り一帯は、狭山丘陵の南麓側のため、厳密には狭山茶とはいいません。
「東京狭山茶」という名前になりますが、東京がついても、埼玉の狭山茶と同じ品質なんだそう。



茶畑で、狭山茶についてのレクチャーを受けました。
ここで取れるお茶は、肉厚の新芽が特徴的で、お茶大国の静岡でも作れないのだとか。
蒸しづらいほど茶葉が分厚いそうです。



ちなみに宇治茶をブレンドしたお茶を出しているのが、山本山社なんですって。
幕末、開港した横浜に、関東の生糸が八王子経由で集まった道は「横浜のシルクロード」と呼ばれます。
お茶は生糸に次ぐ輸出品となり、やっぱり狭山方面から八王子を経て横浜に運ばれて、海外に輸出されたそうです。
つまりお茶のシルクロードもあったんですね。ティーロードっていうのかな。



● 私有地はけものみち

「ではここから私有地を通って次の場所に行きます。許可は取ってあるので、大丈夫」
そう言われて、みんなで「私有地」の看板を超えて進みました。
次第に道は細くなっていき、人がひとり歩くのがせいいっぱいの、けものみちのような小道になりました。



どんどん山の中に分け入っていきます。
この先になにがあるのか、まったくわかりません。
まあ、天気はいいし、これはこれで楽しいものです。



● 里山民家

どんな山奥に入って行くんだろうと思いながら起伏のある細い小道を進んでいくと、突然、視界が開けて舗装道路に出ました。
あれ?
秘境に分け入っていったのではなく、近道をしただけでした。

目の前に広がっているのは、野山北・六道山公園。
面積1,323,900m²で、都立の公園では最大級なんだそう。
あれ、昭和記念公園は?
あそこは国営でした。

この公園の東側には多摩湖と狭山湖、西側には横田基地がある、なかなかドラマチックな地理です。



公園内には、大きな古民家がありました。
江戸時代の家屋が里山民家として整備されたそう。
母屋は徳川式で、中に入ると太い梁が通っています。
広い屋根裏は養蚕部屋で、天井からは繭飾りが下がっていました。



壁に「ふんごまっしぇえ!」と書かれていました。
これニホンゴ?
どこをとってもわかりません。
村山郷で使われていたことばで「あがってゆっくりしていきなさい」という意味だそうです。

● 渾身の藁細工作品

母屋の隣に立つ離れのふすまがガラガラと開き、人が出てきました。
エプロン姿で軍手をはめた女性が、籠のようなものを両手に掲げて「見て、七福神よ!」と言います。
見るとそれは、たしかに七福神が乗った宝船でした。
「わあ、すごい!」



見事な藁細工です。
素晴らしい出来ばえに驚きました。

あまりに私たちが喜んだからか、ほかの人が、別の作品も持ってきて見せてくれました。
「これが去年の宝船。鶴と亀もついているわよ」
「こっちもすごい!」

エプロン姿の方はわら細工講習会の先生で、この日は5時間コースで生徒たちに作り方を教えているそう。
先生渾身の作品を2つも見せてもらいました。
こんなのが作れたら、雪に閉ざさた冬の間も、暇を持て余さずに済みますね。
まあ、この辺りは、大雪で村落が孤立することはないでしょうけれど。



私たちがやんやと褒めそやすと「教室はいつでも参加者募集中です。いろいろなものが作れるようになるわよ~」と、先生にグイグイ勧誘されました。
もうちょっと横浜から近ければね~。

● 竹馬の友

母屋の外には、竹馬が立てかけられていました。
平成の世にはもう姿を消したと思っていた竹馬!
もちろん乗ってみますよ!



小学生以来です。(バランスとれなくなっちゃったかな~)と思いながらのトライ。
初めこそグラグラしましたが、すぐに感覚がよみがえって、サクサク自在に歩き回れるようになりました。



まさに「雀百まで踊り忘れず」!
あの頃が、一番運動神経がよかったのよね・・・(遠い目)



● 茶道か闘茶か

里山文化を満喫して、再びバスに戻り、市役所横にある市民レストランに着きました。
先ほど、茶畑の前で解説をしてくれた製茶組合の方々が、スタンバイしてくれていました。
これから、おいしいお茶の入れ方の手ほどきを受けます。
これも茶道というのかしら?



緑茶を淹れるのは70度くらいのお湯がよいと言われます。
「沸騰したては茶葉が煮えるから」と言われてきましたが、熱すぎるお湯は、苦みが出るからダメなんだそう。 
熱湯をそのまま注いだものと、湯冷ましにいったん入れて、熱を下げたものとを飲み比べてみました。
これも闘茶になるのかしら?



淹れ方では、色はそれほど変わらない気がします。
つまり、飲んでみないと分からないということですね。



飲むと、やはり湯冷ましで冷ました方が、まろやかな味になっていました。
お湯を入れてから1分間蒸らすので、その間にお茶は少し冷めてしまうのですが。

● 地元スイーツ

ひとしきり淹れ方を学んだあとは、地元名産のお菓子をいただきながらのお茶タイム。
3種類のスイーツがお皿に載っています。

まずは田舎屋の「手作り村山ゆでまんじゅう」。
皮にうどん粉を使っており、茹でて食べるんだそう。
もっちもちでした。



そして「むさし村山四季彩シフォン」。



ふつうのシフォンケーキは水分があまりなく、ドリンクがないと食べづらいのですが、これはかなりみずみずしく、揺らすとプルプル揺れます。
やわらかいー。



そして、ふだんよく見かける歌舞伎揚げの天乃屋は、武蔵村山に会社があると知りました。



● みかんの誤解

この辺りでは、みかんも有名だそうです。
採れたてのみかんは概してすっぱいものですが、愛媛で採れたみかんはこちらに運んでくるまで輸送時間がかかるため、食べる頃には甘みが増しているのだそう。
それを「愛媛産は甘い」と勘違いしている人が圧倒的に多いとか。
あれ、私も勘違いしていましたよ!?

(そういえば)と思い出しました。
静岡に住んでいた子供の頃、よく農家のおじさんにもぎたてのみかんをもらいましたが、どれも酸味が強かったため「静岡のみかんは酸っぱいんだ」というイメージをずっと持っていたのです。
あれー、私は大きな誤解をしていたのかもしれませんね。

みんなで狭山茶を飲みながら地元のスイーツをいただいて、この日のプランは終了。
今回参加したことで、私たちは「武蔵村山の魅力教え隊」になりました。
さっそくMM情報を発信しないとね!

ところでMMといったら、横浜人はまちがえようもなく「みなとみらい」だと思います。
しかしここでは「武蔵村山」になるんですね~。ところ変われば…。

● 立川アート

市役所で市内参加者たちとお別れし、私たちは立川駅前まで送ってもらい、そこで解散しました。
立川駅に向かう帰りの道すがら、いくつかのアートオブジェの前を通ります。
さりげなく、町の風景に溶け込んでいます。



一見見過ごしかけましたが、これ、普通の車じゃありませんよね。
細長いだけだし。きっと影ができたら本物っぽいんでしょうね。



● ゆるキャラ比較

かわいいゆるキャラ像を発見。立川市公認キャラクター・くるりんだそうです。
立川とうさぎって、なにか関係あるのかしら?
「うさぎ追いし、かの山~」がここだったのかな?(残念、長野の歌でした)

魅力教え隊になった以上は、武蔵村山のゆるキャラもチェックしないといけませんね。
ええと、武蔵村山のゆるキャラは・・・と。
調べてみたら、ねぶたのようなデエダラボッチ(大多羅法師)でした(えー)。



でも、魅力教え隊を募集している魅力づくり推進事業PRキャラクター・むむちゃんも、ゆるキャラっぽいかわいさでした(ホッ)。
身長がみかん3個分というのが、どこかのニャンコのようですが、気のせいですね(笑)。

● epilogue

これまでどこにあるのかもよくわからず、きっかけがなくて縁遠かった武蔵村山市ですが、市の方々に親切に案内してもらい、武蔵村山ならではのいろいろな体験ができて、以前よりもグッと身近に思えるようになりました。
東京で唯一電車が通っていない自然が豊かな市。また遊びに行きたいです。
次回はプリンスの丘公園で、王子ならぬスカイラインを見つけることも忘れずに!


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