風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

ウサギとカニに出逢う旅(山陰海岸ジオパーク) 1 [鳥取]

2013-11-15 | 中国(山陰)
● prologue
● 白兎海岸(G=ジオパーク)
● 道の駅 神話の里白うさぎ(G)
● 白兎神社(G)
● 湖山池(G)
● ホテル砂丘センター
● 蟹の恩返し

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● prologue

このたび、「山陰海岸ジオパーク」女子旅モニターに選んでいただき、現地を旅してまいりました。
「ジオパーク」とは、地球活動遺産を含んだ自然公園のこと。
三陸・佐渡・箱根・南紀熊野のジオパークを訪れたことがありますが、山陰海岸は初めて。
京都府京丹後市の経ヶ岬から鳥取県鳥取市の白兎海岸まで、鳥取・兵庫・京都と1府2県3市3町にまたがる海岸線を中心にした広大な敷地が、世界ジオパークとして認定されています。
今回は、そのジオパークエリアを、旅の友・花音と旅しました。
車で西から東に移動するルートにし、内陸の方にそれたりもしましたが、ここではジオパーク探訪をメインにした旅行記をご紹介します。

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● 白兎海岸

海岸通り沿いに車を走らせ、出雲の方から山陰海岸ジオパークの西端に入りました。



海の向こうに小島が見えてきます。そろそろ目指す白兎海岸です。



ここは、出雲大社に祀られている大国主命(オオクニヌシノミコト)が、泣いている白兎を助けたとされる海岸です。



「大黒さま」の歌が書かれた石碑がありました。音符つきです。
大きな袋を肩にかけ~ 大黒様が来かかると~
ここに因幡の白うさぎ~ 皮をむかれて 赤はだか~♪
歌いながら、砂浜に降りていきました。



国道9号線が海岸のすぐ横を通っているため、交通量はけっこうありますが、浜辺に出ると車の音は遠くなり、静かな海岸が広がっています。
砂浜が、他の海岸よりも少し白く見えるのは気のせい?いいえ、やっぱり白っぽいです。これも白兎にゆかりがあるのでしょうか。





沖に見えるのは、淤岐ノ島(おきのしま)。あそこから、白兎は鰐をだまして渡ってきたんですねー。
(鰐がフカのことだとわかったのは、かなり最近になってからだなあ)と思いながら、島を眺めます。
ちょうど夕暮れの黄昏時に差し掛かった頃。
海岸にさし込む光が、少しずつ淡くなっていきます。
ひと気のない砂浜に立っていると、なんだか切ないような気持ちになりました。



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● 道の駅 神話の里白うさぎ



「道の駅 神話の里白うさぎ」の前には、大国主命が白兎に語りかけているモニュメントがありました。
ここは恋人の聖地なんですね。大国主命が、助けた白兎の導きで、八上姫と結ばれたという伝説が元になっているのでしょう。
白兎の耳のたれ具合が、かわいい。

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● 白兎神社



すぐそばの白兎神社を参拝しました。
ここは地名も白兎なんですね。由緒の深さを感じます。
石段の両脇には、いろいろなポーズを取ったカワイイうさぎの像が立ち並んでいて、目を和ませてくれます。



渡りきったところには、寄り添い合う大国主命と八上姫の像がありました。
等身大以上の大きさの、砂でできたものです。
砂というとサラサラと手のひらからこぼれるものだというイメージが強いですが、これはギュッと固められていて、ちょっとやそっとの地震ではびくともしなさそう。
さすがは砂の王国、鳥取!
明日、砂丘に行くのが楽しみだわー。

境内は、国の天然記念物の指定を受けた原生林に囲まれています。
鎮守の林というところでしょうか。
参道右手には、白兎が身を洗ったという御身洗池がありました。
じゃあ、ガマの穂綿もあるかしら?



と思ったら、ありました!穂綿はついていないけれど、蒲が生えている所が。
伝説、至れり尽くせりです。
御身洗池は旱天や豪雨のときでも水かさが変わらない、不増不滅の池なのだそう。
(鹿島神宮の七不思議の神池もそうだったなあ)と、思い出しました。



参道左手に社殿がありました。
こちらの御祭神は、白兔神。あの白うさぎが祀られているんですね。
大国主命と八上姫との縁を取りもった縁結びの神様として、女性の参拝者が多いのだとか。
ほかには皮膚病にご霊験あらたかなんだそうです。
伝説由来ですね。女子には美肌も大事です。
評判通り、境内にいた参拝者はほとんどが女性で、ハートの絵馬がたくさん奉納されていました。
願い叶えたまえ・・・。お肌もできればつやつやに・・・。 



縁結びも大事ですが、私は狛犬チェックも欠かしません。
みんなも、忘れないであげてね。
ウサギ様を守るここの狛犬くんたちは、小ぶりの出雲型でした。

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● 湖山池

白兎海岸で夕暮れを見送ったら、あっという間に日が暮れてしまい、海沿いに車を走らせているうちにどんどん暗くなってきました。
長者伝説のある湖山池(こやまいけ)周辺を散策したかったのですが、辺りはもう真っ暗で、水面がよくわかりません。
なので、車から降りずに、そのままホテルへと向かいました。

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● ホテル砂丘センター

ホテルは坂をどんどん登った、小高い丘の上にありました。
「砂の美術館」の表示を見かけますが、暗くてなにも見えません。

ホテルというよりは研修所っぽい古めのお宿でしたが、部屋は広く、3部屋あってのびのび。
一番広い部屋を寝室にして、花音は洋室、私は座敷に自分の荷物を広げて、めいめいにくつろぎます。
「ここなら当分住めるね!」「それぞれ部屋があるものね!」と二人で言いました。

食事前にお風呂に入ろうと部屋の外に出ると、学生たちが引率の先生に連れられて、ぞろぞろとやってきたところでした。
総勢70人ほど。最寄りの大学の、AO試験合格者たちの研修旅行のようです。
ほかに、福祉系団体の全国大会研修も行われているらしく、そちらは各県代表のシニアな方々が集っていました。

学生たちはみんな、チェックイン後にすぐに食事のもよう。
女性が多いため、タイミングが重なったらお風呂が混んでしまいそう。
「私たちは先にお風呂に入っちゃおう」と、彼らと食事の時間をずらしてみました。

「やっぱり内申って、女子のほうが高いのね~」「でも私、推薦入試なんて受けられなかったよ」「私もー」
一般受験者同士、湯船につかってのんきに笑います。
早めに合格した彼らは、実際にはまだ高校生。
事前研修があったりするんですね。

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● 蟹の恩返し

入浴後に大食堂に行くと、高校生たちはまだ食事中でした。
大勢なのに、なんだかとっても静か。
(初顔合わせなら、打ち解けるまでちょっとかかるのかな)と思いながら席に付くと、目の前にはすばらしい光景が広がっていました。
蟹です、カニ!!
そりゃもう、ババーンと!!



びっくりしました。確かに今回は、カニづくしの夕食をチョイスしましたが、実際に見てみると迫力たっぷりです。
学生たちも、打ち解けられないというよりも、黙々と蟹と格闘していて静かだったようで、人ごとながら安心しました。

山陰は蟹の名産地。今月6日から解禁になったばかりです。
この時期を待ちかねているファンは多いようで、今回、海辺の宿はどこも予約でいっぱいで、空室を探すのが大変でした。



まさに冬の味覚の王様。
蟹まるごと一匹、蟹スキ大鍋、焼蟹、蟹刺し、蟹みそ、蟹身入り茶碗蒸し、そして蟹甲羅揚げ...
タイやヒラメの舞い踊りならぬ、蟹・蟹・蟹の大集合。
ここは竜宮城かしら?海の中ではなく、砂丘のそばにあるようだけど。
そういえば、プラン名は「蟹の恩返しコース」でした。



焼蟹と蟹スキの火をつけに来たウェイトレスさんが、満面の笑顔で「松葉ガニをたっぷりご賞味くださいね」と言ってくれました。
これほどの蟹を食べたことがないので、見ただけでお腹いっぱい。
これを食べきれる自信がありませんー!
でも、食べ切らないと、きっとあとで後悔するでしょう!
というわけで、砂丘で走りだすような気分で(=すんなりいかないもどかしさ)、圧倒的な量の蟹を食べ始めました。



ああ、どれもおいし~い。新鮮な蟹刺しのプリップリとした食感がたまりません。
食べるごとに「んんん~~!」と身悶えしました。
これはやっぱり、水揚げ港が近いからこそ堪能できるフレッシュネスですね!



はじめはテンション上がりまくりでキャアキャア言っていた私たちですが、そのうちに蟹一匹を食べる段階になり、無言になってきました。
いよいよ、大御所との対決です。(!)
私はカニフォークばかり使っていましたが、花音は器用に、そして豪快に、ハサミでジョキジョキと足を切っていきます。
見よう見まねをしてみたら、次第に食べる速度が上がっていきました。
それでも彼女のスピードにはとても追いつきません。
あたふたと格闘していたら、最後には救世主彼女に手伝ってもらいました。
「ありがとう、むいた分、食べちゃって~」「いいのよ、あなたがお食べなさい」
ああ、お母さーん。
実際には、かなり満腹になってきたため、お互い譲りあっているような感じでしたが(笑)



「私、カニが大好きで、短時間にいっぱい食べたいからなのよ」
そんな彼女でも、甲羅のさばき方はわからないようで、ネットを見ながら蟹味噌まで行き着いていました。
ネットを使って蟹味噌ゲットとは、便利な世の中になったものですね~。
私なら、お店の人に聞いちゃうんですが、そんな彼女の手つきを見て、私も蟹味噌にたどり着きました。
カニを一体丸ごといただいたのは、初めてです。ああ、贅沢。



学生さんたちはみんな食べ終わって、ぞろぞろと出て行きました。
一人ひとりが見るからに真面目そうですが(だって内申がいいから←まだ言ってる)、食後にはかなり打ち解けたようでした。
みんなこれからお風呂でしょう。もっと仲良くなってねー。
気がつけば、大食堂には、私たちだけになりました。
「ゆっくり食べていいですからね~。カニは時間かかりますからね」とウェイトレスさんに言ってもらって、安心します。



ラッキョウもついてきました。砂丘で育てたラッキョウだと聞いて、喜んでいただきます。
コリコリ、シャクシャクとした食感を楽しみました。
今は、ラッキョウの畑には、赤い花が咲いている頃かなあと思います。明日見られればいいんですが。



蟹は、食べても食べても、お腹が変にキツくなりません。
パンパンに張って、これ以上食べられないような感じでもありません。
おなかにやさしいんですね。

手が痛くなるほど蟹をむいて、ほぼ完食しました。
ああ、おいしかった~~。
食べ終わるまでに、ゆうに2時間はかかりました。
ああ、今日の私たちからは、蟹の香りが漂っていて、きっと猫に大モテでしょう。



部屋に戻ってから、お茶を飲んでのんびりお腹を休めてから、ロビーでお酒とアイスを買って、アフター蟹のプチパーティをしました。
お茶菓子は、二十世紀梨スイートサンド。土地柄嬉しいわ。

翌日に続きます。

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     ◆ 山陰海岸ジオパーク旅行 index
     ◆ 山陰海岸ジオパーク旅行 2nd day-(1) [鳥取]
     ◆ 山陰海岸ジオパーク旅行 2nd day-(2) [鳥取→竹野]
     ◆ 山陰海岸ジオパーク旅行 2nd day-(3) [竹野→城崎]
     ◆ 山陰海岸ジオパーク旅行 3rd day [城崎→出石]


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4 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2016-07-27 10:53:05
白兎海岸、何十年前に行ったのか
思い出しながら拝見しています。

蟹の量半端ないですね。
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アネッティワールドさん (リカ)
2016-07-28 13:50:02
アネッティワールドさんも北海道で蟹三昧をされてきたのでは?
また場所が違うと、違う蟹が楽しめるのが、日本のいいところですね(^O^)

確かにこの時は、むこう1年間はカニを見なくてもいい!って言うくらい、カニをたべられました~♪♪
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Unknown (アネッティワールド)
2016-07-28 16:36:52
北海道では蟹は少しだけですよ。
やはり雲丹が凄かったです。

個人的には蟹はやっぱり
山陰の松葉ガニですね。
ここ何年も行ってませんが(T_T)
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アネッティワールドさん (リカ)
2016-08-02 16:59:53
ちょっとお時間あいちゃって、ごめんなさいm(_ _)m
そうですね~、カニはあちこちの場所で食べられますけれど、やっぱり圧巻はウニですね~。
松葉ガニがお好きなんですね。私も松葉好きです~♡
全然関係ないんですが、カニとウニって名前が似ているって、今気がつきました!(笑)
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