風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

がんばれ熊本・島原渡航 1-1

2017-01-05 | 九州
● prologue

7月、熊本で開催される会議に参加することになりました。
1年前の7月にも、熊本を訪れています(→「お城と水と火の国へ」)。その時は友人を訪ねて、観光で。
でもその間に、まさか熊本を震源地とした大地震が起こるなんて、予想もしていませんでした。

4月の震災から3カ月がたちましたが、今でも深刻な壊滅状況が日々ニュースで報道されています。
その状況次第では、会議の場所が別の県に変更となる可能性もありましたが、熊本会場は幸運にも大きな被災は受けずに済み、予定通りの開催となりました。
被災地を訪ねることに胸が痛みますが、大きな国際会議では、かなりの人とお金が動くとのこと。
それが熊本復興の助けになればいいなと思います。

● 空港でのお見送り

前日の夜に始めたパッキングが、夜中の2時までかかってしまいました。
4時には起きなくてはなりません。
起きられる自信はありませんが、徹夜をするパワーもありません。
2時間睡眠でも、寝ます!
根性で4時起きし、ほとんど寝ながら始発電車を乗り継いで、羽田空港まで行きました。
まだ朝早いので、空港はすいています。



飛行機が滑走路へと向かって行く時、窓の外では整備士の人たちが横まっすぐに並んで大手を振り、深々とお辞儀をしてくれていました。
うわあ。そんな風に見送ってくれるなんて、感激。
こうした様子を見るのは、これが初めて。朝早いフライトだからでしょうか。
見とれていたため、写真は撮れませんでした。

● 空から日本を見てみよう



飛び立つと、美しい朝の海が眼下に広がります。穏やかな一日の始まりです。



絵に描いたようにくっきりと、海際が見えました。



この大きな川、多摩川じゃないかと思います。
空港のすぐ横を流れているし。
とすれば、川崎大師も見えていることになります。



視界良好で、飛行機はずっと雲の下を通っていったので、地形がよく見えました。
この辺りは、箱根上空でしょうか。



山の上に見える水は、芦ノ湖でしょう。
きれいにみえて、感激です。
向こうに続いているのは、伊豆半島です。



箱根を過ぎると、静岡に入ります。
車でいくと結構大変な山越えですが、飛行機だと数十秒のこと。



● 富士山を見下ろす

そして富士山の上を通りました。
こんな風に、上から見下ろしたのは、初めて。



山頂の方は草が生えていない茶色い山肌。
火山なんだと実感します。
大きなクレーターの中に吸い込まれそうで、ゾクゾクしました。



富士市から静岡市の辺りでしょうか。



ごつごつとした静岡北部の山岳地帯の上を通って行きます。
この辺りで飛行機が墜落したら、大変です。



海際にやってきました。名古屋港、セントレアの辺りです。



神戸港です。六甲アイランドや神戸空港が見えます。



明石海峡大橋が見えてきました。橋の向こうは淡路島です。



淡路島を超えて、小豆島へ。
ゆっくりと海を越えて、島から島へ。鳥になった気分です。
弱い鳥ではなく、コンドルみたいな。
そういえば、子供の頃、フランスのコンコルドってコンドルのことだと思っていました。



瀬戸内海上空です。男木島と女木島。
桃太郎の鬼ヶ島は、女木島のことなんだそう。いつか行っていたいなあ。
その向こうは四国の高松です。



海の中の白い線は、瀬戸大橋。こんな風に見えるんですね。
天へと向かう龍のようです。



● 天国のような空の上

白い橋は本当に天への道だったのか、この辺りから飛行機は雲の上へと上がりました。
白い白い、美しい雲海が広がります。
天国とはかようなものか、と思います。



やわらかそうな、優しそうな世界。
亡くなった人たちが、こんなきれいな場所で安らいでいるとしたら、残された者の哀しさも、少しは癒されます。
死者の乗る「銀河鉄道」の飛行機版に乗っているような気になります。



● ブルーシート

再び雲の下に降りた時には、もう熊本上空まで来ていました。
飛行機は着地のスタンバイに入ります。



地表近くまで降りていくと、ブルーシートがかかった家々が目立ちました。



ニュースで見ていた光景ですが、実際にこの目で見ると、やはり衝撃的。
1年前に訪れた時とはかなり状況が変わってしまっています。



空港も、あちこちに立ち入り禁止の黄色いテープが貼られており、土産店はほとんど開いていません。
レストランは全店休業中で、使えるトイレも限られています。
千羽鶴を持つくまモンは、いつもより痩せたように見えます。



変わり果てた空港を見回して動揺している私を、さっちゃんが見つけてくれました。
この日はフリーなので、会えることになったのです。
5月に一緒に出雲旅行をしている彼女とは、2か月ぶりの再会。
朝早くに空港まで来てくれて、どうもありがとう!

● 傷付いた街

空港バスで市街地へ向かい、終点の交通センターで降りました。
市の中心地の交通センターは、がれきと化しており、建物の工事が行われていました。
単に古くなったからか、震災の影響を受けてなのかはよくわかりませんが、変わり果てた姿にびっくり。
宿泊ホテルに荷物を預け、身軽になって、再び出かけます。



● 石田純一とヒロミ・ゴー

交通センターでバスを待っていると、石田純一が車体に描かれたバスが通りかかりました。
ほどなくして、郷ひろみのバスも。



どっちもキャラが濃い2人。
でも明るい雰囲気の人の顔を見るだけで、町にも元気が伝わってくるようです。



被災地を訪れてボランティア活動をする芸能人もいますが、その存在が、被災者に元気と勇気を与えるんですね。
有名人の力って大きいんだなあと思います。

● 九州の嵐

交通センターから駅前に行き、港行きのバスに乗り換えます。
去年、海フェスタに行ったときにも同じ系統のバスに乗りましたが、あのときはバスの中が大混雑していて、外の景色どころではありませんでした。
今回はすいています。

乗っている間に、突然雨が降ってきました。あっという間にザンザン降り出します。
バスから降りようとした人が「うわー・・・」と言って、ステップのところでつい足を止めるくらい。
九州の雨の降り方に慣れていない私は、道路に落ちて跳ね返る激しい雨に、恐怖さえ感じました。
これ、バス降りられないんじゃない?

その2に続きます。


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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2017-01-06 20:48:04
地理に詳しくないと上空から見てて
「今この辺り」ってわからないですからね。
地女なんですね。
(歴女の地理版ですよ)

上空から見るブルーシートは
辛いものを感じます。
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アネッティワールドさんへ (リカ)
2017-01-08 02:13:53
地女っていうんですか!
地理は好きですが、わかりやすい大まかなところしかピンとこないんです。
『空から日本を見てみよう』はとっても好きな番組だったので、復活してほしいな〜と思っています!
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