風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

ルーツサーチと里帰り、はるかなる黄金山へ(多賀城) 4-2

2017-04-28 | 東北
その1からの続きです。

● カフェ探し

ランチを終えてお店から出ても、みんなまだまだ話し足りません。
場所を変えてお茶をすることにしました。

でも、仙台駅周辺で祝日に7人入れるお店を探すのは、なかなか大変。
駅のほぼ隣に家があってカフェに詳しいかもかもが先頭になって、サーチしてくれます。



お洒落な雰囲気のリゴレット・タパス・ラウンジも人でいっぱい。
「この店、東京にもあるよね、リカ?」と聞かれて、
「う、うん、あるんじゃないかな?」とうろたえる私。
「たしか銀座にあったはず」
正直、まったくわかりません。みんなの方が詳しいわ~。

● ラッシーとスイーツ

あちこちお店を探して、最終的にAER展望テラスのヴァサラロードというお店に落ち着きました。



スープカリィのお店なので、店内においしそうな香りが漂い、おなかは空いていないなのに食欲をくすぐります。
みんなでスイーツセットを注文。
私はチョコワッフルとラッシーにしました。



「いくらでも話はできるし、いくらでも食べられちゃうね」
「困ったなあ」
と口々に言いながらも、全く困っていない私たちは、うきうきとティータイムを楽しみます。

● メトロ・東西南北

仙台の地下鉄が増えた話題になりました。
「今までは南北線だけだったけど、東西線もできたから、東西南北になったのよ」



「つまり京都みたいになったのね」と、十字形になった路線図を想像します。
「うーんと、ちょっと違うかな」
地下の高さが違うため、乗り換えがうまくできないそうです。
あら~。

● 牛タンと長なす漬

仙台の牛タンについて、かねがね物申したいと思っていた私。
「仙台の食べ物といったら牛タンになってるけど、本当にそう?
私がいた頃は牛タンの話なんて聞かなかったから、いつも気になっていて」
みんな「こっちにいても、特に食べないねー」との反応。
身近な食べ物という感覚はないそうです。

「長なす漬ならよく食べるよ」
うん、仙台は長なす漬、こっちはオッケー。
牛タンは、ぐぐっと有名になった御当地グルメなんですね。
よかった、間違っていなかったわ。

● 中2の自分

思い出はどんどんさかのぼって、初めての出会いの時の話になります。
「リカは衝撃的な登場だったね」「ツインテールで」「会うなりハグしてきたもんね」
口々にいう友人たち。みんなよく覚えていますね~。
まあ私も、ほかの子のことなら結構覚えていますけどね。

そんな当時の私を、ゴエちゃんが2日前に描いてくれていました。


中2のわたし


ゴエちゃんの絵、なつかしい!彼女が描くマンガを毎日眺めていたなあ。

みんなにはいつだって会いたいのですが、そのためにはすっかり忘れていた過去の自分を、会うたびに掘り起こされるという恥ずかしさに耐えなくてはなリません。
だって仕方ないじゃない!みんなに会ったの、中2の時ですもの。
まさに中2病真っ盛りの時ですもの!

みんながそんなに覚えているのなら、今回はもう全員にハグしよう!と決心。
カフェを出てから、早速ギュウ、ギュウと、みんなを抱きしめまくりました。

「ちょっとやめてよー、外なんだから」と嫌がるかと思いましたが、誰も拒否反応を見せず、「はいはい」とちゃんとハグし返してくれるので、拍子抜け。
慣れています。これは、ハグ魔だったかつての私の愛の指導のたまものね(?)。
自分を偽らずに済む旧友って、やっぱりいいものですね!

● お土産いろいろ

みんなから、いろいろとお土産をいただきました。
岩手との県境に住んでいる人から、かもめの玉子。



ご当地ビールもいただきました。
キリン仙台工場の限定醸造!
他の県のよりもおいしそう(笑)!



被災地気仙沼の復興にと、松本零士のイラストによるお菓子が最近できたそうです。
ヤマトのスターシャのような女性が描かれた「Galaxy Gotto」。
ロマンチック!手作りで、控えめなお上品な甘さでした。



嬉しいけれど、私の小さなキャリーバッグのキャパの限界から、みんなへのお土産はそれほど多くは持ってこれませんでした。
それを気にしていたら、「理香からのお土産は、ハグでみんな満足でーす」との返事。
おやすいご用だと、またもやみんなに飛びつきました。
みんな本当に嫌がらないのね。優しいなあ。嬉しいなあ。

スポーツ観戦やコンサートなどで、みんな東京の方にも結構来ている様子。
その時におもてなししたいのですが、「目的を済ませたらすぐに帰っちゃうんだよね」と。
私が仙台に行くのは、プチ里帰りの感がありますが、みんなはそれとはちょっと違いますからね

● AER展望テラス

そんなこんなで、ハグに気を取られていたら、お店の入っているAER展望テラスの上階の展望台に昇って仙台の街を見渡すのを、すっかり忘れていました。



お店の同じ階には大きな丸善があり、ポケモンセンタートウホクも入っていました。



ランチのお店を出た時に「あー、みんなで写真を撮り忘れたー!」と誰かが言いました。
「もうお店、閉まっちゃったし、次のお店で撮ろう」
そう言っていましたが、カフェを出た後も「あー、また撮り忘れた!」
おしゃべりに夢中になっていると、忘れてしまうんです。
結局、集合写真は1枚も撮れませんでした。なにやってるの私たちー。
みんなが中2の心に戻っているので、仕方ないですね!

● 再び仙石線

夕方に、みんなとお別れして、私はレーちゃんと一緒に再び仙石線に乗り、彼女の家へと向かいました。
「一緒に電車に乗ったの、もしかして初めてかも?」
「いつも車を使ってて、なかなか電車に乗らないからね」
なんだか照れて、もじもじしちゃいます。



仙台と石巻を結ぶ仙石線は、大震災で不通になった箇所があり、全線運行を再開したのはようやく去年になってからのこと。
津波を受けて陸の孤島となっていた石巻まで行けるようになって、本当によかったです。

● 友の家族と

一緒にプールまで行って、スイミング教室に出た彼女の子供たちと一緒に、レーちゃん宅にお邪魔しました。
みんなと一緒の夕食に混ぜてもらいます。
中学の頃からお世話になっているレーちゃんのお母様は、相変わらずお元気で、前までのきれいな白髪が、黒髪に戻ってきていました。
「染めていないのよ」
もしかして、若返ってるの?
ベンジャミン・バトンの物語みたい・・・。

おばさまから、レーちゃんは小さい頃、身体が弱くて何度も死にかけたという話を聞きました。
私が、ハードモードだった多感な中学期を通過することができたのは、彼女がいてくれたから。
心の開き方を教えてくれた彼女と、出会えていなかったら、どうなっていただろうと思います。
お互い元気で、知り合えてよかった。

● 仙台駅あたり



食後、レーちゃんの運転で仙台駅まで送ってもらいました。
仙台駅の東口には、初恋通りがありました。
なんてロマンチックな名前でしょう。高円寺純情商店街みたい。
藤村広場まで続く道だそうです。
初恋というネーミングは、島崎藤村の作品から。そういえば藤村は、仙台に住んだことがありましたね。



待ち合わせ場所になっている、駅の大きなステンドグラス。
仙台七夕のデザインは見慣れたものですが、よく見てみると、上の方に独眼竜がのぞいていました。
いつも下から見上げていたので、上の方に今まで気づかなかった―。



できたばかりの、森の陽だまりガレリア。
駅の東口と西口を結ぶ連絡通路です。

● 優しい友たち

駅で夜カフェ。遅くまでつきあってもらって、ありがたいやら、申し訳ないやら。
かもかもも、「うちに来てもいいよ。家族には事後報告するから」と言ってくれました。
さっちゃんは、予想以上の寒さに震える私にコートを貸してくれ「帰り道に」と持たせてもくれました。
みんな、そんなに優しくて、世間の荒波をちゃんと越えて行けるのかしら。

初日に見かけた駅前のむすび丸単管バリケードは、夜には光るんですね。
後姿もありました。きちんと作られているわ。



いよいよ帰る時間になり、お別れのハグをして、彼女の後姿を見送りました。
すっかりハグづいています。ここ仙台では、私はハグ魔に戻っても大丈夫みたい。
古巣の温かさだわ。
一人になると、急に眠気が押し寄せて、東京までぐっすり眠って帰りました。



● epilogue

今回は、一関でルーツを探す初日以外は、のんびりと昔の友人たちと会うつもりでいましたが、ふたを開けてみたら初めて体験することも多く、びっくり続きの旅でした。
友がスナックのママに成長していて、そのおうちにお世話になるなんて、シゲキ的!
ママんちの子みたいに、お店が終わるまで一緒にいたし、眠くなったら隅で寝てたし。(←同い年)

中学を卒業してから、これまで4回訪ねた多賀城。
1回目は、仲良しメンバーの数名と会えました。
2回目は、大震災の1年後、現場視察の出張の合間に会えた仲良しメンバーの数が増えて、仲良しグループくらいになりました。
3回目は、クラス会に出席して、懐かしい級友たちと会えました。
そして今回の4回目では、仲良しグループのほかにクラス会で再会した男子たちにも会えて、会える人がさらに増えました。

中学の時より、もっと素直に会えている感じ。
大人になるって、マイルドでいいことですね。

そして、今回訪れた神社は、どこも素晴らしいところばかりでした。
のどかな里帰りのつもりが、なかなかどうして、スリリングな体験ができた旅でした。
2年しか住んでいなくても、会ってくれる友達がいる限り、やっぱりそこは自分の故郷。
みんな、どうもありがとう。
いい里帰りができました。



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