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風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

青森南部のアメリカンタウン 3-2

2017-10-05 | 東北
その1からの続きです。 

● 隠れ家レストラン

鳴き砂浜を心ゆくまで駆け回っていたら、お昼になり、おなかが空きました。
「隠れ家レストランに行こう」というJBさん。
確かに、何の看板もないところで車道をそれて、林道に入っていきます。
これは知っている人でないと、たどり着けないわ。



本格的なログハウスのLog Restaurant 南川。オーナーが自分で作ったそうです。
『大草原の小さな家』みたい。  



林のなかにひっそりと立つお店ですが、人気らしく、駐車場には車が何台も止まっています。
中に入ると、テーブル席は満席でした。

● 青森県新ご当地グルメ

ランチメニューのヒラメ刺身重が気になりました。
このあたりで取れるヒラメづくしのランチのよう。
食べたかったのですが、人気メニューらしく売り切れでした。残念ー。

店内の旗に”「東通天然ヒラメ刺身重」は「田子ガーリックステーキごはん」に続く青森県第5番目の新ご当地グルメ”と書いてありました。
え〜。じゃあ1番から3番って、なに?
県民は当然知っているのかもしれませんが、他県民としては気になるところです。



調べてみると、青森県の新・OMOTENASHIご当地グルメは「深浦マグロステーキ丼」「平内ホタテ活御膳」「中泊メバルの刺身と煮付け膳」だそう。
マグロにホタテにメバル。う〜ん、たしかにどれも美味しそう!

食べたのは、東通牛のボロネーゼ。
その辺のパスタとは、お肉がちが~う!
(これにはいくら払ってもいい)と無条件に思える、満足の行くおいしさでした。



お腹も満ちて、ゆっくりと三沢方面に戻ります。

● 三沢クイーン

「昨日のお昼に一緒だったアンナさんって、三沢クイーンなのね」とカオリン。
「そうだよ」とJBさん。
「え~?」横で聞いていた私はびっくり。
三沢クイーンの写真は、町のパンフレットで何度も目にしています。
昨日のお昼には、アンナさんと対面に座って、親切にもそばつゆをよそってもらったりしていたのに、クイーンとは気づかず目の前のお蕎麦をもりもり食べていた私。
まさに花より団子~(^_^;)

車中で2人は、一次産業や食廃棄問題についていろいろ話し込んでいます。
その会話は後部座席の私の耳に次第に遠くなっていき、食後のまったり感でうつらうつら。

● 斗南藩記念観光村

はっと気づくと、車は結構戻ってきており、斗南藩記念観光村に着きました。
斗南藩って聞きなれない名前ですが、かつての青森には、津軽藩と南部藩しかなかったわけでないんですね。
たくさんの国があり、それが攻防を繰り返して、大きな二つの藩となっていったのです。

もともとは会津藩で、明治維新の際に新政府軍に敗れてお家断絶となりました。
のちに再興が許されましたが、その際、下北地方と二戸、三戸郡に移封されたそう。
つまり白虎隊からつながっている話なんですね。知りませんでした。

当時、はるかに都会だった会津からこの地方にやってきた人々が、厳しい北辺の地を必死に開拓した歴史が紹介されている場所です。

● 馬とJBさん

ここに「道の駅みさわ」と、JBさんが手がけている馬の牧場「くれ馬ぱーく」があります。
JBさんの携わっているビジネスの手広さに、あらためて驚きます。
仕事前に釣りやサーフィンを楽しんで、仕事ではバリバリ新しい企画を実行するという、人がうらやむワーク・ライフ・バランスを実現している方。
都心ではできないことですね。



牧場に向かいながら「ここにいるのは、みんな女の子」とJBさん。
遠くから彼を見つけて、まっすぐに駆け寄ってくる馬がいます。賢いですね。
「これは一番の姉御肌のムーラン」といって首を撫でながら「かわいいねえ、お前ほどかわいい子はいないよ」とやさしく話しかけるJBさん。
その様子は、まるで三沢のヒュー・へフナー!(ほめ言葉ですよ~、笑)



新参者の私たちは、馬たちにニンジンをあげてふれあいました。
間近で見ると、やっぱり大きい。



どの馬も、みんなとても人懐こいです。
優しい目をしていて、かわいい~。
 


● 南部と名馬

JBさんの馬への熱い思いは限りなく、いろいろな話を教えてもらいました。

平安時代、この地方は名馬の産地だったそう。
六ケ所付近には、馬に関係する地名が今でもたくさん残っています。
そのため、馬につける馬具も作られていました。
地域ごとに担当作業が変わる分業制で、場所を移動するにつれて少しずつ馬具が仕上がっていくという合理的なシステムだったそうです。

南部藩になっても名馬の産地であり続けたこの地方には、9つの藩牧(藩政牧場)があり、江戸時代には、三沢付近に藩牧最大の「木崎の牧」がありました。
今でも残っている一戸、八戸、という地名は、馬が通り抜ける戸を意味するそうです。
人の住む村を番号制にしていたのかと思いましたが、馬の管理方法だったとは。
四戸がないのは、単に縁起が悪いからじゃないかな?とのこと。
少し前までは、旅館でも4号室などありませんでしたからね。

● 昭和の古民家

私が車中でうとうとしている間、リノベーションの話題になっていたようです。
JBさんに、最近買ったばかりだという牧場近くの古民家を見せてもらいました。



本当の昭和の古い建物。
今は廃墟ですが、入ってみると天井が高く、欄間や襖が凝っています。
部屋を増築して洋間スペースもありました。
かつての住民は、ここで豊かな生活を送っていた様子。
しっかりした作りなので、内装を整えたらきっと見違えることでしょう。

カオリンはプリミティブ・テクノロジーというユーチューバーにはまっているそうです。
何もかも自分の手で作っていくオーストラリア人だとか。
「それ、俺もできるかも」
ええ、JBさんも十分ワイルドなユーチューバーになれそうです。

● 生い茂る緑の葉

「これ、なんだと思う?」と質問されました。
「う〜ん?」と考える私達。
ぶどう畑のようだけれどちょっと違うし・・・。



答えは、このあたりの名産の長芋でした。
地表にこんなに緑の葉を茂らせて、お芋は地中で育つのです。
青々とした畑が、あたり一面に広がっていました。

● シティホールこけし

いろいろとみて周っているうちに、夕方が近づいて風が冷たくなってきたので、釣りはやめることに。
この日の宿まで送ってもらい、JBさんとお別れしました。

この日から、町なかのルートイン泊です。
チェックインをして部屋に入ると、ヴィードル号の解説がついたウェルカムメッセージがありました。



荷物を置いて、一人で辺りを散策します。
ホテルは米軍基地の入り口そばにあり、通りを反対側に歩いていくと、すぐに市役所がありました。
City Hall Streetと、通りの名前が英語表記になっているのは、さすがアメリカ人の多い町。



市役所前には、例の大きな姉妹こけしがいました。
駅、小川原湖、市役所と、ビッグこけしを見るのは3か所目。
ちょっとこわいですが、この辺りもこけしが伝統品なのでしょうか。



● 月光仮面は仏の教え

市役所の向かいの公会堂には、月光仮面の碑がありました。
これ見たかったのよね~。

ボタンを押すと「ど~このだ~れかはしらないけれど~♪」と月光仮面のテーマソングが流れはじめました。
歌は何番もあって結構長く、さらにそのあと音声ガイドが続いて、なかなか終わりません。
近くのベンチに、善良な市民が座っています。
ボタンを押した手前、大音量の説明を流したまま立ち去りかねて、最後までしっかり聞きました。



月光仮面の作者川内康範は、北海道出身ですが、三沢市に住んでいたそう。
在住20年を記念して2001年11月7日市に寄贈した碑でした。

なんと月光仮面は、薬師如来の脇侍の月光菩薩から発想を得たんだそう。
「憎むな 殺すな 赦しましょう」という言葉が書かれています。
それは仏教の教えから来ているんですね~。
たしかに、この石碑を手掛けたのは仏教会。
それでも、奥様は外国の方だったようです。そこはまた別の話ね。

● イカのパイ?



三沢グルメにパイカというものがあります。
豚バラ軟骨のことだそうですが、聞き慣れない響き。
イカのパイかと思いました。

なぜかというと、旅の帰りに八戸名物「サバップル」を買って帰ろうともくろんでいるからです。
サバがアップルパイの中に入っているんですよ。
気になるでしょう?(笑)



きれいな夕焼けに、町がピンク色に染まります。
小川原湖からも、きれいに見えていることでしょう。



昨日行ったアメリカンバー「Your Place」の前に行ってみました。
横須賀ドブ板通りは、夜一人では歩きませんが、ここは基地のそばを散歩しても、全然怖さはありません。
かっこいいバイクが停まっていました。



八戸のバイクのナンバープレートはウミネコと蕪島で、三沢のバイクプレートはミスビードル号。
バイクだけど飛行機。



● アメリカンなショッピング

基地の入口そばに建つ、大きなスカイプラザにやってきました。



中に入ってみると、びっくりするほどアメリカン。
一瞬、立ちつくします。



マネキンが着ているのは、かつての三沢航空隊パイロットの服。
ファーつきでモコモコ。寒いからでしょうね。



● 全てがXLサイズ

アメリカのグッズだけでなく、食料品もみんなお化けサイズです。
500gのカルビーポテトチップスが売られていました。
こんなサイズ、見たことなーい!2つ買うと1キロですよ。
驚いていたら、さらに別ブランドで1.5kgのチップスもありました。



スパムが各種ズラリと並んでいます。
ここは沖縄?



ダウニーも棚いっぱいに各種ラインアップが揃っています。
いつでもアメリカンな生活を始められますね。



ついぞ見たことのない、新宿木村屋のビッグな蒸しパンも売られています。
レジの横には、本日のレートが出ていました。



本当にここは、日本の中のアメリカ。
人々の生活にも、しっくりなじんでいるようです。

● 三沢バラ焼き

夜には、メンバー4人でJBさんおすすめの「赤のれん」の前で落ち合いました。
居酒屋ではありません。「バラ焼き発祥の店」と看板に出ています。
B級グルメの十和田バラ焼きが有名ですが「バラ焼きはもともとは三沢のものなのに!」と、市民はおかんむりのようです。

お店の前の通りにまで、濃厚なたれのにおいが充満しており、食欲が刺激されます。
人気のお店で、すでに中に入れないほどの行列ができています。
風が冷たくなってきて、丸くなりながら順番を待ちました。



ヂンさんはいつもおもしろいTシャツを来ているので、それをチェックするのが毎日の楽しみ。
この日は、タイで買ったというスターウォーズの中国語版のTシャツでした。
私たちの番になって中に入ると、店内も昭和感満載。



メニューにある、バラ焼き、豚バラ、上バラ焼き、もつを頼みます。
次々に豪快なお肉がやってきました。
中でも、やっぱりバラ焼きが一番おいしかったです。



● メンバー報告会

ハードな二日酔いを切り抜けたジェニーとヂンさんは、復活したとはいえやっぱり静か。
それでも日中は、コワーキングスペースの人に十和田湖ドライブに連れて行ってもらったそうです。
十和田のルパンに会ったと、写真を見せてもらいました。
うん、格好はルパンなおじいちゃん・・・。

翌日は、八戸の館鼻朝市に連れて行ってもらう予定。
朝3時に始まり、7時ごろには片付ける店が出てきて、昼には忽然と、跡形もなく消えるという市場。
日本一の規模だそうです。
気になるわ~。

取材に燃えるヂンさんは「開店の様子を見たいから、バイクで3時に行く」とのこと。
そこまで早くなくてもいい私たちは、朝5時に集合することに。
それでも起きれるか心配だわー。

翌朝が早いため、この日の夜は食事をしただけで、健全に解散します。
「今夜が飲みだったら、宿が近いから、昨晩のような苦労をせずに済んだのに!」
とみんなで笑いました。

宿やコンビニが近いので、町なかにいるととても便利。
でも湖のほとりでの時間も、なにものにも代えがたい、いいものでした。

4日目に続きます。



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