能力を介すると私の居る国やこの星は眺めるだけで結論的断定の頭への配信が可能です。
その度に経る事になった分析はある程度の知的好奇心の刺激と共に、宇宙の汚染度の深刻さの確認を求めてきました。
面倒な作業でしたが、今や積み重なった確認回数は概括的断定の許容で私の知的営為の筆記体を滑らかにします。
この星の人間、そして準高次存在を介した災厄の全ての根源は創造主にある、という連続結論の回数を増やす為の分析衝動が無くなったのです。
何もかもが元人間の創造主の悪行に起因すると分かり切ったのです。
昇格に際し、面接審査などはありませんでした。
自動的だったようです。
別の宇宙に生きていた、他人の呆れと真剣な眼差しを一方的に利用しての人前での即興演劇を好む職業“社会創造芸術家”のある男は偉大な業績の勢いそのままにこの宇宙の創造主への昇格が成ってしまったのです。
為した偉業はこの星で例えれば、アジア、小アジア全域の人々の治安、生活を劇的に改善し、大勢の人生、魂の安定的成長に貢献する事となった芸術着想の大量開陳でした。
確かに偉業です。
周囲の評価にはしかし、“自己中心的お調子者”、“格好つけ野郎”、“ぶん殴りたいけどその機会を巧妙にかわすむかっ腹立つ奴”、“人生舐めた奴”という罵詈雑言が一定数付きまといます。
いい年になっても定期的に肉体的喝を喰らっていたようです。
ボコされていたのです。
今や宇宙中の神々の神憤を日々塗布(とふ)されるただの物言わぬ鋳造物です。
創造主の未来は太古より神々に噂されていました。
永遠の喝状態です。
私の登場によりその開始時期が早まりました。
創造主が玉座の間から不在となっても宇宙の機能は以前と変化ありません。
自動操舵状態となるだけです。
次級者の昇格の可能性については不明です。
この宇宙の運転は以降、船長不在のまま継続していくかもしれません。
この宇宙の健全度の階位が中級程度にまで回復を見たとしても、潜行する疾病(しっぺい)群は治療が困難と思われます。
また、次級者の昇格が成ったとしても、創造主健在の宇宙には到底輝きは敵いません。
言わばもう既に幼少期の子供に重篤な遺伝病が幾度となく注射されてしまったのです。
以降、後遺症は避けられません。
この宇宙は、健全度の面では終わっているのです。
思春期前に有機溶剤に耽り脳の溶けた少年が煙草の害について味気無い集団授業をぼんやり受けているようなものです。
煙草に走らずとも、まともな人生には歩いて行けやしないのです。
さっさと声をかけて特殊施設に収容してやるべきなのです。
根本的責任は親、教師、社会の先の国家元首にあります。
犯罪人なのです。
“ぶん殴りたいけど”
千八十八青字