らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

人生意気に感ず

2017-06-19 | 雑学

今日は人間的魅力を感じさせる言葉「人生意気に感ず」について調べました。

「人生意気に感ず」とは、人は利害や打算で行動するのではなく、相手の心意気に感動して動くものだということです。
これは、唐の太宗皇帝に仕えて、苦労を重ねた結果、志をとげ、功労のあった魏徴(ぎちょう)の「述懐(じゅっかい)」から引用された有名な言葉です。
「意気」とは、気だて、気前と言う意味です。

人は他の人の気性の潔さ、思いやりある心、温かい気持ちに感激して心を動かされて仕事をするのであって、金銭や地位等にひかれて利害のためにするのではないということで、この対の句には「功名誰か復(ま)た論ぜん」(功を立て名をあげようなどと言うことは問題ではない)と続きます。
この事から、人は相手の気だてに感激すれば、どんな困難があってもやり遂げること、また、それに心動かされることの例えとして用いられます。

もっとも、この詩は魏徴がまだそれほど人に知られる人物ではなかった頃、何か手柄を立てて名をあげたいと思い、山東の敵、徐世勣(じょせいせき)を説き伏せたい旨を帝に願い出て認められ、勇躍して出発する時の心情を詠ったもので、矢張りその心底には功名欲がちらちらしていたということです。

それは兎も角、現代には人の気性の潔さにほれ込んで、その人のために一肌脱ぎたくなるような人も少なければ、金や名誉などを投げうってまで人のために仕事をしようとする人も少なくなってしまっているようです。
これは、人を魅了するような大物人間がいなくなっているのと同時に「自分たちが生きるのが精いっぱい」という現在の日本の経済状況にも一因があるのかも知れません。
しかし、気持ちの上では、毎日、意気を感じて過ごしたいものです。