国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

近づきつつある最悪の事態:首都圏も危ない?

2011年03月15日 | 日本国内
●福島第一原発の航空写真。1号機と3号機の建物の上部が骨組みを残して破壊されている。また、3号機からは煙が立ち上るほか、周囲に霧のようなものが立ちこめているのが分かる。







●“身体影響 可能性ある数値” NHKニュース 3月15日 11時39分

枝野官房長官は、午前11時すぎからの記者会見で、「福島第一原子力発電所の敷地の中の設置された放射線を測定する『モニタリングポスト』の値が、午前10時22分現在で、3号機付近で1時間当たり400ミリシーベルト、4号機付近で100ミリシーベルト、2号機と3号機の間で30ミリシーベルトという結果が出ている。従来の数値と異なり単位が違う。身体に影響を及ぼす可能性のある数値であることは間違いない」と述べました。さらに枝野長官は、「2号機の格納容器の部分が損傷を受けているという可能性が高いという報告を受けている。1号機、2号機、3号機ともに、一定の人体への影響を及ぼす放射性物質が出ている」と述べました。検出された400ミリシーベルトとは、40万マイクロシーベルトに当たります。人が浴びる放射線で、健康への影響がほとんどないとされているのは、100ミリシーベルト=10万マイクロシーベルトとされますが、400ミリシーベルト=40万マイクロシーベルトは、その4倍に当たります。また、400ミリシーベルトは、血液の中の白血球が減るなど体への影響が出るレベルだとされています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014681921000.html




●東海村 基準超の放射線値観測 NHKニュース 3月15日 9時52分

福島第一原子力発電所から南に110キロ余り離れた茨城県東海村にある東京大学の施設では、午前7時46分に、放射線の値が毎時5マイクロシーベルトを観測し、10分間継続して基準値の5マイクロシーベルトを超えたため、午前8時15分までに国に対して原子力災害特別措置法に基づく10条通報をしました。現在の放射線量は毎時3マイクロシーベルトになっているということです。この場所での通常の放射線量は、毎時0.05マイクロシーベルトだということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014679121000.html




●2号機で爆発音 従業員が退避 NHKニュース 3月15日 9時3分

東京電力福島第一原子力発電所2号機で、15日午前6時すぎ、原子炉が入っている格納容器の圧力を調整する設備の付近で爆発音がして、格納容器内の圧力が下がり、敷地周辺の放射線量が急激に上がったため、原発の所長の判断で一部の従業員の退避を始めたということです。

経済産業省の原子力安全・保安院や東京電力によりますと、15日午前6時14分、福島第一原発2号機で、原子炉が入っている格納容器の圧力を調整する圧力抑制室=サプレッションプールと呼ばれる設備の付近で爆発音がしました。この直後、設備の中の圧力が急速に下がったことから、原子力安全・保安院は、詳しいことは分からないものの、この設備に損傷があったものとみています。爆発音の確認の直後に、福島第一原発の敷地の周辺では1時間に965.5マイクロシーベルトの放射線の値を計測し、この値は、国に緊急事態を知らせる基準を超えていたため、原発の所長の判断で一部の従業員の退避を始めたということです。対象となったのは、原子炉を冷却する作業に直接従事していない作業員で、原子力発電所の安全な場所に移動しているということです。放射線の値については、その後も上がり続け、午前8時31分には原発の正門付近で1時間当たり8217マイクロシーベルトと、一般の人が1年間に浴びてもよいとされる8倍の量を1時間で浴びる計算になります。これについて、原子力安全・保安院は「まだ詳しいことが分かっていない。仮にサプレッションプールという設備に穴が開いているとした場合、壊れている場所によって、液体か気体かで漏れ方が変わってくる」と述べました。また、2号機では、水位が低下して燃料棒全体が露出した状態が続いていたとみられますが、その後、水位が若干回復し、核燃料が水面から2.7メートルほど露出した状態になっていることが分かりました。露出している長さは、核燃料全体の半分程度に当たり、東京電力では引き続き原子炉に水を注入する作業を続けることにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014678471000.html



●3号機核燃料プール 覆いなし NHKニュース 3月15日 9時12分

東京電力の記者会見で、15日午前7時5分ごろ、福島第一原子力発電所3号機の原子炉が入っている建物の上部に、蒸気のようなものが漂っていることを明らかにしました。また、福島第一原子力発電所の3号機で、格納容器の中にある使用済みの核燃料を保管するプールが、14日午前に発生した水素爆発によって、格納容器の上にある原子炉建屋の屋根が吹き飛んだことから、プールの上を覆うものがなくなっている状態であることも明らかにしました。

このプールは、原子炉で燃焼させて使い終わった使用済み核燃料を移動させて冷やすために設けられた設備です。通常の状態では、プールの水を循環させて核燃料を冷やしていますが、福島第一原発では停電が起きていることなどから、冷やす機能が失われている可能性も大きいということです。東京電力は記者会見の中で、3号機の原子炉が入っている建物の上部に蒸気のようなものが漂っていることとの関連について、「現時点では明確な答えはできない」としています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014678661000.html



●首相 万全の対応を強く指示 NHKニュース 3月15日 9時12分

政府は、福島第一原子力発電所について、政府と東京電力が一体となって対応する必要があるとして、両者による「統合対策本部」を15日朝に発足させ、菅総理大臣は関係者に対し、対応に万全を尽くすよう強く指示しました。

菅総理大臣は、十分な冷却機能が確保できなくなっている東京電力の福島第一原子力発電所について、政府と東京電力が一体となって対応する必要があるとして、15日朝、みずからを本部長とする「統合対策本部」を発足させることを発表し、総理大臣官邸で「事故の被害が広がらないよう、ありとあらゆる手を打っている。憂慮すべき状況が続いているが、この危機を乗り越えるため、陣頭指揮に立ってやりぬきたい」と述べました。そして、午前5時半すぎ、東京電力本店を訪れ、「統合対策本部」の初会合に出席しました。この中で菅総理大臣は、今月12日に福島第一原子力発電所の1号機で起きた爆発に関連し、「テレビで爆発の様子が報道されているのに、総理大臣官邸には1時間くらい連絡がなかった。一体どうなっているのだ」と述べ、情報開示を巡る東京電力側の対応に強い不快感を示しました。そのうえで、菅総理大臣は東京電力の関係者を前に、「あなたたちしかいない。覚悟を決めてください」などと述べ、今後の対応に万全を尽くすよう指示しました。このあと、菅総理大臣は、2号機の現状について、東京電力側に説明を求め、サプレッションプールと呼ばれる原子炉を覆う格納容器につながる設備に損傷があることが報告されました。菅総理大臣は、東京電力にある統合対策本部におよそ3時間いたあと、総理大臣官邸に戻り、午前9時半から予定されている閣議に臨むことにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014678601000.html



●放射性物質漏れた場合の注意 NHKニュース 3月15日 10時15分

原子力災害が起きて施設の外に放射性物質が漏れ出た場合、何に注意すればよいでしょうか。原子力発電所から放出される放射性物質は、ヨウ素や希ガスといった気体の状態で出るため、まずは、これらから出る放射線からの被ばくを防ぐ必要があります。そのため、▽室内にいる場合は、ドアや窓を閉めたうえで、換気扇やエアコンなどを止めること、▽一方、屋外にいたり避難で移動したりする場合は、マスクをしたりタオルやハンカチを水でぬらして口や鼻を覆うと放射性物質の吸い込みを防ぐ効果があります。また、▽服装は皮膚の露出をできるだけ抑えることが大切です。さらに、▽呼吸や食べ物によって体内に放射性物質を取り込む「内部被ばく」も防がなければなりません。「内部被ばく」では、体内に放射性物質が蓄積されると、長期間にわたって放射線の影響を受けることになります。一方、▽屋外から自宅へ戻った場合は、衣服を着替えたうえで顔や手を洗うことが必要です。▽水道の水や井戸水、それに屋外に放置されていた食べ物などはなるべく口にしないように気をつけることも必要です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014679641000.html




●〔グラフ〕横須賀港で測定中の放射能数値が急上昇中 : 低気温のエクスタシーbyはなゆー
http://alcyone.seesaa.net/article/190695629.html

●「日立市大沼」で測定されている放射線量が急上昇しているようだが : 低気温のエクスタシーbyはなゆー
http://alcyone.seesaa.net/article/190690462.html

●福島第一原発の正門で中性子線を検出した(放射線量は未発表) : 低気温のエクスタシーbyはなゆー
http://alcyone.seesaa.net/article/190688696.html

●福島第1原発5キロ地点から陸上自衛隊専門部隊が避難を検討 : 低気温のエクスタシーbyはなゆー
http://alcyone.seesaa.net/article/190685163.html

●放射線テレメータ・インターネット表示局
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html


●放射線リアルタイム計測データ
http://www91.odn.ne.jp/~cam22440/keisoku.htm





【私のコメント】
どうやら福島の原発で大量の放射性物質が漏れ始めているようだ。「3号機の原子炉が入っている建物の上部に蒸気のようなものが漂っている」という情報は、これが死の灰を含んだガスであることを示唆している。2号機でもサプレッションプールと呼ばれる原子炉を覆う格納容器につながる設備に損傷があることが指摘されている。午前8時31分には原発の正門付近で1時間当たり8217マイクロシーベルトの放射線が観測されているが、これは安全と思われる上限の100ミリシーベルトを12時間で超過し、骨髄死の死亡率が50%となる4グレイ≒4シーベルトに480時間≒20日で達する事態である。放射線は距離の二乗に反比例して減衰するので、原子炉近辺でははるかに高い放射線が観測されている可能性が高い。菅総理大臣の東京電力の関係者に対する、「あなたたちしかいない。覚悟を決めてください」との発言は、これ以上の放射性物質の漏れを防ぐために、東京電力従業員に対して、骨髄死や腸死を含めた重大な放射線障害を覚悟して決死の冷却作業を継続することを求めたものと考えられる。また、福島第一原発の正門で中性子線を検出したとの情報は、メルトダウンによって格納容器の底に貯まった原子炉燃料が臨界に達したことを示唆している。小規模な核爆発もあり得るだろう。

NHKが10時15分に放射性物質漏れた場合の注意を公表していることも、大量の放射能漏れが始まった可能性があることを示唆している。国民の皆さんにはこの注意点をお読み頂いた上で冷静沈着に行動して頂きたい。

現在、福島県東部から関東地方にかけては北ないし北東の風が吹いており、4000万人の居住する関東地方は福島原発の風下に相当している。茨城県東海村の基準超放射線観測は、この北風によって福島原発からの放射性物質が運ばれてきたことを示していると思われる。ただし、その最高値は毎時5マイクロシーベルトに過ぎず、安全と思われる基準値の100ミリシーベルトに達するには二万時間、つまり五年弱かかることになる。むしろ、問題になってくるのは放射性ヨード等による体内被曝であろう。その他、横須賀でも放射能レベルが軽度であるが既に上昇している様である。首都圏全体が少量の被曝に晒されている状況だと思われる。

いずれにせよ、事態は間違いなく悪化している。天気予報で福島県東部の風向きが北風から西風に切り替わる明日16日昼までは首都圏も危険に晒され続ける。首都圏の住民は、箱根以西へ新幹線や飛行機や高速道路で脱出するか、あるいは家に閉じこもって空調を切り明日昼までの危険時間帯を乗り切るかの二つの選択枝しかない。脱出してしまえば危険は減るが、脱出の過程で外気に接触することは危険を伴う。私は首都圏に居住しているが、幸い食料も水も蓄えがあるので、家に閉じこもって過ごすつもりである。



【コメント追記】
福島第一原子力発電所の敷地の中の設置された放射線を測定する『モニタリングポスト』の値が、午前10時22分現在で、3号機付近で1時間当たり400ミリシーベルトであったとの報道があった。3-4時間で骨髄死の可能性が出現し、10時間で骨髄死の死亡率が50%になり、25-40時間で治療法のない腸死に至る重大なレベルの放射線量である。冷却作業中の作業員の健康状態が非常に懸念されるが、事態の更なる悪化を防ぐためには、チェルノブイリの消防士と同様の人命の犠牲も已むを得ないかもしれない。恐らく、神風特攻隊の飛行士の志願者選抜時と同様の選抜が東京電力社内で行われていることだろう。日本は既にそこまで追いつめられてしまった。





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