国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

熱塩循環低下に伴う欧州寒冷化で北欧からスペインへの移民が殺到?スペインのバブルは弾けずユーロは安泰?

2007年01月22日 | 欧州
●地球寒冷化に関するペンタゴンレポート・1 原 亨

2004年6月に日本でも公開された「デイ・アフタートゥモロー(The Day After Tomorrow)」はカリフォルニアが竜巻に教われ、二ューヨークが大雪に見舞われる異常気象を描いて観客を驚かせた。この映画の基礎になったのが、ここでいう「ペンタゴンレポート」である。

出典

この報告書は原題を“An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implication for United States National Security”(急激な気候変動とそれが米国国防に持つ意味)と言い、2003年の10月にピーターシュワルツとラグランドールがまとめて報告した。もともとは秘密報告であったはずなのだが、2004年2月にオブザーバー紙がその存在を公表した。ここからシナリオを書いていたのでは4ヵ月後の2004年6月に日本で公開することは難しいだろう。映画制作者はなんらかのルートで情報をその前に入手していたものと思われる。


以下にこの報告書の小見出しを書き上げてみる。これでおおよその内容が予想できるだろう。何回かに分けて、この内容を順番に紹介し、私の考えをまとめることにする。

考えられないことを想像する(序)
要約
はじめに
歴史を振り返る
8,200年前の寒冷期
ヤンガードライアス期
小氷河期
予測される気候変動
2010年までは温暖化
温暖化の結果
2010年から2020年に何が起るか
海洋熱塩循環の崩壊
南半球の場合
自然資源への影響
国防との関連
輸送力の低下
気候変動による紛争の予想
本当に起るのか
歴史の繰り返しに備える
結論

要約

21世紀中に温暖化はゆっくりと進むと思われている。その変化は緩やかなので、大抵の国は対策を取ることができるだろう。しかし、最近の研究によりこの緩慢な温暖化が、突然海洋熱塩循環を遅らせることによって、世界の食糧生産国の冬の寒さを厳しくし、土壌の水分を減少させ、強風に襲われるようになる可能性があることが分かってきた。これに対
する備えが不十分だと、世界中の輸送能力が大幅に落ちるかもしれない。

海洋熱塩循環

この研究によれば、気温がある閾値を越えると、突然10年間に3~6℃の速度で気温が下がり始め、それが長期間続くことがあると言う。例えば、8,200年前に海洋熱塩循環が崩壊した時には寒冷な気候が約1世紀続いた。極端なのは12,700年前のヤンガードライアス期でこの時は1000年続いた。

8,200年前の気候変化
・ 毎年平均気温がアジア・北アメリカで2.8℃、北ヨーロッパで3.6℃下がった。
・ 毎年平均気温がオーストラリア、南アメリカ、南アフリカで2.2℃上がった。
・ ヨーロッパ、アメリカ東北部では旱魃が10年間続いた。
・ 冬の嵐が起った。西ヨーロッパと北太平洋では風が強く吹いた。

このように気候が突然変わると、争いが起き易く戦争になることもある。
1. 農業生産が減ることによる食糧不足。
2. 洪水と旱魃が頻発することによる上水の不足。
3. 海の凍結と嵐によるエネルギー不足。

資源のある国はその資源を守るために守りを固める。ない国は近くの仲の悪かった国の資源を強奪しようとする。宗教、イデオロギー、国の名誉よりも生存するための資源が重要になる。

米国は次のような対策を取るべきだ。
・ 天気予報の改善。
・ 突然気候が変わった時に食料、水、エネルギーにどのような影響が出るかを予測する。
・ 気候変動に最も弱い国を予想する。その国は暴力的になるかもしれない。
・ 今何をしておけば後悔しないで済むかを明らかにする(水管理など)。
・ 柔軟な対処ができるように演習する。
・ 近隣諸国との友好。
・ 気候をコントロールする方法の開発。

近年北大西洋では過去40年間に、氷河の解凍、雨量の増大、水の流出により海水の塩分が減っている。これは海洋熱塩循環を遅らせる可能性がある。
http://www.teamrenzan.com/archives/writer/hara/post_169.html







●An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implications for United States National Security PETER SCHWARTZ & DOUG RANDALL / GBN Global Business Network 1oct03

欧州:スカンジナビアやドイツ・オランダからスペイン・イタリアへの移住。

アジア:インド・バングラデシュ・中国の間の紛争激化とビルマへの大量の難民、東南アジアや中国の飢饉や紛争。サハリンとシベリアの資源を巡る日露戦略提携。

米国:欧州からの富裕な移住者、カリブ諸国からの難民が増加。カナダ・米国・メキシコが北米大陸安全保障同盟を結成。
http://www.mindfully.org/Air/2003/Pentagon-Climate-Change1oct03.htm







●致命的欠点を抱えたユーロ:ドル暴落と同時期に起きうるドイツのユーロ離脱とマルク復活・ユーロ崩壊
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/ad0a4e9b4f640c357532644e11bee6b1





●米国を上回るスペインの不動産バブルの破裂がユーロの信認に与える激震
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/8a9e00864259e978fca5c3f8c593efd7





●北大西洋海流とその沈み込み





【私のコメント】
最終氷期が終了して現在の気候になったのは約一万年前のことであるが、それ以前と以後の気候には大きな違いがある。一万年前以前は、氷河期と間氷期の間で気候が激しく変動し続け、氷河期は比較的安定しているが間氷期は非常に不安定であった。ところが、一万年前からは安定した間氷期の気候が継続している。この気候の安定が人類の定住や農耕を可能とし、文明をもたらしたという説が有力である。

一万年前以前は氷河期が比較的安定していたのは、気温が上昇すると北米や欧州の大陸氷河が降水増加で成長し、氷河の太陽光反射により気温が低下するという負のフィードバック機構が機能していたのではないか?そして、一万年前以後は間氷期が安定しているのは、気温が上昇するとグリーンランドの氷河が溶けて北大西洋の海水の塩分濃度が低下し熱塩循環が停止して気温が低下するという負のフィードバック機構(逆に気温が低下するとグリーンランドの氷河が溶けなくなり、北氷洋での海氷からの高塩分海水供給も加わって熱塩循環が加速され、北半球が温暖化する)が機能しているためではないかと想像する。即ち、近未来に起きると予想されている北半球の寒冷化は、人類が二酸化炭素を大量に放出したことでこの負のフィードバック機構の引き金を引くことが原因なのだろう。

ペンタゴンレポートでは、寒冷化する欧州北西部から南欧への移住者の増加が予想されている。北ヨーロッパで年平均気温が3.6度低下するとして、恐らく夏の気温が2度低下し冬の気温が5度低下する様な状態になるのではないか?イギリス・ノルウェー・アイスランドでは気温の低下はもっと激しいだろう。大体、パリが現在のワルシャワの気候に、フランクフルトが現在のミンスクの気候に、ワルシャワが現在のモスクワの気候になる様な状態が想像される。

現在のスペインでは何故か酷い不動産バブルが発生しているのだが、これは近い将来の移住者を受け入れるための準備なのかもしれない。言語を考慮すると、イギリス・アイルランドからは北米・オーストラリアへの移民が増える可能性が考えられるが、北欧やドイツ・オランダからの移民はスペインやイタリアに流れるだろう。イタリアに比べて国土が広いスペインは移住先としてより適切とも見なせる。ギリシャではスペインほどの不動産バブルは起きていないが、これは近接するトルコとの紛争の危険を考慮しているのかもしれない。以前私はスペインの不動産バブル崩壊がユーロを崩壊させるのではないかと予測していたが、北欧等から富裕な移住者が殺到するならば以外とバブルは大崩れしない(従ってユーロも崩壊しない)かもしれない。寒冷化の強い影響を受ける北欧諸国や英国・アイルランドのうち、ユーロを使用しているアイルランドとフィンランドの方が問題になるかもしれない。

ロシアを含めて欧州諸国はいずれも人口が減少傾向であり、経済的にも富裕であることから危機的な状態は避けられるだろう。中国・イスラム圏等からの難民を如何に抑制するかという点が最も重大であろうと思われる。ルーマニア・ブルガリアのEUへの加盟は、寒冷化の影響を受けにくい地域を加盟させることで予想外の寒冷化が起きた場合の避難場所・農業地域を確保する目的とともに、このような難民流入抑制の障壁を欧州中央部からより遠い地域に置く目的もあるのだろう。
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4 コメント

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上記のペンタゴンレポートの和訳 (ナナ)
2007-01-23 20:35:42
のURL↓

http://nobuokimura.hp.infoseek.co.jp/Pentagon%20Report.htm
返信する
Unknown (Unknown)
2007-02-10 13:20:04
G7で重大な発表があるらいしいぞ
ロシアとFSBの包囲作戦だろう
返信する
グレート・ホワイト・ブラザーフッド(大白人協会) グリーンランドに地球の真の支配集団 (Unknown)
2017-05-30 19:47:49
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51947131.html

スイスから重要な情報発信を行っているアメリカ人ジャーナリストのデービッド・チェース・テイラー氏が新刊書「Greenland Theory Apocalypse Now」を出版しました。テイラー氏のウェブサイトからもダウンロードできます。
https://sites.google.com/site/greenlandtheory/

人類の出発点はクレタ島でありローマ帝国の発祥地だそうです。世界の中心がクレタ島だったそうです。その後、ローマ帝国の拠点はシシリア島に移り、今はグリーンランドにあるそうです。また、イルミナティの13血統には、スイスのユダヤ人(名前は明かされていない)も含まれているそうです。しかし彼らはグリーンランドのローマ帝国からは邪魔者扱いをされているそうです。

地球の真の権力構造と長い間人類から隠されてきた秘密の数々が書かれています。
簡単に説明すると。。。一般的に古代ローマ帝国は714年前に滅びたと言われています。しかし実際は古代ローマ帝国は滅びておらず、今でもスイスという代理国を介して世界の206ヶ国を指揮し、支配しているのです。偶然にもスイスは714年前に建国されたのです。
約1300年がグレゴリオ暦に追加され、2014年まで世界を支配してきました。ローマ帝国の元旦は4月1日です。カレンダーに追加された1300年は、陽の光が当たらないダークエイジと呼ばれています。

ローマ帝国は今でも存在していたのです。何しろイルミナティの上層部はイエズス会だということが分かっていますし、イエズス会と言えばローマ帝国と深くつながっています。しかも、創設者の一人のザビエルが日本にやってきて大きな影響を及ぼしました。
イルミナティ=イエズス会は悪魔崇拝のローマ帝国による世界支配体制を続けるために活動してきたのではないでしょうか。
そして今後はNWOによりローマ帝国の世界支配が明らかにされ、本格的な世界支配体制を築こうと思っているのかもしれません。
それにしても、グリーンランドがローマ帝国の拠点だなんて。。。驚きです。スイスとバチカン以外の国はみなグリーンラドのローマ帝国の支配下にあるそうですが、実際はスイスもバチカンもその支配下にあるそうです。ということはイルミナティを支配しているのはグリーンランドのローマ帝国だったということです。
また、Greenland of DenmarkがGODだそうです。これでは、キリスト教の神はイルミナティの神(悪魔)ではないですか??


この本が伝える重要な10の秘密:.
1. グレコ・ローマン帝国(古代ローマ帝国)が714年前に滅びたというのは嘘です。ローマ帝国はグリーンランドに移転していたのです。
2. グリーンランドは実際は緑豊かな土地であり、雪や氷におおわれてはいません。
3.CIAの本拠地はスイスです。
4. 地球の形はバスケットボールのような球体ではなく、偏球の回転楕円体です。
5. 地球には第二の月があります。オーロラ・ボリアリス?の光がそれです。
6. ローマ人は英語を話していました。ローマ字が英語であることが証拠です。
7. ローマ人が火薬を最初に発明しました。
8. 聖書はローマ帝国の寓話及び隠喩的な歴史書です。
9. G.O.D (神)はグリーンランド・オブ・デンマークの頭文字をつけたものです。
10. この地球はグリーンランドのグレート・ホワイト・ブラザーフッド(大白人協会?)によって支配されています。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-05-30 20:28:28
大西洋の格子 ロンドンとニューヨークの中間:海底考古学 9
https://www.youtube.com/watch?v=60d0MM_3h1k

グリーンランド南の超巨大な海底遺跡

海底人が作ったのだろうか。

はやしひろし氏によれば、
人類を作った 宇宙人 エンキ =龍族であり
古代中国に於いては、伏羲・女媧 であり
伏羲・女媧 はフリーメーソンのロゴに使われている、コンパスと定規 を手に持っている。
エンキ=龍族=フリーメーソン である。
また、エンキは、
山羊座の神で表され、下半身が魚である。
古代エジプトの最初の神も魚の神がいるが、それがエンキである。
上半身が山羊や羊から、悪魔ともいわれる。
また、古代エジプトのクヌム神も羊の神であり、人類創造の神である。
ピラミッドを作ったクフ王は、クヌム神に守られし者との意味がある名前である。
三角形のピラミッドとフリーメーソンは、クフ王とクヌム神から関係づけられる。

いまだに、龍族エンキは大西洋 グリーンランド南の遺跡にいるのだろう。
また、トールホワイトは龍族によって、作られた宇宙人類の一種なのだろう。そのトールホワイトからの遺伝子を掛け合わされ、最終氷河期後に突然地球に現れたのが、今の白人種なのだろう。

グリーンランドにいる、グレート・ホワイト・ブラザーフッド(大白人協会)は宇宙人のトールホワイトか地球人類とのハイブリットでより、トールホワイトに近い血統の者がいるのだろう。
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