「絶対動く」
カウンター越しの店員の視線を無視して、魅入る。
動作しないと書いてあるが、ゴミ、錆び、モルト剥がれどれもない。電池室もきれいだ。
シャッター幕も後幕は問題無いように見える。
店員の査定ミスだろう。この機体、LR44のボタン電池二つで動作するが、一般的な電池の入れ方とは逆に入れる。
店員は経験が浅く、プラスとマイナスを逆に入れて査定したのかもしれない。
そういう自分も、既に持っている同機体を、電池逆入れによって不動だと思い込んだことがあるから。
そして、F2.8通しのAF-Nikkor35-70mmに目を移す。こっちは水滴跡あり、とある。
覗き込むと、なるほど、素人が見てもわかる程にまだらに点状の汚れがある。しかし、絞りより前群のレンズの汚れである。
これも、実用上問題ないだろうな。
そうつぶやくより早く、代金を払う。2.8k。
帰宅後、LR44を入れられたX-700は、嬉々としてシャッター音を響かせた。
・・・「しっ!嫁にばれるだろ!」
写真は、DimageG400で撮った、X-700(NEW) 1k、AF-NIKKOR35-70mmF2.8 1.8k。