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首相官邸から醜聞リーク・口封じ(170526)

2017-06-03 | 覚書

加計学園問題 「あったものを、なかったことにする」総理周辺の“見過ごせない発言”

和泉洋人 首相補佐官

「総理が自分の口から言えないから、私が言うんだ」

『週刊文春』6月8日号

 名言、珍言、問題発言で1週間を振り返る。安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計学園」に関する疑惑が続いている。

 獣医学部の新設について内閣府が「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えた文書が発覚。5月25日発売の『週刊文春』6月1日号では、前川喜平前事務次官が「『総理のご意向』などと記された一連の文書は、私の手元にあるものとまったく同じ。間違いなく本物です」と告白した。同日に行われた記者会見では、「あったものを、なかったことにできない」と語っている。

和泉洋人首相補佐官(右) ©共同通信社© 文春オンライン 和泉洋人首相補佐官(右) ©共同通信社

 菅義偉官房長官はさっそく記者会見で「(一連の文書は)出所不明で、信憑(しんぴょう)性も欠けている。その点は昨日の(前川氏の)会見があっても変わらない」と強い調子で否定した(朝日新聞 5月26日)。菅官房長官はこのところ毎週(場合によっては毎日)のように記者会見で何かを否定している。本当に大変なお仕事である。

 

「獣医学部の件、どうなっているの?」

 

 しかし、前川氏は次なる告白を行っている。昨年9月上旬に和泉洋人首相補佐官から官邸に呼び出され、「国家戦略特区の獣医学部新設の手続きを早く進めるように」と指示を受けたという。その際、和泉氏が前川氏に告げたのが冒頭の言葉だ。昨年9月といえば、先の「総理のご意向」文書を前川氏が受け取った時期と重なっている。

 昨年8月に国家戦略特区を担当する地方創生相が石破茂氏から、「学芸員はがん」発言でおなじみの山本幸三氏に代わり、長らく止まっていた獣医学部新設問題が大きく動き始めていた。このことについては「不思議ですよね。なぜ大臣が代わることでこんなに進むのか」と石破氏が疑問を呈している(『週刊文春』4月27日号)。

 10月中旬、前川氏は再び和泉首相補佐官に呼び出されて、「獣医学部の件、どうなっているの?」と問われたという。文科省は獣医学部新設について慎重な姿勢だったため、前川氏は明確な返事を避けたが、「『早く進めてほしい』という内容だった。タイムリミットということで焦っていたのではないかと思う」と当時のことを振り返っている(朝日新聞 5月26日)。

安倍夫妻 ©雑誌協会代表
© 文春オンライン 安倍夫妻 ©雑誌協会代表

 獣医学部の新設が50年以上認められなかったのは、獣医師が足りていると考えられているから。文科省ならびに農水省、厚労省、日本獣医師会の見解である。官邸が岩盤規制に穴を開けるために国家戦略特区を作ったのだから、加計学園の獣医学部新設には何の問題もないという見方もあるが、そもそも獣医系大学は現在、国内に国公私立あわせて16ある。それでも獣医が足りないという見方を誰もしていない中官邸が主導して猛スピードで新設の認可に動いていたわけだから、安倍首相と加計学園理事長・加計孝太郎氏による「男たちの悪巧み」(by 安倍昭恵首相夫人)が背後にあったと思われるのも仕方がない。

 和泉氏は『週刊文春』の取材に対して、「面会の記録が残っておらず、確認できません」(6月8日号)と回答している。こういう回答もそろそろ見飽きてきた。また、朝日新聞の取材に対しては「(安倍首相から)具体的な指示を受けたことはありません」と回答している(5月26日)。安倍首相は変わらず「圧力は一切ない」と否定した(共同通信 5月29日)。

菅義偉 官房長官

「彼は異常だよ。とんでもない輩だ」

『週刊新潮』6月8日号

「総理のご意向」文書が発覚した直後の5月22日読売新聞「前川前次官 出会い系バー通い」と題して、前川氏が「売春や援助交際の交渉の場になっている」という歌舞伎町の出会い系バーに頻繁に通っていたことを報じた。前川氏は記者会見でそのことを認め、「女性の貧困を実地視察調査」するためだったと理由を語っている。バーで出会った女性と食事をしたり、お金をあげたりして話を聞いていたという(産経新聞 5月25日)。

菅官房長官 ©雑誌協会代表
© 文春オンライン 菅官房長官 ©雑誌協会代表

 菅官房長官はさっそく記者会見で「強い違和感を覚えた。常識的に言って、教育行政の最高の責任者がそうした店に出入りし、小遣いを渡すことは到底考えられない」と批判(朝日新聞 5月26日)。その前日の記者会見でも前川氏を名指しして「地位に恋々としがみついていた」と批判していた(毎日新聞 5月25日)。官房長官が特定の個人を強く非難するのは極めて異例のことだ。

 

「私も出会い系バーに『実地視察調査』に行っていいことになるね」

 

『週刊新潮』6月8日号は、菅官房長官がオフレコで記者団に語った前川氏に対する“口撃”を採録している。その一つが冒頭の言葉である。その他にも、「彼はその出会い系バーに、50回も100回も、繰り返し行ってるんだよ」「文科事務次官の立場にある人が最もやってはならない行為でしょ」「(前川発言が世間に受け入れられるのであれば)私も出会い系バーに『実地視察調査』に行っていいことになるね」……などなど。「総理のご意向」文書を本物だと認めた前川氏への敵意を隠さず剥き出しにしている

 なお、新聞が官僚の犯罪ではないスキャンダルを報じるのも異例のこと『週刊新潮』6月1日号は、「安倍官邸は警察当局などに前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させ、彼に報復するとともに口封じに動いたという」と記している。ここでいう「友好的なメディア」とはもちろん、安倍首相が「ぜひ熟読してもらいたい」と語った読売新聞を指す。

 民進党の宮崎岳志衆院議員は、5月25日の加計学園疑惑調査チームのヒアリング調査の中で、読売新聞の記者が「報道が歪められた」と泣いて怒っていたと証言した。行政だけでなく、報道まで歪められているのが事実だとしたら大事だ。

出会い系バーで前川氏と会っていたA子さん

「私は前川さんのおかげで今があると思っていますから」

『週刊文春』6月8日号

 読売新聞「前川前次官 出会い系バー通い」報道の後追い記事も多かった。産経新聞が運営するネットメディア「zakzak」では、「『詭弁の極み』…前川氏『出会い系は貧困調査』にネット大炎上 和田政宗氏『広義の援助交際』」と題した記事を掲載した(5月27日)。

 記事の中で無所属の和田政宗参院議員(自民党会派に所属)は前川氏の行為を「文科省のトップが現職中に『広義の援助交際』を行ったとみられてもおかしくない。大問題だ」と批判。また、ノンフィクションライターの窪田順生氏も「女性の貧困を潜入調査してくれなんてことは国民は誰も頼んでいない」と批判している(ITmediaビジネス 5月30日)。

 窪田氏は同記事で「もしも加計学園問題の全貌を本気で解明しようというのなら、前川さんの『出会い系バー通い』が本当に『貧困調査』なのかという検証も避けては通れない」とも書いているが、それ関係なくない?

前川前次官 ©時事通信社
© 文春オンライン 前川前次官 ©時事通信社

『週刊文春』6月8日号は、前川氏が出会い系バーで知り合い、頻繁に会っていたという女性A子さんに取材を行っている。記事を読むと、「まえだっち」(前川氏の愛称)って本当に良い人なんだな……という感想しか浮かばない。A子さんの母も「結婚したら前川さんを結婚式に呼びなよ」と言うほど信頼を寄せていたという。A子さんの母は前川氏の記者会見を見て「まえだっちが安倍首相の不正を正してる」とLINEをA子さんに送ったとか。

前川氏は次官退職後、NPO法人キッズドアで低所得の子どもたちのためにボランティア活動を行っていた。同代表の渡辺由美子氏によると、前川氏は一般の学生や社会人と同じようにホームページから申し込みを行い、熱心に活動を行っていたという(ブログより 5月27日)。

木曽功 元内閣官房参与、加計学園理事

「『一強』だからだ。いいとか悪いとかではなく『一強』だからできる」

朝日新聞 6月1日

 獣医学部新設に向けて前川氏に働きかけていた官邸中枢は和泉洋人氏だけではない。当時、内閣官房参与だった木曽功氏は昨年8月、前川氏に対して「文科省は(国家戦略特区)諮問会議が決定したことに従えばいいから」と特区推進を要請していた(『週刊文春』6月8日号)。

木曽功氏 ©共同通信社
© 文春オンライン 木曽功氏 ©共同通信社

 木曽氏は16年4月、加計学園理事兼千葉科学大学学長に就任している。千葉科学大学は加計学園傘下の大学。つまり、木曽氏は加計学園の利害関係者でもあるのだ。木曽氏は前川氏に会って獣医学部の件を話したことを認めている。

 

「巨大な忖度の塊」

 

 また、朝日新聞の取材に対して木曽氏は「総理のご意向」文書に関して「違和感はない」「確かにこういう状況は起きていたと思う」と振り返っている(朝日新聞 6月1日)。また、獣医学部新設に向けた一連の経緯について「巨大な忖度の塊」「(関係者は)総理マターで最速でやらないといけないと思っていたのだろう」と回答している。森友学園問題とまったく同じだ。では、なぜそんなことが起きてしまうのか? 木曽氏は「(安倍首相の)『一強』だからだ」と明言した。

 中曽根弘文元外相は二階派の会合で、イギリスのアクトン卿の「絶対的な権力は絶対的に腐敗する」という言葉を引用し、「今がそう、ということじゃありませんけど、常に謙虚に政治を行っていかなければ」と語った(朝日新聞 6月1日)。ちなみに中曽根氏の妻は前川氏の実妹である。

「あったものを、なかったことにできない」と前川氏は語ったが、官邸も官僚も「なかった」の大合唱だ。「一強」はこのまま押し通すつもりだろう。今の日本は「なかった」と言い張れば「あったもの」でも「なかった」ことになるのだろうか? 前川氏がボランティアとして働いていたNPO法人キッズドアの渡辺由美子氏は、「自分たちの都合のいいように、事実を捻じ曲げる」「自分を守るためには、嘘をついてもいい」という態度は、一連の疑惑に対する官邸と官僚の対応と、いじめ問題を「なかった」と報告する教育委員会や学校に共通していると指摘している。

詩織さん

「はっきり言えることは、私はその時、私の意思とは無関係に、そして私の意思に反して性行為を行われていたということです。」

BuzzFeed JAPAN 5月29日

 テレビに多数出演する著名ジャーナリスト・山口敬之氏にレイプされたと主張する女性・詩織さんが東京・霞が関の司法クラブで記者会見を行い、山口氏が不起訴になったことを受け、検察審査会に不服申立てをしたと発表した。

 2015年3月、当時TBSワシントン支局長だった山口氏に就職相談をしたところ、食事に誘われた詩織さんだが、食事の途中で記憶を失い、痛みで目が覚めた際、レイプされていることに気付いたという。詩織さんは酒に強く、酔って意識を失うことはこれまでになかった。詩織さんは日刊スポーツの取材に対して「デートレイプドラッグを混入されたと思っている」と述べている(日刊スポーツ 5月31日)。行為後、詩織さんの服を返さなかった山口氏は「下着だけでもお土産で持って帰ってもいいかな」と話した(『週刊新潮』6月8日号)。

山口敬之氏 ©共同通信社
© 文春オンライン 山口敬之氏 ©共同通信社

 詩織さんは4月9日に警視庁原宿署に相談。警察の捜査によって、タクシーの運転手やホテルのベルボーイ、ホテルセキュリティーのカメラ映像、下着から採取したDNA片の鑑定結果などの証拠が揃い、2015年6月には山口氏への逮捕状が発行された。しかし、直前で逮捕が見送られている。このとき、捜査員から詩織さんに「上からの指示で逮捕できなかった」と連絡があったという。

 

「法律や捜査機関は被害者を守ってくれない」

 

 山口氏は2015年8月26日に書類送検されたが、2016年7月22日に嫌疑不十分で不起訴になった。詩織さんは納得できないとして、検察審査会に不服申立てを行った。詩織さんは記者会見で「私の知り得ない立場からの力を感じる。法律や捜査機関は被害者を守ってくれない」と訴えている(スポーツニッポン 5月30日)。菅官房長官の秘書官を務めていた中村格氏(当時、警視庁刑事部長)が隠蔽を指示したのではないかという報道もあった(『週刊新潮』5月18日号)。

 山口氏が安倍首相と非常に親しい存在であるということはよく知られている。2012年に安倍氏が自民党総裁に返り咲いた際には、菅義偉氏が「山口君の電話がなければ、今日という日はなかった」と語り、内閣改造時には麻生太郎氏直筆の「人事案」を山口氏が安倍首相のもとに届けることもあった(現代ビジネス 2016年7月20日)。2016年5月にTBSを退社し、翌月にそれまでの取材をもとにした著書『総理』(幻冬舎)を出版した。

 山口氏に関する疑惑は、「あったものを、なかったことにする」という一つの典型的な出来事だと思わされる。山口氏がフェイスブックに記した詩織さんへの反論には、安倍昭恵首相夫人が「いいね!」をつけていた。なお、中村氏は現在、警察庁刑事局組織犯罪対策部長の要職についている。これは「共謀罪」摘発を統括する予定の役職だという。

菅官房長官と安倍首相 ©共同通信社
© 文春オンライン 菅官房長官と安倍首相 ©共同通信社

 

「なんで白いシャツを着て弱々しく被害者らしく映らないといけないんでしょう」

 

 なお、詩織さんは実名と顔を出して記者会見に臨んだ理由を、「オープンにこの話をしていかないと、捜査も病院も周囲のサポート体制も、社会が変わらない」と話している(日刊スポーツ 5月31日)。記者会見の服装について、「ボタンを開けすぎ」という批判もあったが、想定済みだったという。

「本当に言いたいのは、スカートをはいていようが、何を着ようが、責められる対象にはなってはいけない。リクルートスーツを着てと言われたけど、なんで白いシャツを着て弱々しく被害者らしく映らないといけないんでしょう。普段着で批判されるって、おかしい。そこを変えたかった」

 日本でこれまで、性暴力被害者が実名を名乗り、顔を出して被害を語ったケースは非常に少ない。性暴力の被害者を取材し続けているライターの小川たまか氏は「これまで被害を胸の底に沈め、沈黙を余儀なくされてきた人たちの希望となることを願いたい」と記している(Yahoo!個人 5月30日)。なお、小川氏の記事のコメント欄には被害者女性を非難する罵詈雑言が並んでいる。

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森友に続き、加計問題でも「知らぬ存ぜぬ」 “前川砲”潰す安倍政権の卑劣

 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園の獣医学部新設が「総理のご意向」で進められたことを示す文部科学省の内部文書はやはり「本物」だった。文科省の前川喜平・前事務次官が5月25日に会見し、安倍政権に反旗を翻した。官邸の「知らぬ存ぜぬ」は卑劣ではないのか?

「安倍首相は森友・加計疑惑が長引いていることを『うっとうしい』と周辺に漏らしていた。与党国対には追及逃れのため『今国会の大規模延長はせず、都議選前までの小幅延長で乗り切れ』と指示を出している。本格的な対応はサミット後に練るが、予想以上に早い展開だ」(官邸関係者)

 そればかりか、早くも強引な“前川封じ”の動きがあるという情報もある。

「菅義偉官房長官らは前川氏に激怒している。間接的だが官邸から法務省と最高検を通じて地検特捜部に『天下りのあっせんなどいろいろスキャンダルがあるので、立件を視野に調べろ』と示唆があったとか。立件は難しくブラフの意味合いが強いと思うが、政権寄りのメディアは動くでしょうからね」(法務省関係者)

 それほど、前川氏による告発は重かった。会見で国家戦略特区制度での獣医学部の新設について「総理のご意向だ」「官邸の最高レベルが言っていること」などと書かれた文科省の内部文書について「私が在籍中に共有していた文書。確実に存在していた。あったことをなかったことにはできない」と、語気を強めて本物だと証言。文科省の内部調査では資料を「確認できなかった」としたが、前川氏は「見つけるつもりがあれば、すぐに見つかるもの」と異論を唱えたのだ。

 また、特区認定の手続きについて「最終的に内閣府に押し切られた」と、内閣府の“ゴリ押し”があったと主張。その上で、国会の証人喚問について「あれば参ります」と言い切った。

 だが、政府は黙殺するつもりだ。元上司の松野博一文科相は「辞職した民間人の発言についてコメントする立場にない」。「文書は怪文書のようなもの」と主張していた菅官房長官は前川氏が1月に文科省の天下り問題の責任をとって辞任した経緯について「当初は自ら辞める意向を全く示さず、地位に恋々としがみついた」と、露骨な“人格攻撃”で応じたのだ。

 野党が要求した前川氏の証人喚問を、自民党は拒否した。だが、資料の真贋は官僚の目には明らかだ。文科省幹部はこう語る。

「文書は誰が見ても文科省で作成したもので、もう認めて楽にさせてくれ、官邸と内閣府が責任をとれというのが本音。前川会見に『今さら何を』という声もあるが、省内の大半は言い分には納得している。獣医学部新設に反対してきた文科省としては、今回の経緯はすべてを否定されたようなもの。『強引すぎる』という声は当時からあった」

 内閣府幹部もこう語る。

「文書は本物でしょうね。審議官クラスは官邸の首相秘書官や事務方から、よく直接電話を受けます。『総理、官房長官はこういう方向でやってほしいとお考えだ』という言い方はよくあり、特殊なケースはメモにして共有します。今回のように『総理のご意向』と書いてあるのは、よほど強く言われたんでしょう」

 文書では内閣府の藤原豊審議官が文科官僚に対し、<官邸の最高レベルが言っていること>などと、「圧力」ととれる文言を使ったと記録されている。前川氏は会見の中で「官邸の最高レベル」の意味について、

「一番上であれば総理だし、その次であれば官房長官でしょうから、お二方のどちらかのことかなと思った」

 と答えている。実際に総理や官房長官の指示があったのだろうか。発言の主とされる藤原審議官は、経済産業省からの出向組。経産省関係者がこう語る。

「藤原氏は経産省の中では規制緩和などを主張する『改革派』で、今の省内では少数派です。派手な政策を打ち出すタイプで、ある意味、軽いノリ。有力官庁の経産省は文科省を下に見ているため、居丈高な物言いになったのでは。審議官が直接、総理や官房長官と話す機会はまずないが、同じ経産省出身の今井尚哉首相秘書官などを通して聞いた話を文科省に伝えていたと考えると辻褄が合う」

 ところで、渦中の前川氏とは、どんな人物なのか。前川氏を知る総務省官僚は、「まともな人ですよ。話はおもしろいし、企業の御曹司なのに全然ひけらかさない。記者会見を見てビックリした」と語る。

 前川氏は産業用冷凍機メーカー・前川製作所の創業者一族出身。妹は中曽根弘文元外相の妻という「華麗なる一族」だ。東大法学部卒業後、1979年に旧文部省に入省。初等中等教育企画課長だった2005年には自身のブログ「奇兵隊、前へ!」で、当時の小泉純一郎政権下で検討された公立小中学校への国庫負担金の削減を真っ向から批判するなど、率直な物言いで注目を集めた。

 前川氏の入省当時から親交があるという元文科官僚の寺脇研氏がこう語る。

「入省時から将来の次官候補と言われていた。仕事もできて人柄も良い。派閥もつくらず省内で幅広く慕われた。小泉改革を批判したときも今と似た構図で、教育の専門家が一人もいない当時の経済財政諮問会議で、義務教育への予算削減が決められることに辞職覚悟で抗議した。公正さを重んじる性格です」

 内閣人事局の設置(14年)により官僚の人事権を官邸が掌握した現在と違い、当時は官僚の人事は官僚が決めていた時代。前川氏はその後も順調に出世を重ね、初等中等教育局長などを経て16年6月に事務次官に上り詰めた。だが、今年1月に発覚した文科省の天下り問題で責任を問われ、わずか半年で辞任。元経産省の古賀茂明氏は、こうした経緯も今回の行動に影響したのではないかと推測する。

記者会見を開いた前川氏 (c)朝日新聞社
© dot. 記者会見を開いた前川氏 (c)朝日新聞社

「経産省など有力省庁は実際もっとおいしい天下りをしているのに、安倍政権には文科省だけが『悪の巣窟だから退治してやる』というように扱われた。『政治主導』の演出に利用された不満が省内にたまっていたはず。前川氏も今回の行動で再就職などが難しくなるわけで、相当な覚悟でしょう。いわば忠臣蔵の浅野内匠頭です。前川氏を慕う現職職員は今も多く、これから内部告発が続けばさらに大きな展開になるでしょう」

 前川氏に続く「四十七士」は現れるのか。だが、前川氏の会見直後に行われた民進党によるヒアリングでは、文科省側は資料の存在について「関係者に確認したところ、確認できなかったという結果が出ましたので、その点についてはそういうことです」(串田俊巳大臣官房総務課長)などと、これまでと同じ答えを繰り返すばかり。元トップの捨て身の訴えは黙殺された。

 官僚たちはなぜ口をつぐむのか。前述のとおり官邸に人事権を握られているという事情はあるが、今回はそれ以上の「闇」を感じさせる出来事があった。

 読売新聞は22日、前川氏が文科省時代に東京・歌舞伎町の「出会い系バー」に通っていたという“スキャンダル”を突如として報じた。少し前から文科省の内部文書のネタ元が前川氏ではないかといううわさが飛び交っていたため、政府筋による“意趣返し”のリークがあったのではないかという観測が広がった。

 この報道について前川氏は25日の会見で、店に行ったことは認めながらも、女性や子供の貧困について話を聞くのが目的だったと説明。「極めて個人的な行動をどうしてあの時点で報じたのか、私にはまったくわかりません」と語った。

 また、前川氏は昨年9月ごろ、杉田和博官房副長官から「こういうところに出入りしているそうじゃないか」と注意されたと明かした。杉田氏は警察庁出身で、危機管理のプロとして官邸の信頼が厚い人物。どういう手段で情報を得たのか、勤務時間外の官僚の行動まで把握していたことになる。前出の内閣府幹部が語る。

「怖いよね。変なところに飲みに行けない。杉田さんは最近は人事だけでなく、審議会の委員の人選にまで口を挟んでくる。菅官房長官の威光をカサに着てくるが、本当に菅さんの意向か、杉田さんの忖度か、こっちは確認しようもない」

 官邸にプライベートまで監視され、官僚たちは身動きを封じられているのだ。

 前川氏が「総理のご意向」などの内部文書を部下から示されたのは昨年9~10月ごろ。ちょうどこのころから獣医学部新設は実現へ急ピッチで進んでいく。

「それ以前は文科省や農林水産省、自民党獣医師問題議連会長の麻生太郎氏、前担当大臣の石破茂氏などの反対に遭い、難航していた。愛媛県と今治市は国家戦略特区で獣医学部の新設が認められる以前、小泉内閣時代に始まった構造改革特区に獣医学部新設を15回にわたって提案したが、全部、蹴られていました」(自民党中堅議員)(本誌・小泉耕平、村上新太郎、大塚淳史/今西憲之)

※ 週刊朝日 2017年6月9日号

 

【加計学園】自由党・山本太郎氏「NHKが忖度報道を続けるなら、受信料支払いをボイコットする」

【加計学園】自由党・山本太郎氏「NHKが忖度報道を続けるなら、受信料支払いをボイコットする」: 山本太郎議員(前川純一郎撮影)© 産経新聞 提供 山本太郎議員(前川純一郎撮影)

 自由党の山本太郎共同代表は27日、学校法人「加計学園」(岡山市)の大学獣医学部新設計画をめぐり、「NHKが加計問題に対して政権への忖度(そんたく)報道を続けるなら、『受信料の支払いをボイコット』する。公共放送とは言えぬ偏向報道だ」とツイッターに投稿した。

 「視聴者がスポンサー、ということをNHK首脳陣とNHK報道は思い出す必要がある」とも主張した。

 

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「官邸の醜聞リーク疑惑、背筋が凍る思い」民進・山井氏

■山井和則・民進党国会対策委員長(発言録)

 前川喜平・前文部科学事務次官の証言に関して、前川氏のスキャンダル的なものが首相官邸からリークされ、口止め、口封じを官邸がしようとしたのではないかという疑惑が出ている。私は背筋が凍るような思いがする。政権に批判的な発言をした、しようとする人間に対しては、政権がスキャンダルを流して、その口を封じようとする。一体、どこの国の話かと。そんな恐ろしい国に今の日本はなっているのか。私は非常に心配で心配でならない。一言で言えば、安倍1強政治の弊害、おごり、ここまで来たのかという心配をしている。そういうことの真相解明のためにもしっかりと、(前川氏の)証人喚問をしていく必要があるのではと思う。(国会内で記者団に)

 

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こんなこともあった…

故中川昭一金融大臣抹殺の実行犯
 
   
暴走する悪徳エリートの所業
   
 
   
以下は、和順庭の阿波だよりリンクからの引用です。
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ワインに薬を入れた故中川昭一金融大臣抹殺の実行犯
2011/11/14
 越前谷知子 
篠原尚之玉木林太郎 

 あのローマでの朦朧記者会見後、自殺で亡くなった故中川昭一金融大臣を、ワインに薬入れて酩酊状態にした実行犯の名が既にネットでは挙げられていて、これほど実名がわかりながら、なぜその者たちがその後どうなったのか、真実はどうなのかが問われないのが不思議なことだ。 
 副島隆彦氏の最新本「世界権力者人物図鑑」(日本文芸社1,575)では、このように書かれている。 

「中川昭一金融大臣が辞任に追い込まれた昨年2月のローマでの朦朧記者会見を仕組んだ男が、実名で暴露されています。世界銀行総裁のロバート・ゼーリック氏です。デヴィッド・リックフェラーの直臣の一人です。 
この男の命令でワインに薬品を入れて朦朧状態にさせた財務省官僚の実名も暴露されています。玉木林太郎国際金融局長です。中川昭一氏と麻布高校の同級生で、その後財務省財務官に出世しています。 
ゼーリックの命令で朦朧状態の中川大臣を無理やり記者会見に出させ、自分は素知らぬ顔で隣に座っていた財務省官僚も実名で暴露されています。篠原尚之財務官です。彼はその後IMF専務副理事に出世しています。 
また玉木林太郎国際金融局長と「特別に親しい関係」を持ち、中川大臣との昼食会に同席して一緒に食事してワインを飲んだ女性記者の実名も暴露されています。 
読売新聞経済部 越前屋知子記者です。彼女は中川大臣がなぜあれほどまでに朦朧状態となったのか、なぜ朦朧状態のまま記者会見に臨んだのか、一連の顛末を良く知っていると思われます。現場に居合わせたジャーナリストとしてなぜ今まで一言も発言してこないのか、全く不思議なことです。」 

リベラルタイム12月号「confidential」 の、「玉木林太郎、篠原尚之、越前谷知子。この三人の名前だけは絶対に忘れない。 アメリカの魔の手から命がけで守ろうとした中川先生を、嘲笑うかのように陥れ た罪は重い。 国家反逆罪で起訴されてもいいくらいだ。」と言う言葉が印象的です。 

また、『前財務大臣・中川昭一潰しの「黒幕」』では、次のように述べられています。 

「国際会議の舞台で飲酒の末、醜態をサラシ、辞任に追い込まれた前財務大臣・中川昭一は、金融恐慌の最中にあるアメリカに対し、資金援助するよう要請を受け、米国の金融ギャンブル投機に対し厳しい批判を加え、ドル=円の為替問題についても、厳しい注文を米国に要求していた。 
そのため、米国金融筋から、「中川を潰せ」という命令が出ていた。 
東芝会長・西浦泰三の指示で「中川に薬を盛った」のは、株屋ブルームバーグ日本の、ゴールドマン・サックス「子飼い」の下土井京子、下土井の手足として動く、東芝会長・西浦の「子飼い記者・取材屋」=読売新聞記者・越前屋知子、日本TVの原聡子である。読売グループがCIA日本支部である事は、既報である。 
この3人が、ロスチャイルドの手先として、中川のワインに「薬を投入した」犯人である。 
リンク      」 

 そして、その結果、多額の現金が動くことになる。(『前財務大臣・中川昭一潰しの「黒幕」』) 

「中川財務相はG7財務相・中央銀行総裁会議中のホテルで意識もうろう状態で米国のIMFに1000億ドル=10兆円貢ぐ協定書にサインさせられた。日本では貧困から自殺者が急増しているこの時に。2兆円の定額給付金は是か非かで、大騒ぎしているこの時に。 
 日本国民の血税10兆円は、差し迫る米国破産でもう戻って来ない。 
 米国はヒラリーが最近訪中したとき、巨額の借款を懇願して、米国の国土、諸都市、会社企業、建物、住宅等を担保にして、米国のデフォルトの際には中国が差押え・没収する「国家主権行使の収用権」を中国に与える協定書を成文化して合意した。 
 Rense.comの暴露記事: 
  リンク   」 

 この事件の実行犯について知らなかったのは私だけだったのか?最近知って驚いた。実名まで挙がっていながら、その後どうなったのか?何も問われないのか?権力によってひとりの政治家が闇から闇に葬られて、巨額な血税が失われても、市民が動かなければ、誰も手出しができないのが実情であるのだろうか?恐ろしいかぎりだ。
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引用以上

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